鳥の自咬症ってどんな病気?

2020.10.15

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自咬症という病気をご存じですか?
自咬症とは、鳥やフクロモモンガなどのどうぶつさんに多い自分の体を咬んでしまう病気です。
今回は、原因の一つと考えられている精神的・環境的要因に対する予防・治療方法のうち、家庭でもできる「フォージング(採食行動)」を紹介したいと思います。

自咬症の症状は?

鳥

自咬症とはその名のとおり、自らを咬んでしまうことです。 自分の羽を咬んで、折ったり抜いたりしてしまう羽毛損傷行動(毛引き症)が進行し、皮膚まで咬んで傷つけてしまう自傷行動(自咬症)に進行することもあれば、急に自傷行動(自咬症)を起こすこともあります。
自傷行動は、爪でひっかいたり、何かにこすりつけたりして傷つける場合もありますが、最も多いのはくちばしで咬んで傷つけることです。
そのため、くちばしが届く範囲に多く見られますが、下顎など「届くの?」と思うようなところまで傷つけてしまう鳥さんもいます。

自咬症の原因は?

鳥

詳しい原因については、まだ解明されていませんが、遺伝や生まれてからの親鳥との接し方で性格が決まり、その後に以下の要因などが関与して発症すると考えられています。

■疾病が関与
・感染症(鳥ボルナウイルス、ダニやシラミなどの外部寄生虫、ヘキサミタなどの消化管内寄生虫など)
・皮膚炎や外傷
・肥満症などによる血行障害
■環境や精神的要因が関与
・運動不足
・睡眠不足
・不適切な食餌
・環境変化
・退屈、寂しさ
・慢性的発情 などです
                                                【関連リンク】
毛引き症・自咬症 <鳥>|みんなのどうぶつ病気大百科

自咬症は、コザクラインコ、ボタンインコ、オカメインコ、セキセイインコ、ヨウム、バタン系などに多いといわれていますが、この鳥種の子がすべて自咬症を発症するわけではありません。同じ環境で飼育していても発症する子としない子がいますし、遺伝的素因だけでなく生まれた環境、病気、発情などさまざまな要因が絡み合って発症すると考えられています。

自咬症の治療・予防

コザクラインコ

原因となっている病気がわかれば、その治療を行います。
しかし、実際には精神的・環境的要因によるストレスが原因のことも多く、そのストレスの原因特定が難しいこともあります。
明らかに毛引きや自咬を始めるきっかけがあるのなら、取り除くようにします。

自咬症は癖になってしまうと治すのが難しい病気なので、予防が重要です。
日頃から、食事や生活習慣・環境に気を付けることで、ストレスを軽減させましょう。
今回は予防方法の一つとして、フォージング(採餌行動)をご紹介します。

フォージング(採餌行動)って?

餌を探す鳥

フォージングとは、鳥さんが「餌を探す行動の事」です。
本来、野生の鳥さんは、一日の多くの時間を食べ物を探したり食べる事に費やします。
一方、飼育環境下では、探さなくても食餌が与えられ、いつでもおなかいっぱい食べられる子がほとんどです。
そのため、食べ物がどこにあるか、どのように探すかなどを考えて行動する必要がなくなり、退屈な時間が多くなってしまいます。退屈が毎日続いてストレスを感じるようになると、毛引き症や自咬症になってしまう可能性があるのです。
日頃からフォージングを取り入れて鳥さんの退屈な時間を減らし、楽しみの一つになれば、飼い主さんとの絆も深まり自咬症の予防にもつながります。

フォージングってどうやるの?

フォージングトイ

ペットショップや鳥専門店ではフォージングトイと呼ばれるおもちゃが販売されています。
鳥さんの好きな食べ物などを入れて転がすと食べ物が出てくるボールや、ケージの壁面横に取り付けて回すとおやつが出てくるもの、ひもを引っ張ると揺れておやつが落ちてくるものなど難易度もさまざまなものがあります。
また、ワラや乾燥へちまなどにおやつを詰めて手作りフォージングトイとして使うこともできます。始めて見たものを怖がってしまう子もいるので、まずはおもちゃに慣れてもらうことから始めましょう。
慣れてきたら好きな食べ物を与えるときに、飼い主さんがどうしたら食べ物が出てくるかを見せてあげます。声をかけたり、できたらほめてあげたり、コミュニケーションをとりながらやることで鳥さんも飼い主さんも楽しくフォージングができます。

フォージング実践における注意点

体重をはかる鳥

なかなか興味を示してくれない場合には、好きなおやつを使ったり、食餌を変える前のお腹がすいている時間に試しましょう。それでも難しい場合、毎日体重測定や食事量を管理して体型をみていきましょう。いつでもお腹いっぱいでいつでも食べられる状態では、餌探しをしてくれません。お腹がすいてる時間に少しずつ覚えさせてみましょう。
こちらから体重管理表をダウンロードできますのでぜひご活用ください!
▶体重管理表
食べ物以外のものをかじって食べてしまったり、思いがけない事故が起こる可能性もありますので、フォージングは必ず見ていられる場所で行うようにして下さい。

最後に、フォージングは鳥さんのペースに合わせてゆっくり行っていきましょう!その子の気分や性格によって、いつでも誰でもうまくできるわけではありません。無理強いはせず、焦らず鳥さんと遊んでいるという気持ちで行いましょう。できないことにイライラしてしまうと、飼い主さんとの関係悪化や逆にストレスになってしまう可能性があります。
フォージングを取り入れて、楽しく健康な鳥さんライフを!!

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