ミーアキャット飼育日誌(23)“ぼっち”はつらいよ(み~たん)

2019.05.24

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ミーアキャットは単頭飼育すべきではないと一般的に言われているようですが、多頭飼育を実現するのはなかなか難しいようで・・・。今回は、飼い主としての揺れる気持ちを、ちょっと覗いてみましょう。


なぜ多頭飼育が推奨されるのか

ミーアキャットの画像

ミーアキャットは社会性の強い動物であり、野生下では3頭から40頭ほどの群れを形成して過ごします。採餌行動をする時には、1頭が見張り役となり、捕食者に対する警戒を行うなど、群れの仲間と助け合わなければ生き伸びることができません。したがって、ミーアキャットが群れから追放され1頭で過ごすこと、それは即ち“死”を意味するのです。


ミーアキャットのDNAにはそのリスクが色濃く残っているのか、み~たんはいまでも1頭で過ごす時間が大の苦手です。


試しに二頭で過ごさせてみた

二頭のミーアキャットの画像

そんなみ~たんの姿を見て、わが家もミーアキャットの多頭飼育を検討した時期があります。


試しに、友人宅のミーアキャット女子を自宅にお預かりしたことがありました。最初のうちは2頭一緒に仲良く過ごしていたのですが、そのうち「やっぱり人間の方がいいや」とばかりにみ~たんは私にべったり…。当然、ミーアキャット女子はイライラするばかり。


他のミーアキャット女子と過ごさせた時も、結果は同様。


み~たんの飼い主大好きな気持ちは嬉しいのですが、もう少しミーアキャット同士で仲良くしてくれると思っていたので、なんとも複雑な心境になりました。


ミーアキャット多頭飼育の難しさ

二頭のミーアキャットの画像

ミーアキャットを男女ペアで飼育する場合は、事前に繁殖の可否も考えておかなければなりません。繁殖して人に譲るなどを考えると動物取扱業者の資格が必要ですが、私はそうではありません。かといって、飼育頭数が増え続けるのは困りますので、み~たんの去勢手術を検討する必要もでてくるでしょう。


同性のミーアキャットを迎えるという手段もありますが、何かの拍子に相手に対するライバル視が始まり、突然、攻撃対象にされてしまうことも想定しておかなければなりません。この“攻撃”は、喧嘩レベルを超えた致死的レベルも有り得るのです。


私が心配性ということもありますが、考えれば考えるほど不安が増し、多頭飼育を逡巡してしまうのです。


快適な群れのサイズ

ミーアキャットのフィギアの画像

そもそも、ミーアキャットが落ち着いて暮らせる頭数って何頭なのでしょうか?


動物園のミーアキャットのストレスについて研究した論文によると、群れの頭数が多いほどストレスは少ない傾向にあるという結果がでていました。一般家庭では飼育可能な頭数に自ずと限界があるため、快適な環境づくりは難しいですね。


余談ですが、意外だったのは、野生下では一概に群れのサイズが大きければいいという訳ではないこと。大きな群れは見張りに立てる個体が多く、捕食されるリスクは低下するものの、縄張り内での食べ物は限られていることから、食べ物争奪戦が激しくなりストレスが大きくなるからのようです。


【参照リンク】
Group size and visitor numbers predict faecal glucocorticoid concentrations in zoo meerkats

結局、単頭飼育へ

寝ているミーアキャットの画像

いろいろと思い悩みながら、結局、わが家は単頭飼育。今、私にできるのは、日々たっぷり愛情を注ぐこと、そして、み~たんに極力“ぼっち”だと思わせないよう工夫すること。


就寝タイムも、そのひとつです。わが家は賃貸マンションであり、寝室のカーペットは元から備え付けの物。トイレを完璧には覚えられないみ~たんは入室禁止にするしかなく、キッチン奥に設置したベッドで1頭で寝かせるのですが、1頭にすると寂しさからくる後追いが激しくて大変。そこで、“み~たんが寝付くまで暗闇のキッチンで一緒に待つ”のが、いつしか私の日課になりました。


ベッドに潜りこんだみ~たんと、「ヘホー?ヘホー?(ママ、ちゃんといる?)」「うん。ここにいるから、安心して寝なさいね。」といった会話をしつつ、暗闇で待つこと約30分。すると、いつしかみ~たんは夢の中・・・。


み~たんの寂しさは、少しは軽減されているかしら?どうか家族みんなで楽しく過ごす夢を、み~たんが見てくれていますように!

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