2017.10.26
大切などうぶつさんがケガをするのは、飼い主さんにとって、つらいですよね…。今回は、み~たんがケガを負ってしまったときの様子をご紹介します。
小さな傷のはずが
先日、み~たんが肢と肉球にちょっとした傷を負いました。傷自体は小さなものでしたが、自分でカサブタを何度も何度もはがしてしまい、傷は除々に拡がっていきました。
それでも自然治癒に一縷の望みを残していたある日の朝、私が出勤前に身支度を整え、み~たんに「行ってきます」を言いに戻ると、部屋の床が赤い花びらを敷き詰めたように血で染まっていたのです。
青ざめた私は、み~たんを連れて大慌てで動物病院へ直行。そして、み~たん初のエリザベスカラー装着となりました。
エリザベスカラーで意気消沈
エリザベスカラーとは、外傷を持ったどうぶつが、傷口を舐めたり噛んだりして傷を悪化させることを防ぐための、首に巻く円錐形の保護具のことです。シャンプーハットを首に巻いた図を想像していただければいいと思います。名前とは正反対のかなりイケてない代物です。
案の定、み~たんは大騒ぎしてエリザベスカラー装着を嫌がり、装着してからも行動が著しく阻害されることを理解して大いに落ち込みました。何しろミーアキャットは体高が低いので、犬猫と違ってちょっとした高低差でもエリザベスカラーがぶつかり前に進めません。み~たんがお気に入りの休憩用ふかふかマットに乗るときも、飼い主に甘えてよじ登ろうとするときも、食餌や水のお皿に口を付けようとするときも、ことごとくエリザベスカラーが邪魔をしてくるのです。細い隙間をすり抜けるなど、夢のまた夢。
いつも穏やかで優しい目をしている温厚なみ~たんも、この時だけは、怒り、絶望、不審、苛立ち等を瞳に浮かべていました。「僕はみんなをこんなに愛しているのに、なぜみんなは僕にこんなひどい仕打ちをするの?」瞳が明らかにそう語りかけていて、こちらも胸が痛みました。
結局、その日み~たんは、夕食後に一緒に遊ぶことも寛ぐこともなく、早々に自分のベッドにこもって寝てしまいました。
泣きっ面に蜂
翌朝、み~たんと飼い主に追い打ちをかける事態が生じました。み~たんがひどい耳垂れを起こしていたのです。
エリザベスカラーは寝ている間も装着しなければなりませんが、エリザベスカラーを装着したまま横になると、耳の通気性は最悪の状態になることがあるのです。「この生活が続けば、間違いなく外耳炎を発症する」と直感しました。泣きっ面に蜂です。
最近は通気性を上げるためメッシュ素材のエリザベスカラーもあるそうですが、私がインターネットで探しても犬猫用しかみつけられずサイズがまったく合いません。
傷を治すためのエリザベスカラーなのに、まさかそれが病気を引き起こすとは…。2、3日の間、悶々とした気持ちで過ごしていました。
どうぶつの眼から治療を見ると
「もう限界! 獣医さん、ごめん」普段は獣医さんの指示に従う従順な私ですが、今回はみ~たんの傷が完全に癒えるのを待たずして、エリザベスカラーを外してしまいました。「肢の傷の悪化」と「外耳炎発症」の両方をかわすギリギリのタイミングを狙ったつもり。そして、それは運よく成功!心から安堵しました。
ヒトは、自分に必要な治療であれば、不自由なことも苦しいことも納得したうえで治療を受けます。しかし、どうぶつはそうはいきません。どうぶつは病気やケガの苦しみだけでなく、獣医さんやもっとも信頼している飼い主から“いわれもないひどい仕打ちを受ける”という「心の痛み」がそこに加わるように思います。飼い主も良かれと思ってしていることが、愛する家族に真逆に受け取られてしまうという切なさを味わいます。それは、医薬品、医療機器、医療・衛生用品が、どうぶつにとって苦痛のない物に進化するまでなくならないのかもしれません。
だから、まず何よりも、愛する家族に病気やケガをさせないよう最善を尽くす! 今回、それを心に強く誓ったのでした。