ミーアキャット飼育日誌(30)ミーアキャットの緊急警戒システム(み~たん)

2019.12.26

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ミーアキャットの群れが採食行動をしているとき、その傍らには捕食者の襲来に備え、目を皿のようにしている1頭の見張り役がいます。今回はミーアキャットの大事なお仕事である「見張り」についてのお話しです。

見張り役の重要性

ミーアキャットは社会性があり、群れで役割分担をしながら生活しています。その中の重要な役割の一つが「見張り」です。


ミーアキャットは、砂を掘ってエサとなる昆虫を探しますが、このとき、とても無防備な状態になってしまいます。


そこで、群れがエサを探しているときには、見張り役を1頭(時に2頭)立てます。見張り役は、捕食者を発見すると、鳴き声で危険を知らせ、群れの安全を守ります。

み~たんも神経ピリリッ

み~たんも、家族のうち最低1名が見張り役(といっても、み~たんと同じ部屋にいるだけなのですが)をしていてくれないと、全く落ち着かず食事がとれません。安全な屋内にいても、食事タイムに見張りは必要不可欠なんですね。


また、み~たんは自分が食事を終えたら速やかに窓辺に陣取り、家族のためにしっかり見張り役を務めてくれます。見張り役を交代することで、群れのみんなが安全に食事をとれるように考えてくれているのです。

ミーアキャットの優れた緊急警戒システム

このように、ミーアキャットにとって見張り役というのは、群れの仲間が捕食されるリスクを最小限に抑えるための重要任務です。


警戒鳴きにもいくつか種類があり、ジャッカルのような地上にいる捕食者を発見したときの警戒鳴きと、猛禽類のように上空にいる捕食者を発見したときの警戒鳴きは異なりますし、捕食者との距離など警戒レベルでも鳴き声を変えます。こうして捕食者の場所や警戒レベルを伝えることで、群れの仲間に対し適時適切な安全確保を呼びかけていると思われます。

み~たんも見張りは得意です

み~たんも誰が教えたわけでもないのに、玄関から見知らぬ人が入ってくると「ワンワン」、ヘリコプターがわが家の上空を飛ぶと「ギャーギャギャ」と上手に鳴き分けています。


そして、文字でうまく音を表現できませんが、穏やかで平和な時間には、何とも言えない穏やかな優しい響きで「ヘフ、ヘフ」と鳴くことがあります。それを聞くと、不思議に私も穏やかな気持ちになるのです。

信頼できる見張り役とは

採餌行動中の野生のミーアキャットは、経験豊かな見張り役の穏やかな鳴き声を聞くと、警戒行動を減らす傾向があるという論文があります。「あのベテランが穏やかに鳴いてるってことは、今は至極平和なんだな。よし、採餌に励もう!」と思っているのかもしれません。


また、経験レベルが同じ見張り役であっても、血の繋がった兄弟姉妹の穏やかな鳴き声のほうが、異母の兄弟姉妹のものよりも、警戒行動をより減らす、という結果もでていました。異母兄弟はイマイチ信用できないと思っているのでしょうか。なかなかシビアな結果ですね。


【参照リンク】

Experience of the signaller explains the use of social versus personal information in the context of sentinel behaviour in meerkats

騙すか騙されるか

カラハリ砂漠に生息するクロオウチュウという鳥も、捕食者を見つけると警戒鳴きをするため、ミーアキャットはその鳴き声にも敏感に反応します。ここで問題になるのは、クロオウチュウが時に「オオカミ少年」であることです。


この鳥は獲物を持ったミーアキャットを見つけると、嘘の警戒鳴きをしてミーアキャットを大慌てで逃げ出させ、その場に置き去りとなった獲物を横取りするのです。


同じ相手に毎度嘘鳴きをすれば信用されなくなってしまいますが、クロオウチュウには奥の手があります。


この鳥は、鳥類、哺乳類を含めた多く種の警戒鳴きを身につけていて、「この警戒鳴きが通じないなら、こちらの警戒鳴きでどうだ。」という具合に複数の警戒鳴きを繰り出してくるため、ミーアキャットは騙されてしまうのです。


なんてやり手なクロオウチュウ!でも、私は「騙すより、騙される方がいいよ」とついミーアキャットに判官贔屓。さて、皆さんはいかがでしょうか?

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