ミーアキャット飼育日誌(22)ミーアキャットの不都合な真実(み~たん)

2019.04.26

ミーアキャットは可愛らしい見た目とは違い、「気性が荒い」「野性味がある」といわれていますが、実際どうなのでしょう? ミーアキャットを飼いたいと思っている方、是非ご一読ください。


飼育放棄の筆頭に挙がったのは

一年程前、エキゾチックアニマル(犬猫以外の小動物)を専門に治療する動物病院の院長先生が、ペットの飼育放棄についてコメントされている記事を見つけ、視線が釘付けになりました。


そこには、飼い主から「飼えなくなったので引き取ってほしい」という相談が最近多く寄せられる動物として、「ミーアキャット」の名前が挙がっていたのです。飼育放棄の理由は、可愛い見た目とは裏腹に、凶暴な一面もあるから、とのこと。


私が密かに恐れていたことが、すでに現実化していました。


まるで“ゴッドファーザー”の世界?

皆さんは、『ゴッドファーザー』という映画をご存じでしょうか。


いつも私は、家族への愛憎と組織(ファミリー)を守るマフィアの世界を描いた映画『ゴッドファーザー』と、ミーアキャットの群れの姿がオーバーラップします。ミーアキャットが「砂漠のギャング」の異名を持つのは、一般的には有毒なサソリを食べるという獰猛な一面を持つからと言われているようですが、私には厳しい掟に従い、命がけで群れ(ファミリー)を守り抜くマフィアのような生き様だから、という理由の方がしっくりくるのです。


ミーアキャットは可愛い見かけによらず、本来それくらい激しく厳しい生き物です。


同種間で殺し合い!?

どれくらい激しく厳しいかというと、2016年にスペインの研究者が分析したところ、哺乳類の中で同種間での殺し合いがもっとも盛んなのはミーアキャットだったそうです。なんと約20%が他のミーアキャットに殺されるという凄まじさ!


ミーアキャットは、野生下では3~40頭ほどの群れを形成して暮らしていて、群れ同士の縄張り争いで命を落とすことも当然ありますが、同種間の殺し合いの最大要因はなんと“身内”なのです。


【参照リンク】
Do Animals Murder Each Other?


ファミリーの厳しい掟

ミーアキャットは社会性の高い群れを構成しています。群れのメンバーは繁殖の権利を得るために絶えず互いの品定めをし、自身の社会的地位の維持・向上に努める必要があります。


何しろ群れの中で繁殖活動が許されるのは、群れの一組の優位オスと優位メスのみなのです。さらに、そのときどきの状況などから、優位メスはその他のメスを攻撃して群れから追放する、また、掟を破って子どもを生んでしまった劣位メスがいれば、その子を殺すといった行動をとります。


一見血も涙もない行為のように思えますが、食べ物が限られる砂漠地帯のような厳しい環境だからこそ、群れが生き延びていくためにはやむを得ないことなのです。


雌雄で性格も違う?

性格を雌雄で比較した場合、私はメスの方がやや気が強いように感じますが、オスなら絶対温厚ということもなさそうです。


わが家のみ~たんも、発情期や優位オスとしてのポジションを廻る家庭内抗争のときは、唸り声をあげて荒ぶり、家族に咬みついて流血させることがありました。個体差もあるため、もっと大変な状況におかれた飼い主さんも少なくないと思います。


大人になった今では甘えん坊で優しいみ~たんですが、この先もそれが続く確証はありません。発情期や環境変化などで突如気性が荒くなるのは、ミーアキャットによくある話なのです。


“不都合な真実”にこそ目を向けて

近年の研究では、人が野生動物を飼い馴らしてペットや家畜にできるかどうかは、そのどうぶつが持つ遺伝子レベルで決まることが明らかになりつつあります。人類の長い歴史の中でペットや家畜化できた動物は、イヌ、ブタ、ウシなどほんのひと握り。もちろん、その中にミーアキャットは入っていません。


今この瞬間にも、ミーアキャットは人に買われ、飼われていきます。しかし、買う・飼う前に、どうか飼育するうえでの“不都合な真実”にこそ、目を向けていただきたいと切に願ってやみません。


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