2020.04.27
アリスの腰に腫瘤ができて、摘出手術をすることになりました。ミーアキャットの手術とはどのように行うのでしょうか?また、犬や猫などとやり方が違うのでしょうか?今回は、アリスの手術の様子についてご紹介します。
腰におかしな塊がある!
アリスママはアリスを抱っこした時、腰の部分におかしな感触があるのを1ヶ月ぐらい前から感じていました。
皮膚の下の腰の筋肉の一部に固いできものが触れるのです。
最初は腫瘤かもわからないぐらいにとても小さかったので様子をみていましたが、数日で急に大きくなり、1センチぐらいの塊になってきました。「なんだろう??悪いものだったら嫌だな。。」早く診てもらったほうがいいと思い、かかりつけのエキゾチックアニマル専門病院に診察の予約をしました。
エキゾチックアニマル専門病院へ
健康診断以外で初めて動物病院に行くアリス。久しぶりの遠出でカバンの中でも少し不安そうです。寒い時期だったので、体に負担が掛からないように、毛布をいれたりカイロをカバンにつけたりしてあたたかくして行きました。
動物病院に到着して問診票を書いた後、少ししてから診察室に呼ばれました。食欲や元気、いつからできものができているか、またその変化や既往歴などの質問の後、アリスの体重測定と、腰のできものに対する触診が続きます。
それらの後、先生と治療の方針を相談しました。できものについては、注射針を刺して細胞を採取し、組織の検査をしてみなければ、腫瘍(何らかの原因で異常な細胞が増殖をし続ける病気。良性腫瘍と悪性腫瘍に大別される。)か膿なのかは判らないし、悪いものであれば早く取ったほうがいいということで、手術で摘出することになりました。手術は絶食の状態でないといけないことから、予約をし、5日後に受けることになりました。
術前検査は重要
手術日、朝からアリスは絶食です。絶食するのは、麻酔がかかっている時に胃に内容物があると、それを嘔吐して誤飲してしまう可能性があるらしいのです。
動物病院では、まず手術のリスクや術後の合併症の可能性などの説明を受け、手術の同意書にサインをしました。手術は午前と午後の診察時間の合間に行われるので、病院にアリスを預け。
いよいよ手術です。その手順などについて担当の先生に教えていただきました。
まずは術前検査なのですが、術前検査を受けるためにはアリスをプラスチックケースに入れて、そこでガス麻酔を吸入させて眠らせるとのこと。麻酔にはリスクがあるため、麻酔なしで術前検査を行うことができれば一番いいのですが、ミーアキャットは暴れる可能性があるので、麻酔なしで検査を行うことが難しく、麻酔をかけてから術前検査を行わなければならないとのことです。
また、犬・猫や大人しい動物であれば最初に眠らせるために注射麻酔が使えるけれども、ミーアキャットのように野性味が強い動物は注射時にも暴れる可能性が高いため、吸入麻酔での眠らせ方をとることが多いらしいのです。
術前検査は麻酔に耐えられるか、また、どのぐらい手術のリスクがあるのかを評価するのに重要とのことで、アリスは術前検査として血液検査とレントゲン検査を受け、問題がないことを確認してから手術がはじまったということです。
いよいよ手術開始!
手術中はガス麻酔をマスクでかがせて眠っているうちに処置をするとのこと。
体重1.4キログラムのアリス。ミーアキャットにしては体つきは大きい方ですが、人にくらべたらとても小さい動物です。
先生がおっしゃるには、このような小さい動物には、ちょっとした出血でもかなり負担になることから、手術中は犬や猫と同様に腕から静脈を確保し、出血など体液の喪失に備えて点滴をしながら行うとのこと。人や犬猫の手術と同じように、心電図や血液中の酸素濃度がわかるモニターを体にセットし、術中の体の状態がよくわかるようにして手術を行うそうです。
小さい動物だからこそ、少しの見落としが命を落とすようなリスクにつながりやすいので、このような万全の処置が必要なのですね。
腫瘤摘出!
モニターや呼吸の状態を確認しながら、無事、腫瘤が摘出され、手術は約20分ほどで終了。
摘出した腫瘤は、外部の検査機関で病理検査に出していただきました。検査結果が出るまでに1~2週間かかるようです。その結果によって今後の治療方針や定期健診の予定も変わってくるので、重要な検査と先生はおっしゃっていました。
無事、終わってよかったね
手術が終わったアリスは手術の創に絆創膏やテープを巻いてもらい、術後服を作ってもらっていました。
どうぶつは術後に術創を舐めて創(手術による縫合箇所)が開いてしまったり、開かないまでも創の治りが悪くなってしまうことがあるとのことで、このような処置をしっかりほどこさないといけないようです。
ほとんどのどうぶつはエリザベスカーラーを着用するようですが、犬や猫と違ってミーアキャットのような野性味が強い動物の場合は、創をあまり気にしないことも多いということで、エリザベスカーラーを持ちかえり、自宅で様子を見ながら必要に応じて付けることになりました。手術が無事に終わって、ほんとうにホッとしました。術後の様子はまた来月にご紹介します。