2018.04.26
ミーアキャットに限らず、どうぶつさんと暮らすと気になることとのひとつが、匂いの問題。でも人にとっては厄介でも、匂いが非常に重要な役割を持っている場合が多いのです。今回はミーアキャットの匂いの元である「肛門腺」について、考えてみましょう。
ミーアキャットの嗅覚
ミーアキャットの嗅覚は鋭く、地下にいる昆虫の幼虫なども嗅ぎ出すことができるほどだと言われています。み~たんも匂いには敏感。自分が気になったものは、すぐ匂いを嗅いで確認します。
たとえば、自宅・会社以外の場所に座った後の私の洋服、新しいスリッパで歩いた跡、室外から取り込んだ新聞等々。自分にとって未知なる匂いは、納得できるまでクンクンです。
肛門腺をフル活用
ワンちゃん、ネコちゃんが持つ肛門腺は、人間の指紋のように1頭1頭匂いが異なるので、彼らは互いの肛門腺を嗅ぎ合うことで挨拶や情報交換を行っています。ミーアキャットの肛門腺も同様の役目を果たしています。
それ以外にも、縄張りのマーキングに使ったり、お互いの体に肛門腺をすりつけたりして、仲間同士の絆を深めています。
飼い主からは臭くて嫌われがちな肛門腺ですが、どうぶつにとっては大切なコミュニケーションツールなんですね。
匂いで深まる絆
先日、お初の美容院から私が帰ってきたところ、「うわ。どうしちゃったの?! 髪の毛の匂いがいつもと全然違うよ!」とみ~たんが大慌て。
不安に駆られて、私の髪の毛だけでなく全身の匂いをチェックした挙句、縄張りを主張するために室内のあちらこちらに肛門腺でマーキングをする始末。おまけに私の脛に肛門腺をこすりつけるので、洋服が分泌液でベットリ。
うぅ、やられた…。
肛門腺はかく語りき
ミーアキャットは女の子よりも男の子のほうが、肛門腺が発達しています。
み~たんは男の子なので、普段から家の扉、床などに肛門腺をスリスリ。そこからは、奈良漬を刺激的にしたような、濃くて刺激的な匂いがモワ~っと立ち昇ってきます。
臭い。肛門腺から放たれる分泌液は、確かに臭い。
しかし、私にはそれが「ここは僕の大事なおうちだよ」「僕がよそ者から守るんだ」というみ~たんの「声なき声」に聞こえるのです。
肛門腺を聞いてみよう
地球上のさまざまな生物により、古くから使われているコミュニケーションツールである「匂い」。日本の古典芸能の一つである香道では、香を「嗅ぐ」ではなく「聞く」と表現します。
肛門腺の匂いも、ただ「臭い」と避けるのではなく、時には「聞いて」みてください。きっと、どうぶつの個性や深い愛情が聞こえてくるはずですよ。