2017.09.21
「動物の愛護及び管理に関する法律」、略して「動物愛護法」。この名前を一度は耳にしたことがあると思いますが、ではその内容は?と言われると、よく知らない…そんな方、多いのでは?
今回は「動物愛護週間企画」第2弾として、“動物愛護法 虎の巻”をお届けします!
30秒で読める、動物愛護法の歴史
動物愛護法は、1973年9月に成立した「動物の保護及び管理に関する法律」を原型としています。行政、そしておそらくは国民全体にも、動物愛護の考えがまだまだ浸透していなかったであろう施行当初は、犬や猫、負傷動物の引き取り・収容が主な目的だったとか。
その後ペットと暮らす人が増えるとともに、次第に飼育目的や飼育方法が変化してきた状況を受け、1999年に改正法が成立。「動物の愛護及び管理に関する法律」と名称を改め翌年に施行されてからは、時代のニーズに合わせ改正を繰り返しながら、現在に至っています。
動物愛護法に託された「動物と人の共生」のカタチ
第1条に明記されたこの法律の目的は、大きくふたつ。ひとつは、動物の愛護に関する事項を定めることで命をいつくしむ心を育み、豊かな人間社会を築きあげること。そしてもうひとつは、適正飼育をすることで、動物が原因のトラブルから人の生命身体や財産を守ること、です。
さらに、第2条の基本原則では、第1項にこの法律の“肝”ともいえる次のような一文があります。
動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない
動物の命を大切にすることは、ひいては私たちの命を守り、人生を豊かにすることにつながる――動物と人の理想的な共生を実現するためにルールを示すこと、これがこの法律の大きな役割なのです。
動物愛護法の内容とは ~超駆け足編~
この法律では人の飼育環境下にある動物(家庭動物、産業動物など)と、その責任者(一般飼育者、動物取扱業者など)に係る規制やルール、都道府県等の動物行政の在り方など、さまざまな内容が盛り込まれています。
ペットの飼い主さんに関係するところでは、「動物の所有者」は適正飼育、終生飼養、みだりな繁殖の防止、迷子・逸走防止、所有者の明示など、動物の適正な取り扱いに努めなければならない、と規定されています。また、この法律で定められたルールを破った場合、最高で2年以下の懲役、または200万円以下の罰金が科せられる罰則なども盛り込まれています。
環境省のホームページでは、一般の飼い主さん向けのとってもわかりやすい解説パンフレットが読めますので、ぜひそちらをご参照ください。
環境省パンフレット
「動物の愛護及び管理に関する法律のあらまし 平成24年改正版」
「動物愛護管理法が改正されました<一般飼い主編>」
来年の改正に向けて
動物愛護法は5年を目途に施行状況の確認を行い、必要に応じて改正をするよう定められていて、今まさに2019年に予定されている法改正に向け、環境省と有識者による検討作業が始まっています。
今回は、販売される子犬・子猫の幼齢規制の科学的評価や、制度導入に向けて検討されてきたマイクロチップの義務化、災害時ガイドラインの見直しなどが議題にあがっているようです。
動物と人の関係に寄り添うように、時代とともに変化してきた動物愛護法。今回の改正や今後も、動物と人がより幸せに安全に暮らせるためのものであってほしいと、心から願っています。
関連リンク
環境省「動物の愛護と適正な管理」
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