by 編集部 2024.06.12
各都道府県には、地域の動物のためにさまざまな活動をしている「動物愛護推進員」というボランティアの方々がいます。動物愛護推進員は、それぞれが動物愛護において関心が高い分野で活動をしています。アニコムでも以前、埼玉県動物愛護推進員の岡井さん、清水さん、望月さんの活動をご紹介しました。
今回はその続編として、主に地域の“多頭飼育崩壊”に関する活動をされている埼玉県動物愛護推進員の直原さんに、その活動や想いについてお話を伺いました!
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動物愛護推進員さんの活動を知ろう!~埼玉県の場合~
ひとつでも多くの命の幸せを願って
直原 幸緒(じきはら さちお)さん (推進員歴6年)
推進員として、どのような活動をされているのでしょうか?
「多頭飼育崩壊」に関する活動をはじめたきっかけは何ですか?
当初は、仕事をしながらボランティアとしてネコちゃんの去勢・避妊の活動に携わっていました。その活動の中で、SNSで「保護猫活動」を知り、「多頭飼育崩壊」に関心を持つようになりました。
また、自分が保護した子猫の「なご」との出会いも大きなきっかけになっています。私はもともと、ネコちゃんの飼育経験はありませんでした。そんなある日、子猫のなごを保護したのですが、なごは猫白血病Felvという病気を患っており、獣医師の先生からは「余命1年」と告げられていました。それでもなごは、2歳2ヶ月まで懸命に生きてくれました。
小さな命の声を聴いて、ひとつでも多くの命が幸せになるためのお手伝いがしたい。なごが教えてくれたこの気持ちを胸に、1歩ずつ前に進んでいくべく、活動を続けています。
多頭飼育崩壊の活動で印象的だったことや、やりがいを教えてください。
これまでの活動の中で、一番記憶に残っているのは2019年に対応した多頭飼育崩壊の現場です。ネコちゃんの所有権の問題は非常に難しく、飼い主様とネコちゃんたちをなかなか引き離すことができない状況でした。そのため、何度も飼い主様の元に足を運びお話をするも、改善に至らない日々でしたが、SNSでの反響や警察など多くの皆様の協力があり無事にネコちゃんたちを保護することができました。なごが教えてくれた「小さな命の声を聴くこと」が原動力であり、やりがいになっています。
また、人馴れをしていないネコちゃんでも、人に馴れてもらえるようにわが子のように接しています。里親さんを見つけること、里親さんにお迎えしていただいた後も、卒業したネコちゃんの様子を日々SNS(#なごの家卒業生)で確認できることも大きな喜びです。
多頭飼育崩壊の現場の様子
上尾市猫多頭飼育崩壊レポート
インタビューを終えて
今回、埼玉県動物愛護推進員の直原さんにお話を伺いました。なごちゃんが教えてくれた想いから活動されていることを知り、改めて命の大切さや重みを考えることができました。今回初めて多頭飼育崩壊について知った方も、興味を持っていただけたらとても嬉しいです。
多頭飼育崩 壊参考記事
環境省 報告書等「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン~社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けて~」