by PAWチーム 2022.05.19
どうぶつたちの意外な素顔!
前回は、南アフリカのサバンナでサファリガイドを務める太田ゆかさんに、大自然の中で生きる上での、愛犬「ジュノ」への想いについて伺いました。今回は、太田ゆかさんが実際に体験されたサファリでのお話をもとに、どうぶつたちの意外なお話について、クイズ形式で出題します!
(1)ヒョウが威嚇のときに出す鳴き声は、次のうちどれでしょう?
①「わおーん」のような、オオカミの遠吠えを連想させる鳴き声
②「ギコギコ」のような、のこぎりの音を連想させる鳴き声
③「わん」のような、犬を連想させる鳴き声
正解は・・・②です!
1~2mくらいの距離に近づかれ、なわばりを主張するときは、「ギコギコ」というのこぎりで木を切るときのような声で鳴きます。こんな声は、動物園でも耳にする機会はなかなかありませんよね。
(2)インパラが警戒しているときの鳴き声は、次のうちどれでしょう?
①「ウーッ」というような犬の警戒を連想させる声
②「シャーッ」というような猫の警戒を連想させる声
③「ギャーッ」というような人の悲鳴を連想させる声
正解は・・・③です!
アンテロープ(ウシ科)の仲間では犬のように鳴く動物が多いようですが、そんな中でインパラの警戒している鳴き声は特徴的ですね。いつか聞いてみたいものです。
さて、皆さんの答えは、当たっていましたか?
こういった野生動物の鳴き声を耳にする機会はなかなかありませんが、耳にすることができたときには、きっと忘れられない思い出になることでしょう。
ネコ科とイヌ科の運動能力
3問目は少し毛色が変わりますが、日本のペットについての問題です。
(3)アニコム損保のペット保険では、契約者様向けに「迷子捜索サービス」を提供しています。委託先のペット探偵社ジャパンロストペットレスキューが、捜索開始から3日間で発見する犬猫の割合は、次のうちどれでしょう?
①犬20%、猫10%
②犬50%、猫60%
③犬80%、猫85%
正解は・・・③です!
犬よりも猫の方が見つかりやすい理由について太田さんに伺うと、「ネコ科のどうぶつは移動距離が少ないからではないか」と答えが返ってきました。(犬よりも猫の方が見つかりやすいのは、あくまでも当社のデータで、海外の統計では逆の結果が出ていることもあるようです。)
迷子猫はなぜ見つかりやすい?
南アフリカのイヌ科のどうぶつの一つに「リカオン」がいます。リカオンは広大なエリアを移動しながら生息しています。ライオンなど他の肉食獣との競争をさけつつ、獲物を求めて長距離移動するので、ときにその行動範囲は250㎢もの広さになることも。たった1日で50km近く移動することもあります。
一方、ネコ科のライオンやヒョウは、なわばりが決まっていて、その中をパトロールしながら生活します。なわばりを変えるきっかけは他の肉食獣(同じ種、ハイエナなどの別の種含め)との競争によって追い詰められたときなどです。(同じ種の間でのなわばり争いが特にシビアだったりします。)
このことから、ネコ科のどうぶつは移動が少なく、迷子になっても近場で見つけられるのではないかという太田さんのお話に、大きくうなずいた取材スタッフでした。
ペットと野生どうぶつの線引きについて考える
最後に、太田さんから教えていただいた「野生動物とのちょうど良い距離感」について考えてみます。
野生動物は、自然の中に生体群があり生活しているので、人間があまり近づきすぎるのは良くありません。例えば、日本でも野生のサルなどは、人に移る感染症を持っているものもいます。
『「ペットを飼っている人」、「サバンナで働く人」、「動物園に通う人」など、どうぶつ好きな方も様々ですが、“どうぶつにとっても、人にとっても良い社会“とはどのようなものか、みんなで協力しながら考え続けることが大切です』と太田さん。
とりわけ、ペット(特に海外のどうぶつ)を飼うときに「この子はどこから来たんだろう?」「どういう親から生まれてきたのだろう?」「違法なルートで連れてこられていないか?」など、どうぶつたちの“背景”についてまで、考えてみてほしいと話します。
実際に南アフリカのサファリで仕事をしていると、密猟者の罠にかかったどうぶつのレスキューに行く機会は非常に多いようです。
私たちも“家族”であるペットの起源や正しい距離感について、考えてみることが大切ですね。
今は新型コロナウイルスによりサファリガイドは中止されていますが、今年の夏には再開できるだろう、と太田さんはいいます。
皆さんも南アフリカを訪問し、太田さんにサファリやどうぶつについて、お話を聞けば、きっと忘れられない経験になるのではないでしょうか。
Yuka on Safari
Yuka on Safari – 南アフリカ政府公認日本人女性サファリガイド