【保護犬】健やかに、そして出会いを繋ぐ「ボランティアトリミング」について学ぼう!~前編~

by PAWチーム 2021.12.28

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動物の保護活動の中には、トリマーさんが無償で保護犬をキレイにする「ボランティアトリミング」があります。テレビで見たことがあるという方も多いかもしれません。 このボランティアトリミングという活動は、保護犬が譲渡されるまでの間、犬たちの体を綺麗にしつつ、人とのふれあいを体験してもらうことで、次の家族と出会うための準備をするステップとして大切な役割を果たしてくれます。 この度、埼玉県動物指導センター様にご協力いただき、ボランティアトリミングのお仕事に密着させていただきました。 ボランティアトリミングによって生まれ変わった犬たちの様子は、前編・後編と分けてお届けしますのでぜひそちらもご覧ください!

ボランティアトリミングとは?

埼玉県動物指導センター

トリマーさんがボランティアとして保護動物を無償でトリミングする活動です。埼玉県動物指導センターでは、保護犬がセンターに収容されると健康チェックを行い、さらに月に1回、ボランティアトリミングを実施しています。現在、センターの事業協力ボランティアに登録している100名ほどのうち、ボランティアトリミングの活動を含む「動物飼育部門」に所属するトリマーさんは14名です。そのうち数名のトリマーさんが月に1回センターを訪問し、ボランティアトリミングに参加しています。中には、ペットサロンを経営しながらお休みの日を使ってボランティアに参加される方もいるようです。 収容されている保護犬たちは、今後譲渡団体さんへ引き渡され、新しい家族を探すことになります。その前にトリマーさんのプロの技術で体をきれいにし、清潔な状態で引き渡してあげたいという想いが、このボランティアトリミングに込められています。

現場で活躍するトリマーさん!

トリマーの鴻江華果(こうのえ はなか)さん

今回、埼玉県動物指導センターでのボランティアトリミングを初めて実現した、トリマーの鴻江華果(こうのえ はなか)さんにお話をお伺いしました。鴻江さんは、現役トリマーさんでもありながら、動物病院で動物看護師としても働いています。

鴻江さんに、ボランティアトリミングとサロンでのトリミングの違いをお伺いしました。

保護犬に「噛ませない」

-通常のペットサロンでのトリミングとの違いはありますか?
はい、保護犬に「噛ませないこと」を徹底しています。

-「噛ませないこと」とはどういうことでしょうか?
私たちが噛まれてしまったら、譲渡不適切と判断されてしまうからです。ただ、トリミング行為は、実際、犬に嫌な気持ちをさせているので、彼らが抵抗してあたりまえなんです。ペットサロンに来店するワンちゃんは、飼い主さんがいて性格や生活環境をヒアリングすることができますが、身元の分からない多くの保護犬の場合そうもいきません。なので、保護犬が出す「シグナル(例えばヒゲの立ち方等)」の小さな変化も見落とさないよう気をつけています。

その他にも、その子の状態や性格に応じて、トリマーの人数を変えて安全な状態で行うように工夫すると話してくれた鴻江さん。
自分たちのためではなく、保護犬の将来のために「噛ませない」と話してくれたことが印象的でした。


トリミングの様子に密着!

シャンプー中のモロちゃん

今回は2時間で、モロちゃん、ムックちゃん、チビちゃんの3頭の保護犬をトリミングします。3頭とも譲渡団体さんへお引渡しの予定が決まっているため、その前の大切なトリミングです。


①汚れをスッキリ!笑顔がかわいいモロちゃん編

モロちゃんがトップバッターでやってきました。

不安げなモロちゃん

▲何されているんだろう~と不安げなモロちゃん。


まず初めにブラシで余分な毛をすいていきます。

ブラッシング中のモロちゃん

ビックリさせないように、お尻からゆっくりとシャワーを全身にかけていきます。

シャンプー中のモロちゃん

▲モロちゃん頑張れ~!


もこもこに泡立てたシャンプーの泡で、しっかりと汚れを取っていきます。

シャンプー中のモロちゃん

▲モロちゃんにようやく笑顔が出てきました!


汚れの残りがないように、しっかりとシャワーで泡を流していきます。

シャンプーで汚れをスッキリさせる様子

こんなに汚れがたくさんでました。


タオルドライ中のモロちゃん

最後に、タオルとドライヤーで、風邪をひかないようにしっかりと毛を乾かしてあげます。
モロちゃんも終わってすっきりしたのか、いい表情をしてくれました!

②カットでまるで別人に!お目目と長いまつげがかわいいムックちゃん編

トリミング前のムックちゃん

続いて、ムックちゃん。 もじゃもじゃの毛のムックちゃんは、毛が絡まって、目にも毛がかかって視界が悪そうです。
トリミングでどのように変わるでしょうか?

バリカン中のムックちゃん

絡まっている毛をすっきりさせるため、バリカンで毛を刈っていきます。本来であれば、なるべく毛を残すのですが、ムックちゃんの場合は毛玉が絡まって痛みを伴う可能性があるため、嫌な思いをさせないようにバリカンをすることになりました。

バリカンでスッキリ

もう一人のムックちゃんができるくらい、たくさんの毛が取れました。


お顔のバリカン中のムックちゃん

お顔も丁寧にカットしていきます。プロの技術が入ると・・・

▲チャームポイントは長いまつげです!

こんなにもかわいくなりました!


3頭目のチビちゃんのトリミングの様子は、後編につづきます!

▶後編はこちら
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