by アニコム ハリネズミチーム 2019.02.01
突然ですが、皆さんは『ハリネズミの日』をご存じでしょうか。
2月2日は『ハリネズミの日』で、アメリカやカナダではなんと国民的な行事なんだそうです。日本では聞いたことのない方が多いと思います(筆者も知りませんでした…)。
そこで今回は、この『ハリネズミの日』にちなんで、ハリネズミさんのルーツを探ってみましょう。
2月2日はハリネズミの日~Groundhog Day~
©fdastudillo/iStock Unreleased/Getty Images
冒頭で『ハリネズミの日』とお伝えしましたが、正式には『Groundhog Day』と呼ばれ、リス科の一種「グラウンドホッグ」(別名ウッドチャック)というどうぶつが春の到来予想をする占い行事のことです。
アメリカのペンシルベニア州中部にあるパンクサトーニーでは、毎年2月2日の日の出の時間に合わせて、この式典が行われています。1886年に公式行事としてスタートした『Groundhog Day』は、今や世界各地から観光客が訪れるイベントになっています。
■春の到来予測はどのようにして行われるのか
グラウンドホッグは冬眠から目覚め巣穴から出たとき、自分の影が見えれば(要は晴天なら)、その先6週間は冬が続くと判断してすぐに巣穴に戻り、逆に影が見えなければ、間もなく春が訪れると考えて地上にとどまると言い伝えられているとか。
そのため、この式典では「フィル」と名前が付けられたグラウンドホッグが巣穴から出て、また巣穴に戻るかどうかを見て春の訪れる時期を予想します。
この『Groundhog Day』には諸説あり、アメリカだけではなく、カナダやアイルランドの伝承にも記録があるそうです。そして、グラウンドホッグではなく、ハリネズミでも同様の占いを行っている地域もあるとされ、そこから『ハリネズミの日』と呼ばれるようになりました。
【参考リンク】
The Punxsutawney Groundhog Club
ハリネズミのルーツを探る!
©Andrew Parkinson/Photodisc/Getty Images
実は、日本のペットショップでよく見かけるハリネズミさんは「ヨツユビハリネズミ」と呼ばれる種類です。他にもヨーロッパには「ナミハリネズミ」や、大きな耳を持つ「オオミミハリネズミ」などが生息しています。
では、そもそもハリネズミとはどのように進化を遂げたのでしょうか。
■原点に迫る
ハリネズミの祖先は、今から約5200万年前、現在のカナダ、ブリティッシュコロンビア州のドリフトウッドキャニオン州立公園にあたる地域に生息していたSilvacola acares(シルヴァコラ・アカレス)であると言われています。
Silvacola acaresは、「小さな森の住人」という意味で、その名の通り、体長は5cmから6.5cmととても小さかったのです。
そして食事は今のハリネズミさんと変わらず、昆虫を主食として生活をしていたと考えられています。
【参考リンク】
EurekAlert!「Ancient hedgehog and tapir once inhabited British Columbia」
ハリネズミさんのカラーはなんと90種類以上!
ハリネズミさんには個性豊かなカラーがあり、主に次の4つの部位の色によってカラーの呼び方が決まります。
マスク(鼻から目の下までの被毛の濃い部位)
皮膚(背中の針の下にある皮膚)の色
被毛(お腹や顔を覆っている毛)の色
針の色(バンド)
※「バンド」とは、1本の針に帯を巻いたように色がついている部分のこと
以下に代表的なカラーを紹介します。
<ソルト&ペッパー>
マスク:黒
皮膚:黒
被毛:白
針:白い針に黒いバンドが入っている
<シナモン>
マスク:なし(色の濃い部分はなく、白かピンク)
皮膚:ピンク
被毛:白
針:白く、明るいシナモンブラウンのバンドが入っている
<アルビノ>
マスク:なし(色の濃い部分はなく、白かピンク)
皮膚:ピンク
被毛:白
針:すべて白く、バンドはない
また、「パターン」といって柄にも種類があります。白い針の生え具合でぶち模様になる「パイド」や、顔のカラーや鼻の色が左右で異なる「スプリット」などです。
ペットショップへ行った際には、個性溢れるカラーバリエーションに注目してみると、ハリネズミさんの新たな一面が見えることでしょう。
2月2日は『ハリネズミの日』です。愛らしいハリネズミさんの姿に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
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【参考文献】
・The International Hedgehog Association「Color Guide」
・大野瑞絵『ハリネズミ完全飼育』株式会社誠文堂新光社,2016年