2018.08.08
8月8日は「爬虫類の日」。皆さんはご存じでしたか?
2016年に沖縄市で爬虫類専門店「THE爬虫類」を経営する稲福昇さんが、爬虫類の魅力を広く知ってもらいたいという思いから申請し、制定されたそうです。
一見ちょっと怖そうに見えるけれど、実はかわいくて、都会暮らしに適している爬虫類たち。年に一度の記念日に、あまり知らなかった彼らの魅力をのぞいてみませんか?
爬虫類って何だろう? 何種類いるんだろう?
爬虫類とは、脊椎動物のひとつに分類される変温動物です。体表は鱗で覆われていて、肺で呼吸し卵を産みます。一般的には恐竜も爬虫類に分類され、現在はカメやトカゲ、ヘビ、ワニなど約6千種の爬虫類が地球上に暮らしています。
「亀は万年、鶴は千年」とことわざに登場したり、白蛇が縁起の良い生き物として人々にありがたがられるなど、古くから人間文化と深いつながりを持つ爬虫類ですが、ペットとしての歴史は浅く、国内で本格的にペットとして迎えられ始めたのは1980年代頃から。
爬虫類は鳴かない、臭くない、狭いスペースで飼えるといった点と、美しくカラフルな形態から、現代的なペットとして注目され近年では飼育される種類、頭数ともに増加傾向にあります。
今回はペットとしての人気が高い、カメとトカゲをご紹介しましょう。
最古の爬虫類! カメの魅力とは?
カメは約300種類いるといわれています。最小種で約10センチ、最大種で約2メートルになる種までいて、淡水や海水、砂漠や森林など、生息環境もさまざまです。
カメの魅力として初めにあげられるのは、なんと言ってもその容姿でしょう。現存する最古の爬虫類といわれ、恐竜が生きていた時代からほとんど変わりません。
また、陸地、淡水、海水と、種としてこれだけさまざまな場所に生息するのも、生き物としては珍しいのではないでしょうか。
ご存じのとおり非常に長寿な生き物で、現在世界最高齢のカメとして知られているのは、アルダブラゾウガメの「ジョナサン」で、御年なんと184歳だとか。
家族として迎えられることが多い水カメの寿命は約20年、小型の陸ガメは約30年と長生きなので、良きパートナーとなってくれることでしょう。
そんなカメの魅力にはまるのは世界共通のようで、「世界カメの日」が存在します。
アメリカの非営利団体が2000年に「5月23日」を「世界カメの日」として制定しました。「カメに対して関心を寄せ、カメに敬意を払い、カメの生存と繁栄のための人間の行動を奨励する日」というのが由来となっています。
ギャップ萌えが、実はトカゲ最大の魅力?!
トカゲは、爬虫類の中でもっとも種類が多く、約4千種が確認されています。最小種で約3センチ、最大種では5メートル近くに成長します。
陸地に生息し、昆虫や花、果実などを主に食べ、繁殖形態は卵生ですが、一部の種は卵胎生(※)です。
トカゲと聞くと多くの方はゴツゴツした表皮や長い尻尾といった恐竜のようなイメージをもたれると思います。体が大きな種類であれば一見恐竜やワニと間違えてしまうかもしれません。その体を駆使して獲物に噛みつく様子はまさしく恐竜そのもの。
しかし、その性格は、ほとんどの種類が神経質で臆病です。強靭な体とは裏腹に、ちょっとしたことでご機嫌を損ねてしまうこともしばしば。「フトアゴヒゲトカゲ」など、種類によっては人に慣れることも多く、飼育下では飼い主さんにごはんをねだる場面も!(野生はどこへ行った…笑)
もしかしたらそんなギャップこそ、トカゲ最大の魅力かもしれませんね。
そんなトカゲの記念日、「世界トカゲの日」は8月14日です。
(※)体外受精した卵を母体の中で孵化させ、ある程度育ったあと産み出すこと
年に一度の記念日に、爬虫類の幸せについて思いをはせてみよう
先に書いたように、爬虫類は鳴かない、臭くない、狭いスペースで飼えるといった点からペットとして注目され、人気が高まっています。近年では多くの種類が海外から輸入され、販売される種類、頭数ともに増加してきました。
専用の保温器具や照明のほか、メジャーな種類では専用フードも開発され、年々その飼育方法は容易になっています。
しかし、予想以上に成長して飼いきれなくなった等の理由による無責任な飼育放棄が後を絶たず、野に放たれた爬虫類は「外来種」として駆除される運命を辿ります。
爬虫類の飼育にもっとも欠かせないのは、お迎えする爬虫類に対する飼い主さんの事前知識です。知識を持って飼育に臨めば、長寿な爬虫類たちは長きにわたり良いパートナーになってくれることでしょう。
8月8日は、爬虫類たちの生態を学んでみてはいかがでしょうか。