2月15日は世界カバの日!今、知っておきたいカバのマメ知識を紹介

by 佐藤華奈子 2023.11.07

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毎年2月15日は「世界カバの日(World Hippo Day)」。カバのことを祝い、カバについて学ぶ日とされています。世界カバの日にできることとして、SNSで#世界カバの日、#World Hippo Dayをつけて発信することや、動物園へ行ってカバに会うなどがあります。ここでは知っているようで知らないカバの生態やマメ知識を紹介します。


カバってどんなどうぶつ?

カバは偶蹄目カバ科に分類され、野生ではアフリカのサハラ砂漠以南に生息しています。漢字では「河馬」と書きます。英名の「hippopotamus」は「川の馬」という意味のギリシア語が由来です。その名の通り半水生(陸だけではなく、水の中でも生活している)のほ乳類で、河川や湖沼とその周辺で暮らしています。群れを作って生活し、その規模は5~数十頭のこともあれば、大きいものでは100頭以上にもなります。草食でおもな食事は草。皮膚が弱いカバは、夜行性で暑い日中は水の中で休んだり水辺で寝そべったりして過ごし、夜になると陸にあがって草を食べます。
カバ科の仲間は2種類。1種は動物園でもよく見られる一般的なカバで、もう1種は世界3大珍獣のひとつであるコビトカバです。コビトカバは体長150~170㎝、体重180~270㎏ほどの小さなカバです。リベリアやギニアなどアフリカ西部の国々に生息しています。

カバのマメ知識8選

知っておきたいカバのマメ知識を紹介します。

マメ知識①ほ乳類で3番目に大きい

カバの体重はおよそ1.5~3トン、体長は3~4m。ゾウ、サイに次いで世界で3番目に大きなほ乳類です。サイの種類によってはカバより小さいこともあり、2番目に大きいといわれることもあります。

マメ知識②カバは泳げない

水の中を歩くカバ

水中で暮らしているのに泳げない!?と驚かれるかもしれませんが、カバは体の密度が高くて重いので水に浮くことができません。実際は足先で水底を蹴りながら歩いて移動します。指の間には水かきがあり、水中での移動に役立っています。水に潜るのは得意で、5分ほど潜水していられます。

マメ知識③目と耳、鼻のバランスの秘密

カバは顔のバランスも印象的です。目はワニのように少し飛び出していて、顔の高い位置にあります。これは水中にいるときに目と鼻だけを水面に出すためで、周囲をよく見て警戒しつつ、呼吸ができるようになっているのです。ちなみに鼻の穴は水中では水が入らないように自由に閉じられるようになっています。

マメ知識④お口は何度開く?

カバといえば、大きくお口を開く姿が有名です。動物園でもお口を開いて歯磨きをしてもらったり、スイカを丸ごと1個食べたりする様子が見られます。このお口は何度まで開くか知っていますか? 答えは150度。威嚇するときやケンカをするときも口を大きく開きます。

マメ知識⑤血の汗をかく!?

カバは赤い汗をかくといわれています。「血の汗をかく」といわれたこともありました。体に赤い液体がついていると血のように見えますが、カバの場合は血ではなく、粘液を分泌する腺から体の表面へ排出されたものです。カバに汗腺はないので正確には汗ではありません。この赤い分泌液には、日光を浴びることによるダメージからカバの皮膚を守る働きがあります。また抗菌作用もあり、傷口からの感染を防いでいると考えられています。ちなみに赤いのは分泌された直後だけで、1時間ほどで茶色になります。

マメ知識⑥カバのプールが濁っている理由

野生のカバが暮らす川や沼が濁っているのはわかりますが、動物園のカバの池もよく汚れています。頻繁に水を換えて掃除をしているはずなのに、なぜ濁っているのでしょうか。これはカバの撒きフンという習性によるものです。カバは自分のフンや尿をしっぽを振ることで撒き散らします。こうして自分のにおいを広げることで縄張りを主張しています。撒きフンは水中でも陸でも行います。陸では5mほど飛んでくるので気をつけましょう。動物園によっては注意喚起の看板を設置してくれているので見落とさないようにしましょう。

マメ知識⑦実は世界一強くて攻撃的

迫力あるカバ

おとなしくてのんびりしているように思われがちなカバ。でも実は世界で最も強くて攻撃的などうぶつといわれています。警戒心がとても高く、野生では縄張りに近づくものを威嚇します。威嚇の方法は、口を大きく開く、鼻から水しぶきをあげる、大声で鳴くなど。それでも相手が逃げなければ、全力で走って襲いかかります。カバの走る速さは最大時速40㎞。この速さで追いかけられ、強い顎と牙で襲い掛かられてはひとたまりもありません。ワニもライオンも負けてしまうといいます。
アフリカでは人がうっかりカバの縄張りに近づいて襲われることがあり、死者も出ています。水辺に住んでいるので、人が立ち入ってしまうことも多いのでしょう。最も危険なほ乳類と恐れられています。

マメ知識⑧赤ちゃんが潜っていられるのは40秒

カバは意外にもどう猛で攻撃的などうぶつ。それでも、カバの赤ちゃんはとてもかわいい存在です。カバの妊娠期間は約8ヶ月。1回のお産で1頭の赤ちゃんを産みます。出産は水中でも陸でも行います。生まれたての赤ちゃんの体重は30~40㎏。そして一度に40秒くらいしか息を止めることができません。水中で出産した場合、お母さんが赤ちゃんを押し上げて呼吸を助けます。

カバは絶滅危惧種

親子カバ

カバはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでVU(危急種)に分類されている絶滅危惧種です。1990年代から2000年代にかけて大幅に数が減り、絶滅危惧種に指定されました。その原因は開発や気候変動による生息地の減少と密猟です。アフリカ南部の国では今でも一般的に見られますが、サハラ砂漠より北の国々では絶滅してしまいました。一方で、南米のコロンビアでは密輸入されたカバが私有地から逃げ出して野生化し、数が増えて問題になっています。

まとめ

マメ知識からもわかるように、カバはとてもユニークで強いどうぶつです。動物園でも人気のカバですが、野生のカバの数は減少傾向にあります。カバのことを知りながら、野生のカバのこと、そして野生動物と人の付き合い方を考えていきたいですね。


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