【どうぶつ記念日】6月16日は“世界ウミガメの日”!

2024.05.28

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6月16日は“世界ウミガメの日”!

6月16日は“世界ウミガメの日”。ウミガメを大切にする気持ちを育み、その保護を呼びかける日といわれています。
ウミガメは、お伽話の「浦島太郎」に登場するなど古くから身近ないきものとして知られています。スキューバダイビング中にウミガメに出会うことができたら、そこにいた全員が間違いなく大喜びする人気者でもあります。今回は、ウミガメの日にちなみ、意外と知らないウミガメの見分け方や生態をご紹介します。

ウミガメは何種類?見分け方は?

ウミガメは、世界中の熱帯から温帯の海に生息している爬虫類です。
もともとは、陸で暮らしていたカメが海へ進出し、海での暮らしに適応して前足がヒレのようになり、甲羅は薄くなりました。そのため、陸をゆっくりと歩くカメのイメージとは違い、ダイバーが追い付くことができないくらいの速さで泳ぐことができるのです。
世界中では7種類(※)が確認されていて、そのうち、日本の海で暮らしているのは「アカウミガメ」「アオウミガメ」「タイマイ」「ヒメウミガメ」「オサザメ」の5種類です。
※「クロウミガメ」を別種として8種類とする説もあります。

今回は、日本で産卵する3種類のウミガメの見分け方を紹介します。

風格ある甲羅 アカウミガメ

アカウミガメ

大きな頭が特徴で、付着物が多く見られる甲羅は風格が感じられるほどです。主に甲殻類や貝類を食べるので強いあごを持っています。成体の甲羅は70~100センチ程度。産卵は九州南部の太平洋側を中心に福島県まで、日本海側では石川県までの広い範囲で確認されています。外洋性のためダイビングなどで出会えるのは珍しいといえるでしょう。

丸い頭 アオウミガメ

アオウミガメ

丸く小さめの頭で、甲羅は滑らかです。草食性で、海藻や海草を食べるので、体内の脂肪が青く(緑色)見えることから、“アオ”ウミガメという名前がついたともいわれています。甲羅は80~110センチ程度。小笠原諸島や南西諸島で産卵します。沿岸で暮らしているので、沖縄などでダイビングをしていると、出会えることも少なくありません。

とがったくちばし タイマイ

タイマイ

鋭くとがったくちばしと、べっ甲細工に利用されてきた甲羅が特徴です。暖かいサンゴ礁の海で暮らしていて、サンゴの隙間にある海綿類を食べています。奄美諸島以南で産卵します。甲羅は60~80センチ程度です。

ウミガメの産卵にまつわる謎3選

産卵するときに涙を流す

ウミガメは産卵するときに涙を流すというのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。感動的、神秘的な話と思いがちですが、実はウミガメは産卵の時に限らず涙を流します。人間のように悲しいことや嬉しいことがあって泣いているわけではないのです。ウミガメが食べている海藻や甲殻類、飲み込む海水など、口にするものの塩分濃度がウミガメの体液よりも高いので、過剰に摂取した塩分を塩類腺という器官から排出して、体の塩分濃度を一定に保っています。ウミガメの塩類腺は目の横にあるので、涙を流しているように見えるのです。

砂の温度で性別が決まる

ウミガメの卵は産卵から2ヶ月程度で孵化します。この時、重要なのが砂の温度です。砂の温度が24度から32度の間を外れるとほとんどの卵が死んでしまいます。そのため、ウミガメは外部の影響を受けないよう、砂浜に50~60㎝程度の穴を掘り、産卵すると考えられています。
そして驚くべきなのは、砂の温度で生まれてくるウミガメの性別が決まるということ。29度より高いとメスで、低いとオスが生まれる傾向があるのです。

自分が生まれた砂浜に戻って産卵する

ウミガメは孵化した後、自分の力で海に向かい、その後何年もの間、回遊することが知られています。そして自分が生まれた海に戻り、交尾、産卵することがわかってきました。渡り鳥などと同じように、地磁気(ちじき)を感じて戻ってくるのです。地磁気が少しずつ時間とともに変化するのに合わせて、ウミガメの産卵地も移動していくことがわかったことから、自分が生まれた海岸線固有の磁気を覚え、それを頼りに戻ってくると考えられています。

ウミガメが暮らし続けられる海を目指して

産卵地の減少、海洋汚染、乱獲などにより、世界で暮らす7種類のうち6種類のウミガメが絶滅の危機に瀕しています。(※)

世界ウミガメの日をきっかけに、これからもウミガメの姿を見続けられるよう、私たちができることを考えてみませんか。

(※)国際自然保護連合(IUCN)レッドリスト
タイマイ、ケンプヒメウミガメ 絶滅危惧ⅠA類、
アオウミガメ 絶滅危惧ⅠB類
アカウミガメ、ヒメウミガメ、オサガメ 絶滅危惧Ⅱ類

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