2017.11.15
「まて」は、予防のトレーニングである、と言っても過言ではありません。例えば、たまたま落ちていた焼き鳥串をくわえそうになる瞬間、「まて」のひと言で、口にするのをやめさせることができれば、誤飲という危険からワンちゃんを守ることができます。
他にも、お散歩中の思わぬトラブルや、交通事故などにワンちゃんが巻き込まれないために「まて」をマスターし、事故を予防しましょう。
最初は1歩
ワンちゃんが落ち着いた環境で練習できるように、最初は部屋の中で始めます。
リードを着けたまま「おすわり」をさせます。大きく手のひらを広げてワンちゃんの目の前にハンドサインを出し、「まて」と低く落ち着いた声で号令をかけます。
ハンドサインを出したまま、ワンちゃんからゆっくり横に1歩、離れてみましょう。横に1歩離れることができたら、次は2歩。2歩ができたら3歩と、だんだん離れる距離を伸ばしていきます。横に数歩離れることができたら、今度は前後に1歩ずつ離れてみましょう。
もし、ワンちゃんが動いてしまっても、叱らないでくださいね。リードを持ち、もう一度おすわりをさせてから「まて」と号令をかけ、再び1歩ずつチャレンジします。
小さなワンちゃんには
体の小さなワンちゃんは目線が低いため、飼い主さんが離れることを心配に思うかもしれません。「ちょっと不安そうだな」と感じたら、立ち膝の姿勢になり、そのまま①②を行ってみましょう。目線が近くなる分、安心した状況で「まて」をすることができます。
楽しく教えるために
ワンちゃんが楽しくトレーニングするためのポイントは「まて」と「よし!」を、必ずセットで教えることです。この合図がなければ、ワンちゃんは「いつまで待てばいいの?」という心細い気持ちになります。
「よし!」は、解放の合図です。にっこりとほほ笑みながら、できるだけ高い声で「よし!」と号令をかけ、ほめて遊びます。そうすることにより「まての後には、必ず楽しいことがある♪」と、理解していきます。
お部屋で「まて」ができたら、今度は玄関で。次は公園で。さまざまな環境でできるように慣らしていきましょう。
「まて」は、指示を出すときの気持ちが大事です。「えー!気持ちなんて関係あるの!?」と、思われる方もいらっしゃるでしょう。ワンちゃんがにおいや音、目の動きなどを察知する能力に長けていることは、皆さまご存じのとおり。
人間が主に言語で意思疎通を行うのに対し、ワンちゃんは五感を使って意思疎通を行います。ですから、大好きな飼い主さんの声のトーンや表情から気持ちを読み取ることで、より「まて」の意味を理解することがしやすくなるのです。
指示を出す準備は整いましたか? では、いつもより低く落ち着いた声色で、毅然と「まて」の合図を出してみましょう。気持ちを込めた「まて」は、きっとワンちゃんに届くはずです。