by 編集部 2025.03.10

ワンちゃんによる事故のきっかけの一つに「ワンちゃんが逃げ出すこと(逸走)」が挙げられます。首輪が抜けた、リードが切れた、玄関ドアの隙間から逃げ出した…など。飼い主さんの元を離れたワンちゃんは、開放的になったり不安を感じたりして普段おとなしい子でも他人を咬んでケガをさせてしまうことがあります。
大きなワンちゃんが飼い主さんなしで道を走っているだけで、通行人が怖がって逃げようとし、転倒してケガをすることもあります。この場合、ワンちゃんが直接被害者に触れていなくても、飼い主さんはケガの責任を負うことになるかもしれません。
正しい対策でワンちゃんによる事故を防ぎましょう!
首輪やハーネスの隙間は指2本分 リードは手から抜けない持ち方で
ワンちゃんが急に走り出すなどして首輪やハーネスが外れてしまった、またそういった場面を見かけたことがあるいう飼い主さんも多いのではないでしょうか。このような場合、締め具合が緩すぎる可能性があります。かといってぎゅうぎゅうに締めつけてしまうと、ワンちゃんが苦しくなってしまいます。首輪やハーネスは、ヒトの指が2本入るくらいの締め具合が適正と言われています。使っているうちに緩んでしまうこともあるので、つけるときに確認することを習慣づけましょう。
また、ワンちゃんに強く引っ張られて飼い主さんの手からリードが抜けてしまうことがありますが、持ち方を工夫することで防ぐことができます。
1.輪を手首にかける
2.輪と紐のつなぎ目あたりを手のひらで包み、紐を親指と人差し指の間から出す
3.出した紐を手の甲の人差し指側から小指側に巻き付ける
4.さらに手のひらで包み、紐を親指と人差し指の間から出す
なお、大型犬など力の強いワンちゃんは、小さなお子様や高齢者では制御できない可能性があるため、十分に力のある大人が散歩させるのが理想的です。
さらに、首輪やリードが千切れた、首輪とリードをつなぐ金具が外れた、などの事例も見られます。普段何気なく使っていると見落としがちですが、長年の使用で劣化していることもあります。明るい部屋で、首輪やリードなどをよくチェックしてみましょう。
不意の咬みつき、飛び出しも注意
玄関ドアを開けた瞬間、ワンちゃんが外に飛び出して来訪者を咬んでしまった、というのはよく聞くケースです。ワンちゃんが来られないように玄関と廊下の間に柵を設ける(ペット用や赤ちゃん用の柵が市販されています)、来客時にはワンちゃんをケージの中にいてもらうなどして、不意に外に出ることのないようにしましょう。
また、花火大会や雷の日に、飼い主さんが窓を開けて花火や雷の様子を見ようとしたら、大きな音に驚いたワンちゃんが窓から飛び出して行ってしまった、というケースも多くあります。そのような日は、ワンちゃんには、ケージや窓のない安全な部屋にいてもらうとよいでしょう。
車内でもキャリー内かリード着用で
ワンちゃんと車で外出するとき、車内でワンちゃんはどのように過ごしていますか?「おとなしいから」とノーリードで飼い主さんの膝に乗せていると、何かの拍子に窓やドアから出て行ってしまう危険性があります。
道路交通法第55条第2項では、以下のように定められています。
“車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。”
簡単に言い換えると、「運転手が安全に運転できない可能性がある場所に人を乗車させたり、モノを置いたりしてはならない」ということです。
キャリーにいれる、ドライブ用のベッド、ペット用のシートベルトなどで動きまわらないように固定するようにしましょう。
実際にアニコムに相談のあった事故
アニコム損保では、賠償責任特約を付帯している契約者様に対し、どうぶつが損害賠償責任を負う事故を起こした場合に相談を受け付けています。ここからは実際にご相談を受けた事例をご紹介します。
散歩中の事故
散歩中にワンちゃんのハーネスが外れてしまい、他のワンちゃんを咬んでしまった。咬まれたワンちゃんの飼い主さんは刑事告訴、放し飼いの条例違反で書類送検された。
⇒ハーネスが外れたくらいで大げさな…と思われるかもしれませんが、「放し飼い」は各自治体の条例で禁止しているところが多く、外に逸走してしまったワンちゃんは、故意でなくても「放し飼い」とみなされ、条例違反となってしまいます。
※東京都の例:東京都動物の愛護及び管理に関する条例
https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00003637.html#e000000168
車でおでかけ中の事故
車でおでかけ中に、ワンちゃんを後ろの荷物スペース(ラゲッジスペース)に乗せていた。そこから出そうとしたときにワンちゃんが道路に飛び出し、走行中の車に衝突した。幸いワンちゃんにケガはなかったものの、お相手の車のフロント部分がゆがみ、修理費用15万円ほどを請求された。
⇒万が一ワンちゃんが逸走してしまった場合でも、名前を呼んだらすぐに立ち止まったり、戻ってきたりできるようにしつけておくことも対策の一つです。
日頃から対策をし、ワンちゃんの事故を未然に防ぐよう努めましょう!