【獣医師監修】犬と猫の寿命は人間より伸びていた!犬種別の寿命は?

2019.12.12

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アニコムが2010年から毎年出している『家庭どうぶつ白書』。アニコム損保のペット保険の保険金請求データや、ご契約者向けアンケートなどを分析してまとめ、WEBから無料でダウンロードいただけるようになっています。


このたび2019年度版の公開にともなって、知っているとちょっとうれしい・役に立つデータをピックアップしてお伝えしていきたいと思います!


今回は、みんな気になる『犬と猫の寿命』に関するデータと、それにまつわるトピックスをご紹介します。


この10年で、犬と猫の寿命は確実に伸びていた!

よく「犬と猫の寿命は伸びている」と言われますが、果たして本当??実際のところどうなのか、ここ10年の推移を調査してみました。すると…


犬の平均寿命の推移グラフ

▲犬の平均寿命の推移

猫の平均の寿命の推移グラフ

▲猫の平均寿命の推移


ご覧の通り、やはり伸びていることがわかります。犬は+0.7歳、猫は+0.5歳の伸び。これを人間の年齢に換算すると、犬は約4~5歳分、猫は約3~3.5歳分伸びているということになります。


ちなみに…同じ10年での日本人の平均寿命の伸びはというと、男性で1.8歳・女性で1.2歳(厚生労働省・統計調査結果より)。犬と猫の寿命の伸びは飛躍的と言えそうです。


小型な犬ほど寿命が長い

次に、犬のサイズによって寿命の違いがあるのかについても調査してみました。

犬のサイズごとの平均寿命

▲犬のサイズごとの平均寿命

超小型犬(犬種の標準体重が5kg未満)・小型犬(5kg以上10kg未満)・中型犬(10kg以上20kg未満)・大型犬(20kg以上)でそれぞれ比較をすると、サイズが小さいほど寿命が長い傾向があることがわかります。


犬種別でも寿命の違いがある

さらに詳しい傾向を知るべく、犬種別の寿命を調査しました。今回は、アニコム損保のペット保険契約数上位30犬種についてご紹介します。


30犬種別の平均寿命の一覧表

▲犬のサイズごとの平均寿命

先程ご紹介したサイズごとの平均寿命とほぼ似たような傾向ではありますが、一部の犬種では長め・短めといったばらつきも出ています。例えば心臓病になりやすいキャバリアのように、犬種特有のかかりやすい病気があり、それが生死に影響を与えるようなものだった場合は、寿命に関係していると考えることができるでしょう。


哺乳類の場合、身体が大きいほど寿命が長い。…あれ?犬は逆??

データから少し発展して、動物の寿命についてもう少し広く考えてみたいと思います。


一般的に、身体のサイズと寿命は比例しています。例えば体重100gのハムスターは3年ほどなのに対し、6tのゾウは70年ほど。これは身体の大きさと心拍数の関係だと言われています。哺乳類の心臓は、動物種に関わらず一生の間に脈を打てる回数が約20億回と決まっていて、体の大きい動物ほど心拍数がゆっくりになって長く生きるというのです(※1)。


この法則からすると、犬も身体が大きい大型犬ほど寿命が長くなるはずですが、今回ご紹介したデータでも、あるいは他の調査の結果を見ても、逆転しています。なぜなのでしょうか?


犬のサイズを決めるIGF-1遺伝子が、寿命にも関係しているらしい

まだはっきりと解明されていませんが、一説には「IGF-1」という遺伝子が関係しているとの報告があります。IGF-1は成長ホルモンの働きによって肝臓などで生産される成長因子と呼ばれる物質ですが、このIGF-1に関する遺伝子が、犬のサイズも決めていることがわかっています(※2)。大型犬の方が、よりたくさんこの遺伝子が働くために、身体のサイズが大きくなるのです。


一方で、IGF-1がたくさん働くと、短命傾向になるとも言われています。人においても、IGF-1の量とがんのリスクに相関関係があることがわかっています(※3)。こうした点が、犬のサイズと寿命の逆転現象に影響している可能性があるようです。


この仕組みがより解明されていくと、さらに寿命を伸ばすことが可能になるかもしれません。今後の詳しい調査が期待されます。


犬と猫の寿命が伸びるのはうれしいこと!でも…

寿命が伸びれば、その分ペットと一緒に暮らす時間が長くなり、飼い主さんとしては喜ばしいこと。でもその分、人と同じく、高齢になるにつれてケガや病気にかかるリスクも出てきてしまいます。


次回は、気になる診療費に関するデータをご紹介していきたいと思います。




本コラムでご紹介したデータは、『家庭どうぶつ白書2019』P46~48に掲載しています。その他のデータも無料で公開中!詳しくは『家庭どうぶつ白書2019』をご覧ください。


【参考文献】

(※1)参考 :『ゾウの時間ネズミの時間』本川達雄 著/中央新書

(※2)A Single IGF1 Allele Is a Major Determinant of Small Size in Dogs:N. B. Sutter et al, Science 06 Apr 2007:Vol. 316, Issue 5821, pp. 112-115.ら、2007

(※3)IGF System in Cancer:S. J. Weroha et al, Endocrinol Metab Clin North Am. 2012 Jun; 41(2): 335–350.ら、2013



【監修獣医師 兵藤未來】

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