by 編集部・鈴木 2019.12.23
あの数え方は間違っていた?正しい年齢はどうやって分かる?
大好きなわが子は、人間でいうと何歳なんだろう?…人間の年齢に換算することは、犬と暮らす方であれば一度は考えた経験があると思います。実際、犬の年齢を計算するためには、いろいろな数え方がありましたので、表にして一緒にみていきましょう。
手軽さが特徴!「単純7倍計算方式」
犬の年齢を人間の年齢に換算するには、“7倍”と聞いたことはありませんか? つまり、犬が5歳なら人でいう35歳。10歳なら70歳といった具合です。もっともクラシックな年齢換算法ですね。
英語では、これを「dog year(ドッグイヤー)」と呼び、実際に人間にとっての1年が、犬にとっての7年に当たるという考え方から来ているようです。
しかし、近年では犬も長生きするようになってきました。小型犬飼育が中心の日本では、犬の平均寿命は約15歳※ほどですが、7倍するとなんと105歳という結果に。ちょっと、老いすぎかな…。
※2016年のどうぶつ健保の保険請求データをもとにした犬の寿命に関する調査・分析
でも、ふと頭の中で何倍なのかを計算できるので、すぐにイメージが湧きやすいという利点があります。
犬の“成長”に合わせた換算法「1歳で成人方式」
そこで誕生したのが、「1歳で成人方式」(勝手に名前をつけました…)。
誰が最初に提唱したのかはわかりませんでしたが、現在では最もポピュラーな方法ではないでしょうか。
この計算式は、犬が1歳の時点で、人では成人(20歳)に換算します。そこからは毎年+4歳していきます。つまり、犬が5歳だと36歳。10歳だと56歳。15歳だと76歳、といった具合です。
※1年を18歳に換算する方法もあるようです。
おぉ。なんだか合っていそう!
1年で20歳は、やりすぎな気もしますが、確かに、犬の成長期は生後1年ほどですし、女の子の性成熟だって、だいたい6ヶ月齢くらいでやってきます。犬の「成長」という観点では、最も合った方法のように思えます。実際、動物病院などではこのやり方で換算しているところもありますよね。このように年齢換算の方法はいろいろとあるので、比較してみても面白いかと思います。
そんな中、新たに提唱された計算式が!
長らく「1歳で成人方式」がベストアンサーかと思われていましたが、2019年11月、米国のカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、新たな犬の換算式を発表しました。
参考論文
新たな年齢換算法は、これだ!
「人間に換算した年齢=16 ln(犬の年齢)+31」
思ったより難しかったので、スマートフォンの電卓を使って試してみましょう。
年齢を調べてみるのは、来年4歳になるトイ・プードルの福ちゃん(男の子)。
まだまだやんちゃで、甘えん坊な福ちゃん、あなたいったい何歳なの? 気になります。
「僕、4歳だから7倍すると28歳!成人方式だと32歳の計算だよ!まだまだ若いでしょ!」
では、今回の論文で明らかにされた計算式の通りに福ちゃんの年齢を換算してみましょう。
(※iphoneの電卓を横にして計算するとlnが出てきます。)
①まずは年齢を入れてlnを押します。
②その数字に16を掛けます。
③その数字に31を足します。
すると…
えっ!!!!!
実際に計算してみると、53.180…という数字になりました。
なんと、53歳。もう立派な中年じゃないですか。ビックリ…。
(というか、ちょっとガッカリ。。。)
もう、甘えられる年齢じゃないですよ、あなた。
「ガーン…。(涙)」
さっきと同じように考えてみると、5歳で57歳。10歳で68歳。15歳で74歳となりました。
もっとびっくりしたのは、1歳で既に31歳になりますよ。
なぜ、この計算式なのか?
人も、年齢があがっていくごとに老化が進み、病気になりやすくなるように、犬の年齢と病気のリスクも加速していきます。同研究チームは、加齢によって体を構成している遺伝子ゲノムDNAがメチル化する(老化していく)ことに着目し、104頭の犬の血液を分析して、この新たな犬の年齢換算式を算出しました。このようなDNAのメチル化は、エピジェネティック時計と呼ばれ、食事や環境、様々な要素によって変動し、それを人の年齢に換算したのが計算式というわけ。いわば、「生物学的年齢」とも言えます。
ただし、対象となった犬はすべてラブラドール・レトリーバー(大型犬)であり、必ずしも、どの犬種にも当てはまるとは限らないそうです。(相対的に、小型犬の方が長生きする傾向にあります)
なるほど。犬の「加齢」にフォーカスした、医学的な年齢換算法ですね。普段使いはしにくいですが、病気や健康と合わせて考えるには、最も適しているように思えます。
▼単純7倍計算方式・1歳で成人方式・新たな計算方式の比較グラフ
わたしたちが想像するよりも、はるかに早い加齢が意味することとは
福ちゃんの「4歳=53歳」からもわかる通り、この研究結果からは、犬の年齢を人間に換算すると想像しているよりも高い年齢が導き出されることがわかりました。
つまり、私たちにとっての1日は、犬にとっては数十日です。来月には、1歳くらい年をとっているかもしれません。同じときを過ごしていても、わが子にとっての今日が、限りある犬生の中の大切な時間だということを忘れてはいけません。
ちなみに、ギネス記録に認定されている世界で最も長生きした犬は29歳(2019年時点)。この計算方式にあてはめてみると85歳という結果になりました。
加齢するほど…
もちろん、人と同じく、加齢に伴って病気になりやすくなります。例えば、犬の5歳は、人間でいう57歳。すでに法律上の「高年齢者」にあたります。「まだまだ走り回っているし、病気やケガもないから大丈夫!」と思っていても、いつ病気になるかわかりません。
最低でも1年に一回の定期健診や、予防接種がとても大事です(第一次予防=疾病の予防)。そして、小さな症状でも、病院に早くかかって治してあげることが大切なのです(第二次予防=重症化予防)。
大切なわが子には、保険も忘れずに!
ペット保険のアニコム損保では、「そんな小さな症状でも、費用を気にせず病院にかかり、重症化予防をしてほしい」という想いがあります。7歳11ヶ月まで加入できるフルカバー型の保険、もしもの手術や入院にだけ備えられるお手頃な保険、8歳以上なら何歳まででも加入できるシニア用の保険など、ニーズに合わせた保険商品をご用意しています(※)。
これを機に、保険も忘れず検討してくださいね。
※加入には、各種条件があります。詳しくは、商品紹介ページをご確認ください。
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テリーさん
愛犬の年齢は余り考えた事がなくて、今年で5歳になるヨークシャテリア男の子
我が家はブリーダーさんからの購入しか考えておらず、成長過程や性格、気をつけて欲しい事等全て教えて貰えるので、最初の子もブリーダーさんからの購入で19年生きてくれました。介護は出来る限りやりました。2日に一度足りない栄養を点滴で補い、1日4回の新生児用の粉ミルク注射器で飲ませ寝たきりでも支えて、少しですが、歩かせ、体位交換等悔いの内容に看病しました。19年生きて、最後は老衰で自然に腕の中で、眠りました。犬の年齢は確かにあると思いますが、早めに病気なら受診したら、犬も長生きすると思います。獣医の先生も最新医療を取り入れてくれてます。少しでもおかしいな。と 感じたら私は直ぐに病院に連れて行きます。アニコムに入っていて良かった。情報が早くわかるからです。今の愛犬も長生きさせます。ただしフードは獣医の先生が認めた物しか与えていません。