お腹の袋のヒミツも!カンガルーのマメ知識7選

by 佐藤華奈子 2024.05.01

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赤ちゃんがお腹の袋から顔を出す姿で知られるカンガルー。お腹の袋で赤ちゃんを育てる有袋類の仲間で、オーストラリアを代表する野生動物です。ジャンプ力に優れ、前足でボクシングのように闘うこともあり、スポーツチームのマスコットとしても人気です。日本でも動物園で会うことができ、ふれあいができる場所にいることも珍しくありません。そんなカンガルーの楽しいマメ知識を紹介します。

カンガルーってどんなどうぶつ?

「カンガルー」は、有袋類カンガルー科の仲間の総称。一般には大型のカンガルーの仲間を指しますが、実はカンガルーの仲間は50種以上存在します。人の背丈くらいの大型のカンガルーもいれば、30㎝ほどの小型のものもいます。カンガルーといえば草原にいて地面をジャンプするイメージですが、キノボリカンガルーと呼ばれる樹上で生活する仲間もいます。また一見するとネズミのような姿のネズミカンガルーも。大きさや特徴、生活場所は種によってさまざまです。ワラビーやワラルーもカンガルー科の仲間になります。
ここではカンガルーの最大種であり動物園で見かける機会も多いアカカンガルーについて、特徴とマメ知識を紹介します。
アカカンガルーはオーストラリア内陸の開けた草原に生息しています。農地や住宅地でも見られるなじみの深い野生動物です。お腹側が白く、オスの背側は赤みがかった栗色。メスは青みがかった灰色をしています。草食で、おもな食事は草や木の葉、木の芽など。10頭ほどの群れで暮らし、夜に活発に動きます。天敵はオーストラリアの肉食獣・ディンゴです。オス同士は向かい合って蹴りあうケンカをすることがあり、その様子はよくボクシングに例えられます。天敵に対しても、噛みついたり爪で引っかいたりして反撃をすることがあります。

マメ知識①最大種は立ち上がると人と同じ背丈

アカカンガルーのオスは背丈が1.6mほど、立ち上がると2mちかくになる最大のカンガルーです。大きなものでは1.8m、体重が90㎏ほどになることも。人間の大人とほぼ同じか、それを超えてしまう大きさです。

マメ知識②1回のジャンプで8m移動できる!

カンガルーは移動するとき必ずジャンプで進みます。筋肉が発達した力強い後足のおかげで、1回のジャンプで長距離を移動することが可能です。大きいものでは、1回のジャンプで水平方向に8mも移動できるのだそう。このジャンプ力のおかげで速く走ることもでき、最高時速は50㎞ほどといわれています。

マメ知識③後ろ向きには進めない

ジャンプで素早く移動するために、長い足と大きなしっぽを持つカンガルー。そのため後ろ向きに移動することができなくなっています。そんなカンガルーは常に前進するどうぶつとして、エミューとともにオーストラリアの国章にも描かれています。

マメ知識④しっぽは5本めの足?

しっぽは1mほどの長さでつけ根が太く、筋肉が発達しています。この大きなしっぽは跳ぶときにバランスを取ることや、方向転換に役立つだけではありません。休憩中やボクシングで闘うときに体を支える役目もあります。ケンカの際は後足を左右同時に上げて相手を蹴ることもあり、その瞬間はしっぽだけで全体重を支えています。こうした働きから、カンガルーのしっぽは「第5の足」と呼ばれています。

マメ知識⑤コミュニケーション能力が高い

群れで暮らすカンガルーは多様な伝達手段を持っています。危険を感じると、後足を踏み鳴らして仲間に伝えます。お母さんが袋から出ている子どもを呼び戻すときは、カチッ、カチャカチャなどと鳴きます。うなり声を出すことや、鼻を触ること、咳などもコミュニケーションの手段です。そのコミュニケーション能力は仲間同士に限ったことではなく、イヌやウマと同じように人間とコミュニケーションがとれることを示唆する研究結果もあります。カンガルーのジェスチャーや言葉を覚えれば、意思疎通ができるかもしれません。

マメ知識⑥赤ちゃんが袋から出てくるのは生後6ヶ月ごろ

最大種のアカカンガルーでも、生まれたての赤ちゃんは大変小さく、2cmほどの大きさです。毛も生えていない未熟な状態で生まれた赤ちゃんは、お母さんのお腹を登って袋の中に入ります。一度袋に入ると、しばらく袋から出ることなく、中で母乳を飲んで育ちます。顔を出すようになるのは生後5~6ヶ月ごろ。このころの赤ちゃんは、毛も生えそろい、すっかりカンガルーらしい姿に成長しています。しばらくは時々顔を出して周囲の様子をうかがう日々です。それから数週間経つと、ようやく外に出るようになります。それでも危険を感じると素早くお母さんの袋の中へ。袋から出たり入ったりする時期が続いたあと、生後1年ほどでお腹の袋に戻ることはなくなります。

マメ知識【7】赤ちゃんの排泄物はお母さんが掃除をする

生後半年ほどは袋の中だけで過ごす赤ちゃん。当然、排泄も袋の中でします。小さいうちはごくわずかな量ですが、赤ちゃんはどんどん大きくなります。排泄物が増えてきたら、お母さんが自分で袋の中を舐めてきれいにしています。動物園でも、お母さんカンガルーが時々袋に顔を入れてお掃除しているところが見られるかもしれません。

まとめ

カンガルーの楽しいマメ知識を紹介しました。ここで紹介したアカカンガルーは、オーストラリアに多数生息し普通に見られる野生動物です。一方で、キノボリカンガルーのように絶滅危惧種に指定されている種も。カンガルーには多様な仲間がいることも、覚えておいてくださいね。

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