by 根本聡子 2019.10.17
車、電車、飛行機、船……いろいろな移動手段がありますが、どれが愛犬にとって快適なのでしょうか? メリット、デメリットから快適に移動するためのポイントまでをご紹介。「車」に続き、行動範囲がグッと広がる「電車」編です。
電車で出かけることのメリット・デメリット
メリット1
ほぼオンタイムなので時間が読めるのが最大のメリット。到着時間がはっきりしていれば旅先でのスケジュールも組みやすく、時間を有意義に使うことができます。また1人で愛犬と出かける場合、交通費が安く済むのも嬉しいポイント。
メリット2
駐車場を探したり、駐車料金の必要がないのも電車移動ならでは。とくに週末の観光地などの駐車場は大渋滞!1日停めておくだけで数千円かかってしまうこともあるので、身軽に移動できる電車を利用する方が時間とお金の節約に。
メリット3
車でお出かけする場合、ドライバーだけが疲れたり、お酒を我慢しなければいけなかったりと負担が大きくなりがちですが、電車の場合、全員が対等。気を使ったりストレスを溜めたりしなくていいのも魅力ではないでしょうか。
デメリット1
電車移動のとき、荷物が増えると大変ですよね。愛犬連れの場合はなおさらです。愛犬の重さに加えて、バッグやごはんやおやつなどの愛犬用品を持って乗車しなくてはいけないので、荷物は最低限にする必要があります。
デメリット2
混雑している電車は愛犬がつぶされたり、迷惑をかけるリスクが高くなるので避けたいところ。ということは、人出が多くなるイベントなどに出かけるときは、時間をずらさなくてはいけません。車なら自分たちのペースで動くことができるので、これは電車のデメリットとも言えるでしょう。
犬と乗車できる条件を知ろう
ほとんどの鉄道で愛犬を乗車させることは可能ですが、まず知っておきたいのは日本では愛犬は『手回り品』だということ。家族の一員として一緒に暮らしている飼い主としては悲しい気持ちになってしまいますが、ルールに従うしかありません。いつか海外のように犬も猫も自由に電車に連れて乗れる日が来ることを切に願います。
愛犬を電車に乗せる場合、鉄道会社によって持ち込めるバッグの形状が決まっていたり、料金が発生したりとルールが変わってきます。まずは自分が乗りたい路線のホームページをチェックしましょう。いくつか例を挙げてご紹介しますが、まずは乗車料金の有無で乗車までのプロセスが変わります。
<乗車料金が必要な場合>
係員がいる窓口に行き、愛犬を乗車させたい旨を伝えます。すると「手回り品切符」を発券してくれるので、クレートやバッグの見える位置につければOKです。ちなみにJR九州では犬や猫の絵が描かれたかわいいペットカードを発券してくれますよ。
<JR東日本>
乗車料金280円。布製など柔らかいケージやキャリーバッグ、ペットカートの使用は禁止されています。持ち込める大きさは長さ70㎝以内でタテ、ヨコ、高さの合計が90㎝程度。愛犬とバッグを合計した重さが10kg以内。
<東京メトロ>
乗車料金は無料。スリングや身体の一部でも外に出てしまう入れ物はNGです。大きさはJR東日本と同じく、長さ70㎝以内でタテ、ヨコ、高さの合計が90㎝程度。愛犬とバッグを合計した重さが10kg以内です。
<大阪市交通局>
乗車料金は無料。大きさや重さの制限はありませんが、動物の姿を見えない状態にする必要があります。ペットカートも利用可能ですが、その場合カバーの大部分が不透明である必要があります。
<福岡市交通局>
乗車料金も無料な上、サイズや重さの規定もありません。またバッグの種類も“キャリーケースなど動物が安全に運べるもの”という指定があるのみ。全国の中でも愛犬に優しい路線といえると思います。
乗る前にやるべき愛犬のケアはコレ
全身を隠した状態で乗車する必要があるので、まずはキャリーケースで移動することに慣れさせましょう。「キャリーケースに入ると楽しいところに行ける!」と愛犬に思わせるのが◎。そのためにもクレート練習で連れて行く場所は、病院などではなく、ドッグランやカフェなど楽しい場所を選ぶのがコツです。
電車は一度乗ってしまったら次の駅まで途中下車できません。ある程度の時間をキャリーケースで過ごせるようになるまで短い距離から慣れさせて。急行や特急は避け、各駅停車でまずは1駅。そしてそれができたら2駅と距離を延ばしていくのがおすすめです。
電車内という狭い空間で愛犬が吠えたり、騒いでしまったら大迷惑。しかも車内では愛犬をキャリーケースから出すことはルール違反なので、ケースに入れたままなだめる必要があります。興奮したときでも飼い主の制止コマンドで落ち着けるように普段からトレーニングしておきましょう。
食事は電車に乗せる2、3時間前に済ませましょう。満腹や空腹の状態で電車に乗せると乗り物酔いしてしまうリスクが上がってしまいます。排泄も済ませておくのがルール。万が一のときのためにクレートやバッグにはトイレシートを敷いておくと安心です。
電車に乗るときに気をつけることは?
呼吸が速くなったり、よだれやあくびが出て来たら乗り物酔いのサインです。それらの症状が見えたらすぐに次の駅で下車しましょう。一度駅から出てキャリーから出し、お水を飲ませて落ち着かせてあげましょう。
どうしても車酔いしてしまう愛犬にはお薬もあります。市販薬もありますが、まずは獣医さんに相談して処方してもらうのが安心。どんな状況で酔ってしまったかを正確に伝えるためにも、乗車した時間や食べたものを記録しておきましょう。
普段大人しくバッグに入って移動できるのに、お友達の姿が見えたら愛犬が大興奮!という経験を持つ筆者。これを教訓に、友達と出かける場合は、同じ車両に乗らず現地集合というマイルールが。もしバッタリ車内で会ってしまったときは車両を移動するようにしています。
このように、愛犬に合わせた対策を行って、電車でのおでかけを楽しみましょう。