by 根本聡子 2019.07.23
普段、リードで繋がれているワンちゃんたちにとって自由に走り回れるドッグランは最高の場所。さまざまな犬種・性格の犬との交流ができるので犬の社会化にもなる場所です。しかし、同時に多くのリスクが伴う場所でもあることを知っていますか?ドッグランデビューをする前に抑えておきたいチェックポイントをまとめました。
初心者にはスタッフがいるドッグランが◎
ひと口に「ドッグラン」と言っても、さまざまな種類があります。ドッグラン初心者には、「スタッフ」がいるところがオススメです。
・会員制ドッグラン
年会費と利用の都度、料金がかかります。その分広くて綺麗な上、アジリティが用意されていたり、施設の充実度が高いのが特徴。ドッグトレーナーを配置しているところも多いのでドッグランデビューでも安心です。
・公園のドッグラン
登録すれば無料で使える場所もあれば利用料が必要なところも。比較的ご近所のワンちゃんが集まることが多いので飼い主の交流を広げたい人にオススメです。スタッフがいる公園もあります。
・ショッピングモールのドッグラン
大きなショッピングモールやペットショップにドッグランが併設されていて、無料で使えるところもあります。買い物ついでに愛犬を遊ばせることができるうえ、屋内型が多いので天候に左右されないのが魅力。ただ週末などは混雑するので、初心者は平日など空いている日から慣れさせるのが◎。
・サービスエリアのドッグラン
高速道路のサービスエリアに併設されているドッグラン。お出かけ途中に立ち寄れるので愛犬のリフレッシュにピッタリですが、監視員がいません。そのため義務づけられている狂犬病注射やワクチン接種などをしていない犬でも入れてしまうのが心配なところ。
ドッグランに行くときに必要な持ち物はこれ!
・狂犬病注射やワクチン接種の証明書
狂犬病注射やワクチン接種は飼い主の義務です。ほとんどのドッグランでは証明書提示を求められるので、必ず『原本』を持って行きましょう。中には証明書ではなく『鑑札』の提示が必要なところも。せっかく行ったのに入れないということがないように、両方持って行くと安心です。
・マナーパンツ
トイレトレーニングが完璧でない子はマナーパンツを着用するのがマナー。とくにショッピングモールや室内のランでは義務づけられることもあります。初めてマナーパンツを履くと動けなくなってしまう子もいるので、お家で慣らしておくといざというときにも役立ちます。
もちろん、水、うんち袋など基本のお散歩グッズは必ず持っていくのを忘れずに!
いざ入場!でもどうしたらいいの!?
・エリアを守ろう
大型犬エリアと小型犬エリアに分かれているドッグランでは、必ずエリアを守りましょう。「この子は誰とでも上手に遊べるから大丈夫」という考えは×。大型犬が苦手な小型犬もいれば、その逆もいます。また体格差があると万が一ケンカになってしまったときに大ケガに発展することも!
・入場は慎重に
入り口を開けた瞬間に、中にいた子が逃げ出してしまったら大変!入場するときは入り口付近に他の子がいないかをしっかりチェックしましょう。またドッグランの入り口はダブル扉になっているので、両方の扉をしっかり締めるのを忘れずに。
ドッグランに先客がいる場合、入場した瞬間にみんなが集まってくることが。犬が苦手な子は驚いてしまいますし、トラブルの原因にもなるので、小型犬であれば、まずは抱っこして入場すると安心です。
入場してすぐにノーリードにするのはちょっと待って。まずはその場所や先客に慣れさせるためにもリードを持ちドッグランを一周してみましょう。匂いを嗅ぐことで愛犬も安心して遊ぶことができます。お友達と上手にご挨拶できたらリードを外してあげてください。
こんなワンちゃんは入れません!
・狂犬病、ワクチン接種が終わっていない子
ほとんどのドッグランでは入場する際、狂犬病注射とワクチン接種の証明書の提示を求められますが、中には必要ない場所も。だからといって未接種のワンちゃんを連れて行くのはマナー違反です。また伝染性疾患を発症している子も入れません。
・凶暴な子
嚙み癖はもちろん、吠え癖がある子もドッグラン向きではありません。他の子を怖がらせてしまうだけでなく、ケンカに発展してしまったら大変なことに。まずは遊びがヒートアップしてもクールダウンできるよう、飼い主の指示に従うようにトレーニングして。
・ヒート中の子
ヒート中の女の子は男の子にとってとても魅力的な存在。交配の心配はもちろんですが、興奮した男の子につきまとわれた女の子が立ち向かってケンカに発展してしまうこともあるのでドッグランへの入場は絶対ダメ。出血が止まってもヒート状態は続くので、ヒート開始から4〜6週間はお家で安静がマナーです。
楽しむために気をつけたいこと
・無理は禁物
お友達を作りたいからと強引に挨拶させたり、怖がって逃げている子を“慣れるから大丈夫”と放置するのは絶対×。臆病な子や犬が苦手な子は、積極的なワンちゃんにグイグイ来られて怯えてしまうかもしれません。遊ばせに行ったはずが「犬は怖い」と恐怖意識を植え付けるだけで逆効果になってしまいます。
・目を離さない
犬同士が遊んでいるうちに、ヒートアップしてケンカに発展しそうになったとき、愛犬が怖がっているときなどにすぐ助けに入れるように常に愛犬から目を離さないこと。また自分はしっかり見ていても他の飼い主さんが話に夢中になっているときは要注意。その飼い主さんの子が追いかけて来ても仲裁に入ってもらえないので、少し離れるか様子を見るのが無難です。
・制御できる範囲で
1人で複数の犬を連れて行くのも注意して。過去には多頭飼いの飼い主さんが4頭同時にドッグランへ連れて行き、1頭のトイレの始末をしている隙に他の子がケンカに巻き込まれてケガをしたという悲しいトラブルも起こっています。
ドッグランには犬種はもちろん、年齢や大きさ、性格の違う子が集まります。そこでみんなが仲良く遊ぶためにも愛犬をコントロールできるように前もってトレーニングしておくことが重要です。普段のお散歩で犬や人に慣れさせておくのはもちろん、愛犬の性格をしっかりと理解して無理をさせないことが大切です。
まとめ
ドッグランは多種多様な犬と遊べるため、社会化を培うには最適な場所です。ただし、臆病な子や犬が苦手な子にとっては『怖い場所』になってしまう恐れも。そうならないためにもしっかりと飼い主が目を配り、怖がっていたら抱っこして避難する、ケンカになる前に仲裁するなどを心がけましょう。大事なのは飼い主がしっかり愛犬をコントロールし、安全に遊ばせてあげること。きちんとマナーを守ってドッグランを楽しんでくださいね。