ハムスターの皮膚病について知っておきたいこと

by アニコム ハムスターチーム 2019.01.30

ADVERTISEMENT

以前、ハムスターさんのケガが「お迎え直後」に多いという点に着目し、ケガの原因や予防についてご紹介しましたが、実はケガ以外にも起こりやすい健康トラブルがあることを知っていますか?それは、皮膚の病気です!


ハムスターさんがよく体を掻いていると思ったら、毛が抜けていたり皮膚が赤くなっていた!なんてことありませんか?そのような症状が見られた時は、皮膚の病気になっている可能性があります。


今回はハムスターさんがなりやすい病気、皮膚病についてご紹介します!


【関連記事】
ハムスターのケガ、これだけは気を付けて!


ハムスターの保険金請求、4件に1件が「皮膚病」

ハムスターの保険金請求の内訳の表

▲2016年11月~2017年10月にアニコム損保の
保険契約を開始したハムスターのうち、請求の
あった236頭に関して、請求内容の内訳を示した
(図1)

ハムスターの皮膚病の
請求内容の内訳を示した表

▲2016年11月~2017年10月にアニコム損保の
保険契約を開始したハムスターのうち、皮膚病の
請求内容の内訳を示した(図2)

アニコムに届く保険金請求のうち、なんと、皮膚病が1/4(25%)を占めています。


その内訳を見ると、もっとも多いのは皮膚腫瘍で14%となっています。次いで感染性皮膚炎の一種である膿皮症/細菌性皮膚炎、皮膚糸状菌症が合わせて14%、皮下膿瘍とアレルギー性皮膚炎が6%、爪の外傷が4%という内訳になっています。


皮膚病というと、皮膚の赤みや痒み、脱毛等の症状をイメージされると思います。一見同じような症状に見えますが、このようにその原因は多様です。


なかでもハムスターさんは、冒頭でも紹介したアレルギー性皮膚炎、感染性皮膚炎(膿皮症・細菌性皮膚炎や皮膚糸状菌症等)になりやすいと言われています。今回はそんな「アレルギー性皮膚炎」と「感染性皮膚炎」にフォーカスし、ハムスターさんの皮膚病について学んでいきましょう!


アレルギー性皮膚炎は、○○が原因?!

ハムスターの写真

アレルギー性皮膚炎とは、その名の通りアレルギーによって起こる皮膚炎です。身体に合わない床材やチップ、食べ物などがアレルギーの原因となることがあり、お腹や胸などに脱毛や発疹が見られます。また、肥満のハムスターさんほど発症する可能性が高いと言われています。


床材では、スギやマツなどの針葉樹を使ったものはアレルギーを引き起こす可能性が少し高いと言われていますが、個体によって何のアレルギーなのか違うため、その子に合った床材を探して、選んであげましょう。


アレルギーでは、皮膚以外にもくしゃみや目やになどの症状として現れることもあります。徴候を見逃さないよう注意して見てあげましょう!


「感染性皮膚炎」ってどんな病気?

ハムスターの写真

感染性皮膚炎とは、細菌や真菌(カビ)等に感染することにより起こる皮膚炎です。皮膚の赤みや腫れ、脱毛等の症状が見られ、特に免疫力が下がっていると発症しやすくなります。免疫力が低下すると、体の中の細菌やウイルスを退治する力が弱くなってしまうからです。


例えば、細菌が増殖しやすい不衛生な環境で飼育するとストレスを感じてしまい、体の免疫が下がってしまうことがあります。ケージの中は常に清潔に保ちましょう!


また、免疫力が低下していなくても、傷口から感染してしまうこともあるため、ハムスターさんが傷つかないよう、安全な環境づくりも重要です。


皮膚病予防のためにできること

ハムスターの写真

これまでの紹介で、アレルギー性皮膚炎と感染性皮膚炎の主な原因は床材や食べ物、飼育環境であることが分かりました。つまり、日頃から食生活や飼育環境を整えてあげることが予防につながるということです。ハムスターさんが皮膚病にならないために、以下の3点に気を付けましょう!

  1. 肥満にならないよう、食生活に気を配り体重管理をしっかり行うこと
    ⇒ハムスターさんは頬袋にごはんを入れて巣に持ち帰る習性があるので、「ごはんを食べているかの観察」ではなく、「体重で健康管理」をしましょう。


  2. ハムスターさんのアレルギーの原因特定は難しいため、今の飼育環境で問題ない場合はむやみに生活スタイルを変えないこと
    ⇒いろいろな食べ物を与えすぎると体質に合わないものを食べて、アレルギーを発症してしまう可能性があります。


  3. 排泄物、食べ物などで汚れた部分はこまめに掃除をして、常に清潔な状態を保つこと
    ⇒不衛生な環境ではストレスが溜まり、細菌も増えてしまいます。

ハムスターさんは体が小さいため、病気の進行が早いどうぶつです。体重や排泄物を観察することで、皮膚病だけではなくその他の異変にも早く気付くことができるので、日頃からそのような習慣をつけておくとさらに良いでしょう!


大好きなハムスターさんがいつまでも健康でいられるよう、普段の生活に気を配りながら、愛情をたっぷり注いで育ててあげてくださいね♪


【参考文献】
・姥 智子(2015年)「はじめてのハムスター 飼い方・育て方」 株式会社学研マーケティング P122
・東海林克彦(2018年)「愛玩動物 with PETs 2018年7月号No. 262」 公益社団法人日本愛玩動物協会 P30


ADVERTISEMENT
コメント0