「クリアなコーギー」って何??

2018.03.28

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「クリアなコーギーが生まれたって!」


最近、アニコムではこのような会話が社員同士で交わされていますが、みなさん、「クリアなコーギー」って何のことかわかりますか?


ここで言う「クリア」とは、「遺伝病の原因となる特定の遺伝子に、変異がない」ということ。そして、その遺伝病は今回の場合、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(以下コーギー・ペンブローク)に多く見られる「変性性脊髄症(以下DM)」のことを指します。


つまり、我々が言う「クリアなコーギー」とは、DMの発症リスクが低い、DMフリーのコーギー・ペンブロークのことなのです。


この記事では、そもそもDMとはどのような病気なのか、そしてこの病気に苦しむ犬を一頭でも減らすために、繁殖家と協同してアニコムが行っている取り組みについて、ご紹介します。


コーギー・ペンブロークに好発する「変性性脊髄症(DM)」とは

脊髄の神経細胞が変性することで、麻痺などの機能障害があらわれる進行性の病気です。コーギー・ペンブロークのほか、ジャーマン・シェパード・ドッグ、トイ・プードル、フレンチ・ブルドッグなども好発犬種と言われています。


【DMの症状】
多くの場合10~12歳頃に症状が出始め、3年くらいかけてゆっくり進行します。


まず最初は後ろ肢に変化が現れます。感覚が低下し、肢をすって歩いたり、腰がふらつくようになり、さらに進行すると後ろ足をそろえて歩く(ウサギ跳び)といった症状が見られます。


初期症状は椎間板ヘルニアとよく似ていますが、DMの場合、痛みを伴わないのが特徴です。


進行とともに次第に前肢へと症状が移ると、立つことや排便・排尿が困難になり、最終的に呼吸を司る神経にまで病気が進行し、呼吸障害を起こし死に至ります。


【DMの治療法】
発症の原因は未だはっきりとはわかっていないため、残念ながら有効な予防法や治療法はありません。


DMと診断された場合は、動ける状態のうちになるべく運動させリハビリを行うなど、進行に合わせてケアをしながら、生涯病気とつき合っていくことになります。


DMはある遺伝子と関係している?

しかし近年、DMを発症した犬の、「SOD1遺伝子(※)」という特定の遺伝子に、変異があることが分かってきました。SOD1遺伝子は、人の病気では「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と関連があるとされる遺伝子です。


発症の確率など詳細についてはまだ解明されていませんが、この遺伝子の変異の有無を事前に確認できれば、将来の発症リスクを見通すことができるのではないかと注目されています。


※SOD1遺伝子
抗酸化作用のあるタンパク質(SOD1)をコードする遺伝子


DMフリーに向けて。アニコムの取り組み

母乳をあげるコーギー

SOD1遺伝子の変異の有無は、遺伝子検査(※)によって調べることができるのですが、ここでようやく、最初の「クリアなコーギー」の話に戻ります。


アニコムではここ数年、遺伝子について研究を重ねてきました。その結果をもとに、繁殖の専門家と協力して、特定の遺伝子検査結果がクリアな子犬・子猫を増やす取り組みをスタートしています。


たとえば、SOD1遺伝子の変異がないクリアなお父さん犬、お母さん犬の間には、同じくクリアな子犬しか産まれず、将来DMを発症するリスクを低く抑えることができるのです。


どの遺伝子がどの病気に関与しているのかを突き止め、その特定の遺伝子を事前に調べることで、新しい家族を探している人のもとへ、クリアな子犬や子猫を確実に届けたい。


今のところ治療も予防もできない、DMのような遺伝病に苦しむどうぶつさんを少しでも減らすには、たとえ時間がかかっても、これが唯一で最善の策だと、アニコムは考えています。


※遺伝子検査
特定の遺伝子のDNAの配列(塩基配列)を読み解くことにより、発症する病気に関わる変異の有無を判断するもの


記念すべき「クリアなコーギー」第一号、元気に成長中!

【男の子】

コーギーの男の赤ちゃん コーギーの男の赤ちゃん コーギーの男の赤ちゃん

【女の子】

コーギーの女の赤ちゃん コーギーの女の赤ちゃん コーギーの女の赤ちゃん

この取り組みの第一歩として、アニコム先進医療研究所株式会社の遺伝子検査を受けたDMフリーのお母さんコーギー・ペンブロークが、3月3日に赤ちゃんを産みました。お父さんもまた、遺伝子検査済みのDMフリーのコーギー・ペンブロークです。


そう、つまり初の「クリアなコーギー」が、産まれたのです! 男の子1頭、女の子1頭の双子ちゃんです。


お母さん犬は出産後、身体がまだしんどいはずなのに、かいがいしく子犬たちのお世話をしているとか。2頭はまだ目も開いていない状態ですが、そんな優しいお母さんに見守られながら、日々すくすくと順調に育っているそうです。


この2頭を皮切りに、「クリアなコーギー」を増やしていくアニコムのチャレンジは、まだまだ続きます。


2頭の成長の様子や新たな子犬の誕生などなど、今後も新しい展開があればご紹介していく予定です。ご期待ください!


遺伝病フリーの子をお探しなら「ハローべいびぃ」へ

ハローべいびぃ


アニコム損害保険株式会社が運営する、どうぶつさんと飼い主さんのマッチングサイト「ハローべいびぃ」では、犬種・猫種ごとに、発症が考えられる特定の遺伝病について検査を実施しており、DMも検査対象のひとつになっています。


新しい家族のお迎えを考えている方、すぐにではないけどいつかワンちゃん、ネコちゃんと暮らしたいと願っている方、ぜひ遊びに来てください。


あなたの運命の子が、待っているかもしれませんよ!


【関連リンク】
どうぶつ親子手帳「変性性脊髄症」
子犬子猫を全国のペットショップから探せる ハローべいびぃ

【どうぶつの病気に関するデータを公開】

みんなのどうぶつ病気大百科

アニコム損保が保有する世界最大規模の診療データをもとに、品種別・年齢別・性別のかかりやすい病気や、診療費の目安、平均通院回数などの統計データを調べることができるサイトです。犬・猫だけでなく、鳥・うさぎ・フェレットのデータも公開しています(※)。

(※)鳥・うさぎ・フェレットは年齢別・性別のみ検索可能

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コメント8

ピースの母さん

10歳でDMを発症、現在13歳のピースの家族です。
ピースはとにかく元気で散歩が大好きでした。後ろ足が麻痺してからも車椅子を使って元気に散歩していました。しかし同じ所に荷重がかかるので発赤、びらんを繰り返し、入院することも。車椅子に乗れない時間も増えて行きました。ストレスで手足の先を噛んだり、見ていて辛かったです。
後ろ足の麻痺だけという期間が長かったのでこのまま天命を全うできればと願っていましたが先月頃から麻痺が前足に来て。今では寝た切りです。ここ2週間はお腹の呼吸のステージまで進んでしまいました。尿はかなり前から圧迫しないと出ません。呼吸が苦しそうなので酸素濃縮の機械を用意しました。共働きで昼間は誰も見れないため、老犬ホームにお世話になっています。本当によくみていただいています。DMの研究をされている大学の検体も考えましたがコロナで中止されています。どんな生き物にも最期はやってきますが元気なうちに動けなくなるようなものは避けられるなら避けてあげたいです。クリアなコーギー 、賛否両論があると思いますが、DMコーギーを実際に見た立場からは応援したいです。先日、急変覚悟でバギーで散歩に連れ出しました。久々に笑顔を見せてくれました。DMと戦っている家族のみなさん、頑張りましょうね。

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コギさん

コーギーを13歳で亡くして早3年が経とうとしてます。
生前検査はできない為、病院ではDMだろうとはっきりしない診断。
もしDMだったとしても治療法がないため、何もできない自分を責めました。
症状が後ろ足だけの時は、まだまだ元気で、引きずってでも歩いてましたが、進行が進むにつれ、歩こうとしませんでした。あんなに元気に走り回って、ニコニコな顔でこっちを見る事がなくなった事に何回も泣きました。
食欲旺盛だったのに食も細くなり、MAX13kg→8kgまで落ちました。
排泄も自分でできない為、オムツをしましたが、腹ばいで動こうとするのでズリ落ちて結局脱げてました。
玄関にいた為、帰宅すると毎日掃除です。全然苦じゃなかった!排泄のあるうちはまだまだ元気だ!と自分に言い聞かせてました。
うんちが出せない為、ちょっとだけ出てるうんちを引っ張って出してました。
その時はスッキリしたーーって顔をしてたと旦那は言ってました。私はオシリ側なので見えなかった(泣)
形のあるうんちも液状になり、水も飲まなくなって隅っこでオシリだけ出してる事が増えました。もぅ近いのかな…と思った夜中に胸騒ぎがして、見に行ったら、体温がすごく低くなってて【触っただけでわかりました】名前を呼んでも、うつろな目で反応も薄く、頑張ったねぇ頑張ったねぇと声をかけてて、旦那を起こし、最後を看取りました。
本当に最後は苦しそうでした。
こんな最後ならコーギーはもぅ絶対飼わない!と決めました。
だけど、クリアな子が増える事を祈ります。
あんな可哀想な最後は本当に可哀想で見てられません。
長々とすみませんでした。
3年経とうと言うのに、泣きながら今打ちこんでました。

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momoさん

うちのコーギーは15歳で、元気です。つい最近初めてヘルニアになりましたが、回復がみられ、来月から散歩が解禁になりそうです。まだ若いのにDM発症や様々な病で苦しむコーギーを見るととても悲しくなります。こんなに賢くてかわいいコーギーが悪徳ブリーダーにより遺伝子操作をされて被害が拡大していることが許せません。うちのコーギーは体もしっかりしていますが、最近の若いコーギーは体も小型化しているように思います。これも人間の都合で小型化しているのでしょうか・・・これ以上被害が拡大しないように、対策が必要だと思います。

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gonnさん

DMになり、まる一年です。今はまだ車イスで走る事も出来ますが
後ろ左足が麻痺しています。せめてこの状態を長引かせたいとリハビリ頑張ってます。
こんな仔が増えないよう、そして治す事が出来るようになる事祈ってます

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