2017.11.28
ちょっとケージの模様替えをしただけ、ちょっと寒かっただけ、ちょっとおやつをあげただけ…。いろんなきっかけで体調を崩しやすいうさぎさんの飼い主さんに朗報です! うんちを調べるだけで病気になる前のサインがわかるかもしれません。
アニコム損保の調べでは、どうぶつ種ごとに腸内フローラに特徴があることがわかっています。
その中でも、うさぎさんには、健康状態や年齢によって牧草などの繊維を分解する細菌に特徴的なバランスがあるようです。
盲腸便を作り、食べて栄養を補ううさぎさん
うさぎさんは他の草食どうぶつ(馬、モルモットなど)に比べて繊維から得られるエネルギー量が少ないため、盲腸便を食べることで栄養を補っています。もぐもぐとお口に入った牧草は、消化管の中で荒い繊維と細かい繊維に分離され、コロコロの丸い通常便と発酵により栄養分を含んだ盲腸便に生まれ変わります。
盲腸便は、お尻に口をつけて肛門から直接食べるので見かける飼い主さんは少ないかもしれません。もし、盲腸便の食べ残しが多いなら何か理由があるのかも?!
牧草などの繊維の分解(発酵)を担う腸内フローラ
一方、盲腸便づくりに不可欠なのがうさぎさんの腸内に生息している「腸内フローラ」です。腸内フローラとは、その名のとおり腸内に住んでいる何百種類もの細菌をお花畑に例えた名称です。この腸内フローラのなかで「繊維を分解する細菌」がワンちゃんやネコちゃんでは1割以下に対し、うさぎさんは2割以上を占めます。
若齢期→アダルト期→シニア期と年齢や食生活・環境などによって腸内フローラは変化するため、この細菌達も増えたり減ったりします。
うさぎさんにとって、健康な腸内はどんなバランス?
参照:2017年11月15日掲載 健康寿命延伸の取り組み 「うさぎの腸内フローラ」より
今回の調査では、繊維を分解する細菌の割合が20~25%のうさぎさんは保険金の請求率が低い(健康状態が相対的に良い)という結果が得られました。この細菌の割合を、適切なバランスに保つにはどうすればいいのかは今後の研究課題です。ただ、この細菌が腸内にたくさん住まうようにするには、食事や環境を見直すことが重要なのは間違いなさそうです。
アニコムでは、引き続き腸内フローラの研究を行い、うさぎさんが繊維分解菌をどのくらい持っているのか、それによって腸内健康年齢は何歳なのか、お示しできるよう準備を進めております。準備ができましたら、あらためてお知らせいたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。
記事:アニコムうさぎチーム
写真提供:(上から)スピカちゃん、ちゃちゃまるちゃん、もふまるちゃん
イラスト:野村暁子