by 編集部 2020.07.15
新型コロナウイルスに感染した方のペットをお預かりする「#stayanicom」プロジェクトが稼働し、実際にお預かりを始めています。今回は、お預かりしているシロちゃん(犬/仮名/若齢)が、お預かり施設に到着するまでとお預かり後の様子をお伝えします。
※当該飼い主さまからは、本記事の公開についてご了承いただいております。プライバシーにご配慮いただき、無用な特定や詮索は、くれぐれもお控えくださいますようお願いいたします。
■急な入院で、犬が家でひとりに…。
某日の夜、「急きょ、自分が肺炎で入院することとなり、家で犬がひとりになってしまう」旨のご登録(お申込みフォームへの登録)がありました。翌朝、お電話で状況をお聞きした結果、既に夜のうちに飼い主さまは入院しており、飼育するシロちゃんが家でひとりになっているとのこと。ほかにお預かりしてくれる人を探したり、毎日のお世話をしてくれる人を探せるような状況ではありませんでした。
■預かりセンターまでの移送に向けて出発
▲本社から出発する移送用車両
急な入院であったため、お預かり施設(ステイアニコム預かりセンター)まで、シロちゃんを車で移送してくれる方を探すこともできない状況でした。幸い、アニコム本社とも、そう遠くない場所にお住まいの方であったため、当社社員がお迎えにあがり、防護を徹底したうえで、施設まで移送を代行することとなりました。
▲お引渡し場所に向かうスタッフ
■ご自宅近くでの引渡し
飼い主さまのご自宅近くでは、飼い主さまからカギを受け取ったご友人が、シロちゃんを引渡しに来てくださいました。ご友人には、飼い主さまご自宅内での滞在は最小限にしていただき、マスク・手袋・換気をしながら、作業いただくようにお願いしています。
▲「責任をもって、お預かりします」と全員でご挨拶し、シロちゃんを車へ
周囲に迷惑のかからない場所を選び、当社が用意したクレートでお引渡しいただきました。車に乗せる前に、クレート外部を消毒し、手袋も破棄します。ご友人も、手洗い・消毒を徹底いただき、引渡しは完了です。
■移送中は窓を開けて、換気しながら
▲搬送中は、窓を全開にして換気に注意する
ステイアニコム預かりセンターまで運転し、シロちゃんを移送します。走行中は、窓を開けて動物・人の双方が密にならないよう注意します。もちろん、安全運転で。
▲途中、車内の温度を何度もチェック
ラゲージルームと運転席はビニールシートで区切っているため、途中で何度も後部の車内温度が上がっていないか確かめます。幸い、この日は気温が低く、高温にはなりませんでしたが、夏になる前には工夫が必要です。
■預かりスタッフへの引き渡しも、慎重に
▲移送者が中央に置いたクレートを、預かりスタッフが持って運ぶところ
預かりセンターに到着したら、シロちゃんを預かりスタッフに預けます。念のため、移送したスタッフと預かりスタッフの接触も避けるようにします。それぞれ5mほど離れられる中央にクレートを置き、それを(獣医師を中心とする)預かりメンバーが取りに行くかたちで行います。
■預かり後は、まず隔離室へ
▲導線はすべて一方通行。各ゾーンを分けて預かりを行います
施設内は、到着直後に入る隔離室(検疫室)、検疫後の子が入る広い大部屋、検査や休憩のできるスタッフエリアに分かれています。まずは、シロちゃんも隔離室に入るため、獣医師が運びます。
▲おりこうに検査をさせてくれて、よしよし
隔離室では、許容してくれる子に対して、新型コロナウイルスのPCR検査を行います。シロちゃんはとてもお利口に喉の奥から採材させてくれましたが、全員にできるわけではなさそうです。採材後は、同施設のグリーンゾーン内にあるラボで、検査を行います。
▲同施設内にあるラボでの検査の様子。奥の機器で、動物用のPCR検査を行います(BSL2)
■ごはんもしっかり食べてくれて、元気いっぱい。
▲おなかいっぱいご飯をたべて、笑顔
翌日は元気いっぱい! 初日はごはんを少しだけ残していましたが、翌朝はペロリと食べてくれました。環境が変わると、しばらく食事がのどを通らない子も多いですが、シロちゃんはすぐに慣れてくれたようで安心しました。
■預かり室は広々ですが、密を避けるために頭数は限定
▲預かり室内。クレートが映っていますが、実際は左下のようなサークルでお預かりします
隔離室での検疫プロセスが終わると、預かり室に移動します。ここもすべて一方通行とし、一度入ったドアからは出ず、その導線は外の消毒スペースに繋がっています。サークルとサークルの間隔は1.5m。できる限りのパーソナルスペースを確保しています。床は水が流せるように塗装されているので、ひどく汚染した際は、室内全体を、消毒液で洗浄することができます。また、写真は事前に撮影したもので、窓を閉め切っていますが、頻繁に換気を行うようにしています。
1日3回、ごはんと運動のためにスタッフが入り、その際にサークル内外の清掃と消毒を行います。少し殺風景な部屋ですが、もっと楽しく過ごせるようにも工夫していきたいと思っています。
■PCR検査結果は陰性で一安心!
シロちゃんのPCR検査は陰性でした! これで一安心。お部屋も移動して、スタッフとおもちゃなどで遊ぶシロちゃんの様子をお伝えします♪
■シロちゃんは、とっても元気!
▲預かり室内で、元気に遊ぶシロちゃん
検査の結果、陰性と判断されたシロちゃんは、広めの預かり室へ。感染防御と同じくらいどうぶつとのコミュニケーションを大事にして、預かりを行っています。シロちゃんは、元気いっぱいにスタッフと遊んでくれています。こうした様子は、毎日1回、飼い主さまにもお届けしています。少しでも、わが子を見て元気を出していただき、一日も早く健康を取り戻して、シロちゃんがおうちに帰れるよう心から祈っています。
■施設を出て、動物病院へお引越し
最初のPCR検査から一週間後の検査でも陰性が続いたので、シロちゃんはアニコムグループが運営する動物病院へお引越ししました。 飼い主さまの体調が万全となるまで、責任をもってお預かりいたします。
■動物病院ではお散歩にも♪
先日、動物病院へお引越しをしたシロちゃんは、久しぶりのお外での散歩を楽しんでくれています。
■シロちゃんが、飼い主さまと一緒にお家に帰りました!
2週間以上にわたってお預かりしていたシロちゃんですが、先日無事に退院された飼い主さまと一緒にお家に帰ることができました!
シロちゃんは、アニコムグループが運営している動物病院でお預かりしていましたので、飼い主さまにお迎えに来ていただきました。
飼い主さまの姿の姿を見た瞬間、シロちゃんが猛ダッシュ!ぴったりとくっついて、甘えた表情に。
その姿を見て、現場スタッフも安心し、涙が溢れました。飼い主さまの入院が決まってから十数日、きっと寂しい想いもたくさんしたね。もう安心して大丈夫だよ!
さいごに
シロちゃんの他にも、多数のペットをお預かりしています。シロちゃんのように、すでに飼い主さまと一緒にお家に帰ることができた子もいれば、まだ施設でお預かりしている子もいます。引き続き、ペットと飼い主さまのために当社ができることを続けてまいります。
※本記事でご紹介している情報は、いずれも飼い主さまに承諾を得て掲載しています。またいずれもすでに退院された方々のため、最新の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
アニコムスタッフ
うめママ様
コメントありがとうございます。
現在お預かりを実施している施設は関東近郊のみと
なっております。関東以外の飼い主のみなさまには、
私共の力不足でなかなかお役に立つことができず、
申し訳ございません。
まずは飼い主さまの感染予防につとめていただければと
思います。どうぞお気をつけてお過ごしください。
うめママさん
素晴らしい取り組み、さすがアニコムさんですね。
うちのワンコは我が家に迎えてすぐに加入し、それ以来お世話になっています。
現在、関東圏のみとの事ですが東海地方に範囲を広げる予定はないですか?
それから、鍵を預けるなど受け渡しを頼む人も居ない場合どうしたら良いですか?
アニコムスタッフ
よしみん様
お問い合わせありがとうございます。
現在、お預かりできる施設は関東のみとなっております。
お力になれず申し訳ありません。
自治体や動物病院、ペットホテルなどでも
預かってもらえる場所があるはずですので、
万が一に備えて、探しておいていただければと存じます。
何事もないのが一番ではございますので、どうぞお大事にお過ごしください。
ステイアニコムクルー
アニコムスタッフ
ココ様
お問い合わせありがとうございます。
現在、お預かりできる施設は関東のみとなっております。
お力になれず申し訳ありません。
自治体や動物病院、ペットホテルなどでも
預かってもらえる場所があるはずですので、
万が一に備えて、探しておいていただければと存じます。
何事もないのが一番ではございますので、どうぞお大事にお過ごしください。
ステイアニコムクルー
ココさん
素晴らしい対応ですね、北海道、札幌近郊でももしもの時はこちらの対応を受けることは可能なんでしょうか?
よしみんさん
アニコムにはワンコ3頭入ってます。三重県に住んでますが、万が一コロナ感染した場合には、関東地方だけですか?こちらの地域には預かり場所はありませんか?
タマさん
御回答頂きましてありがとうございます。
飼い主やペットに寄り添うお考えを御検討頂き、ありがとうございます。
何事もない事が一番ですが、誰もが万が一の可能性がある中で、とても社会的意義が高い取組ですね。
アニコムスタッフ
タマ様
ご確認ありがとうございます。
施設の状況にもよりますが、
インコさんのお預かり対応も検討いたします。
また、どうしても移送者が見つからなかった場合は、
当社がお手伝いいたします。
お申込みいただいた際に、
ご相談の上、決めていければ幸いです。
どうぞお大事にお過ごしください。
タマさん
早々に御回答頂きましてありがとうございます。
「訪問ペットケア」、こちらも素晴らしい取り組みですね。
しかも、全ての動物に対して、幅広い地域で御対応とのことで、本当にありがとうございます。
なお、「預かり制度」ですが、よく読んでみると、「預かり施設へのペットの移送」は原則、飼い主の知人等にお願いをするんですね。
その上で、移送者が見つからない場合は、関東圏に限りアニコム様が移送のお手伝いをして頂けると書かれておりました。
ちなみに、私は東京都内に住んでおりまして、その場合はインコ・オウムの「預かり制度」も御対応をしているのでしょうか。
また、仮に移送者が見つけられない場合は、お手伝いを頂くことは可能なのでしょうか。
何事もない事が一番ですが、万が一の場合について、教えて頂ければ幸いです。
アニコムスタッフ
タマ様
お問い合わせありがとうございます。
すべてのどうぶつ種を対象に、訪問ペットケアを開始いたしました。
地域や施設の状況によってはインコさんのお預かりが難しい場合もございますので、
訪問ペットケアをご検討いただければ幸いです。
▶https://mag.anicom-sompo.co.jp/12704
万が一の際は、問い合わせフォームにご登録いただければと存じます。
何事もないのが一番ではございますので、どうぞお大事にお過ごしください。
ステイアニコムクルー
タマさん
大変素晴らしい取り組み、本当にありがとうございます。
そして、御対応を頂いております、皆様に心から感謝申しあげます。
ところで、私はインコを飼っているのですが、万が一感染してしまった場合、ペットお預かりプロジェクトにおいて、インコ・オウムの御対応をお願いすることができるのでしょうか。
教えて頂ければ幸いです。
まさこさん
コロナ予防は自分ではなく犬の為と頑張っています。もしもこのプロジェクトが始動していなかったら、仮に感染しても犬の世話をする為に隠してしまったかもしれません。
シロちゃんの記事に安堵の涙しました。只、濃厚接触でなく犬の移送を託せる知人を探すだけでも難しいのに、やっと見つけた依頼先にあれだけの必要品を短時間で準備して貰うのは(入手困難な品も多く)不可能に近いのではないでしょうか。飼い主が準備しておいてもいざ決まった知人に渡すのも駄目なようです。
資材も移送も有償で構いません、貴社に委託する事は出来ませんか?
少なくとも貴保険加入者はペットの安全の為なら有償も厭わないと思います。少なくとも私は身を削ってでも犬の為に費用を捻出します。その覚悟があるからこそ犬を飼い始めました。
善意スタートのプロジェクトとは理解していますが、膨れ上がるであろう依頼の為にも。
経費だけとは言わず、ビジネスでも構いません。是非有償でお任せ出来る方向もご検討下さい。
ちえこさん
赤江珠緒さんの子供の保護と同じく、ペットの保護も切実な問題です。
感染時の飼い主の安心感が違います。
是非、この取り組みを全国の地域でお願いいたします。
ちえこさん
赤江珠緒さんの子供の保護と同じくペットの保護も切実な問題です。
この取り組みを広く全国で行い、感染時の支援をしていただけたら、飼い主
の安心感が全く違います。
是非、お願いいたします。