2020.01.28
▲(レック・2才・男の子)
わが家には、2頭の猫ちゃんがいます。
ミュウちゃん(12才・女の子)と、レックちゃん(2才・男の子)です。5年前は4頭のネコちゃんと暮らしていた猫大好き一家です。
今回は、2年前にお星さまになったエルちゃん(享年13才・男の子)のお話です。
こんなに多い?猫ちゃんの膀胱炎
皆さまも、猫ちゃんが泌尿器の病気にかかりやすいと聞いたことがあるのではないでしょうか。今回は、中でも一番多い「膀胱炎」についてお伝えします。
膀胱炎は、罹ったことのある頭数が約6,000頭と2番目に多いうえに、通院の回数も平均3回と、再発を繰り返す猫ちゃんが多いのです。実は、エルちゃん、私たち家族の知識不足が原因で、膀胱炎にかかってしまい、とても苦しい思いをさせてしまいました。
そこで、同じように膀胱炎になってつらい思いをする飼い主様と猫ちゃんを減らすべく、飼い主様ができる膀胱炎の予防対策をご紹介しようと思います!
膀胱炎とは?
▲(さぶろう・7才・男の子)
膀胱に炎症が起こることが原因となり、血尿、頻尿、排尿時の痛みなどの症状が見られる病気です。猫ちゃんの膀胱炎は原因によって2つに分けられます。
1.細菌性膀胱炎
人やワンちゃんに多く見られ、ブドウ球菌や大腸菌等の細菌感染が原因
2.特発性膀胱炎
猫ちゃんに多く見られ、明らかな原因の特定が難しい。ストレスが要因
男女別にみると、尿道が細い男の子のほうが膀胱炎にかかりやすいといわれています。
膀胱炎の症状
膀胱炎の症状にはいくつかありますが、この2つの症状がみられる場合には膀胱炎の可能性があります。
1.おしっこ
回数が増える、1回の量が少ない、色が濃い、臭いが強い、トイレを失敗する、排尿姿勢をとってからおしっこがでるまで時間がかかる、血尿がでる、など
2.体調
ぐったりしていて元気がない、熱がある、食欲がない、水をたくさん飲む、陰部をしきりに舐める、など
炎症が激しくなると、膀胱に尿がたまり、腎不全や尿毒症を引き起こし、最悪の場合は、体温の低下などを引き起こし、命にかかわることもあります。
そのため、少しでも変化に気づいたら、動物病院を受診することをおすすめします。
治療と費用
細菌性膀胱炎の治療は、原因となる細菌感染を抑える抗生剤などを投与し、検査等を行いながら治療をしていきます。
一方で、猫ちゃんに多い突発性膀胱炎の場合は、原因の特定が難しいため、原因を除去する治療ができず、抗炎症剤や鎮痛剤などの対症療法となります。
また膀胱炎になると、尿検査をするケースが多く、検査費用は平均1,000~2,000円くらいです。診察料や注射料金、療法食なども必要な場合は10,000円以上かかり、猫ちゃんだけでなく飼い主さんも辛い思いをしてしまいます。
膀胱炎はどう防げばよいの?
▲(まめた・0才・男の子)
突発性膀胱炎になってしまうと対症療法が中心となりますが、まずは膀胱炎にならないように、ストレス要因となる環境を整えてあげることが大切です。今回はお家でできる3つの予防方法をご紹介します。
1.ストレスの除去
猫ちゃんのストレスの要因は、トイレ環境、多頭飼育、食事、音、家族の変化など様々です。何かストレスを感じている様子があれば原因となることを取り除いてあげましょう。お気に入りの爪とぎを用意したり、遊んであげたりしてストレスを発散させたり、身を隠すことができる場所を確保して、穏やかに生活できる環境を整えてあげることも必要です。
2.トイレ環境の見直し
猫ちゃんはきれい好きで、トイレ環境に神経質な子が多いので、以下のように、排尿しやすいトイレ環境を用意してあげましょう。
・トイレの数はお家にいる猫ちゃんの数+1個、留守の多いお家ではそれ以上
・大きさは猫ちゃんの体長の1.5倍くらい
・形は屋根や扉がない開放的なトイレ
・場所は暑くも寒くもなく落ち着いてできるところ
猫ちゃんはトイレとごはんを食べる場所を別にする習性があるので、
ごはんの場所とは離してあげましょう。
3.水とごはんの見直し
膀胱炎を予防するもう一つの方法として、おしっこが膀胱内に長時間留まらないようにすることも重要なポイントとなります。そこで、たくさん水を飲んで頻繁に尿をすることが必要です。嗜好性が強く、あまり水を飲んでくれない猫ちゃんに対しては、以下のことも気を付けてみてください。
・水を綺麗に保つ
・水飲み場を複数箇所用意する
・流れる水に変えてみる
・冷たすぎない飲みやすい温度にする
それでも水をたくさん飲んでくれないという場合には、ドライフードをふやかしてみたり、ウェットに替えてみるなど、ごはんからも水分を取れるよう工夫してみましょう。
膀胱炎知らず!アニコム社員山越さんのお家
3頭の猫ちゃん(しゅらちゃん・4才、りんちゃん・4才、のえるちゃん・1才)と暮らしているにもかかわらず、どの子も膀胱炎になったことがない、猫大好きアニコム社員山越さんのトイレの工夫をご紹介します!
意識している点は3つ。
「ちょうど良い明るさ・開放感・清潔さ」
3頭の猫ちゃんの性格を考慮し、お部屋の隅のほうにトイレを設置して、3頭が好む三拍子揃ったトイレを心掛けているため、猫ちゃんが好むトイレの環境が整っているようです。
他の飼い主さまはどうしてる?
アニコムが猫ちゃんの飼い主さんにアンケートを行った「nekokusei(ねこくせい)調査」では、飼育環境と膀胱炎に関しても調べました。
その中で、皆様が行っている、猫ちゃんの飼育環境についての工夫をご紹介します。
まずはトイレについての工夫です。
このように、トイレに関しては多くの方が気にかけています。
トイレ砂の素材にも猫ちゃんの好みがあるので、気を付けているようです。
続いてはお水についての工夫です。
こまめに取り換えている方は多いですが、設置数や温度まで工夫している方はまだ少ないようですね。
こまめに取り換えるのはもちろん、その他の工夫をすることで、膀胱炎の予防にもつなげることができるでしょう。
▲(ルナ・0才・女の子)
エルちゃんが膀胱炎にかかってしまった時、私は猫ちゃん4頭と暮らしていましたが、トイレは4つしか置いていませんでした。
また家族全員で家を空ける時間が長く、4頭の様子をしっかりと見られていませんでした。
その結果、一番神経質だったエルちゃんが膀胱炎になってしまい、病院では、いろいろなストレスが重なってしまったのでしょうと言われました。
それ以降、この子たちのことを考え、遊んであげたり、トイレの数を増やしたり、水回りの環境を考えてあげるようになりました。
エルちゃんのようにトイレで辛そうにする猫ちゃんが1頭でも減るよう愛する猫ちゃんの様子を見て、生活環境を整えてあげてください。
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【関連リンク】
アニコムスタッフ
ふうにゃ様
ご指摘、ありがとうございました。
修正させていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。
ふうにゃさん
対処療法じゃなくて対症療法じゃないでしょうか?
色んな方が参考にされる記事なので用語を間違えるとみんな間違って覚えてしまいます(T_T)