2017.04.07
ネコちゃんのご家族なら、避けては通れないキーワードが「腎臓病」。今回は、その腎臓病についてご紹介します。
1.ネコちゃんは砂漠がルーツ
ネコちゃんは、もともと砂漠地方が出生ルーツ。水が少ない状況でも、効率的に水分を利用できるように進化してきました。「効率的な水分利用」、その機能を担っているのが「腎臓」です。
2.腎臓は、からだの浄水場
腎臓は、血液を「リサイクルするもの」と「捨てるもの」に分け、捨てるものを「尿」として体外へ排出しています。砂漠で生き抜いてきたネコちゃんの腎機能は優秀この上ないのですが、一方で、腎臓ががんばりすぎてバテやすい特徴があります。これが、ネコちゃんに腎臓病が多い原因のひとつと考えられています。
3.7歳超えたら要注意
医療の発展に伴い、ネコちゃんたちの寿命も延びました。しかし、高齢になるほど腎臓病のリスクは上がります。12歳以上では、約17%のネコちゃんが腎臓病と闘っています。3歳を超えたらやや注意、7歳を超えたら要注意です。
4.治療よりも大事なこと
腎臓病は腎臓自体がダメージを受けて機能しなくなる病気です。一度壊れてしまった腎臓は再生しない、つまり治りません。よって、それ以上悪くならないように治療を行います。腎臓病でなによりも大切なのは早めに気づき、腎臓のダメージが小さいうちに病気の進行を食い止めることです。
5.「多飲多尿」を知っておこう
腎臓の働きが落ちてくると、本来からだに必要な水分でも、尿として排出してしまう症状があらわれます(多尿)。このため、からだ全体では脱水が進み、異常に水を飲むようになります(多飲)。1日の飲水量が体重(kg)×80ml以上を飲むようであると、多飲といえるかもしれません。朝に入れた容器の水が、夜にどれだけ減ったかを計量カップで測ってみるなど、飲水量が増えていないかをチェックしましょう。
※水を制限するのはNGです。
6.病院嫌いな子には、尿検査がオススメ
腎臓病は、とにもかくにも尿検査をすることが大切。尿検査だけであれば、病院で検査紙をもらい、自宅で手軽に行うことができます。尿検査に加えて、年に1回くらいは病院での健康診断をしておきたいところですね。腎臓病は早期に発見できれば、うまくコントロールしてつきあうことが可能な病気です。ぜひ定期的な検査を心掛けてください。
7.予防法は、生活習慣
残念ながら、 腎臓病の完ぺきな予防法はありません。しかし、生活習慣でリスクを下げることは可能です。具体的には、まずは普段から十分にお水を飲ませてあげること。水飲み用の容器はひとつではなく、何個か置いておきましょう。
また、適切な食事も大切です。例えば、健康診断で腎臓病に要注意という結果が出たら、塩分控えめのフードに切り替えるとよいでしょう。適切な量で肥満にも気をつけるとGOOD。ネコちゃんの良い生活習慣をつくるのは、ご家族の役目です。
※フードの選択は、獣医師とご相談ください。