【私のwithlist ①】ランディの場合

by 小川篤志(獣医師) 2018.06.07

ペット保険のアニコム損保は、5月22日から「#withlist ~さよならまでにキミとやりたい3つのこと」というキャンペーンを始めました。寿命の短いペットとともに暮らす中で、悔いなく楽しい思い出を増やすことを目的としています。


アニコムLINE公式アカウントの中で、3つのやりたいこと(夢)と、一枚の写真を送ると、デザインされたwithlist(ウィズリスト)の画像が生成できるという仕組み。キャンペーン開始後、わずか1週間で1,000枚を超えるwithlistが集まりました。


アニコムには、無類のどうぶつ好きが集まっています。多くの社員がみなさんと同じく、どうぶつと暮らし、愛し、そして見送った経験を持っています。


そこでこの企画では、僭越ながら、私たちアニコム社員がいち“どうぶつ好き”として作成した「withlist」をリレー形式で公開いたします。ご自身の3つの願いはなんだろう?と考えるきっかけになれば、うれしいです。




わたしのwithlistは、かつての愛犬ランディとのリストです。数年前に、彼は亡くなってしまいましたが、そんなランディとの思い出をもとに、「わたしのwithlist」をつくりました。


かつての愛犬、名前はランディといいます。当時は、まだそれほど多くなかったミニチュア・ダックスフンドでした。


家に連れて帰ってきたときのあの喜びは忘れられません。嬉しすぎて幸せすぎて、中学生にもなって、涙が出たのを覚えています。


ランディは、猫のことが異様に好きでした。人より猫。犬より猫。三度の飯よりも猫が好きな、変わった犬でした。散歩中、野良猫が見えたものなら、急に目の色を変え、リードがちぎれそうなほど走りだそうとします。いたずら好きだった私は、しばしば、猫の鳴きまねをしながら、腕に子猫を抱えたふりをし「猫ちゃん、猫ちゃん、ニャー」と一人芝居をし、キャンキャン鳴いて足にすがるランディの姿を見て楽しんだものです。


また、ランディは、よく言えば甘えん坊、悪く言えば、(かなりの)やきもち妬きでした。母が弟にヨシヨシする姿を見かけると、母の膝の上にすべりこみ、しっぽを全力で振ってアピールしながらヒンヒンと鳴くのです。それは、ぬいぐるみでさえ同じ。ある時など、赤ん坊をあやしながら歩く見知らぬ母親の女性を見て、勝手にやきもちを妬いていたこともありました。そんなことも、私は可笑しくてたまらなかったのです。




私は、いつしか獣医師を目指すようになっていました。時折、親に連れて行かれた動物病院で、熱心に診察する獣医師の先生たちを見て、心を動かされたからです。


大学へ入学すると、一人暮らしを始めたりして、大学生活も楽しくなり、次第にランディとも疎遠になり始めました。その頃は、ランディに対する想いも、前に比べ、減っていってしまっていたような気もします。




ランディが6歳になったころ、椎間板ヘルニアという病気を起こしました。椎間板ヘルニアには、重症度のグレードが1~5までありますが、ランディは、もっとも重症度が高い「5」でした。幸い、手術はうまくいき、ランディは、また歩けるようになりました。


数年後、椎間板ヘルニアを再発しました。また手術をしたものの、元通りとはならず、以降、常に後ろ足をふらつかせながら歩くようになりました。ほかにもあります。小型犬には珍しい胃拡張胃捻転症候群や、未去勢オス特有の会陰ヘルニアという病気も起こしました。後年は歯も悪く、抜歯や歯石除去も何回かしました。結局、何度手術をしたことか、それでもランディは、いつも回復してくれました。




ランディが、14歳になった頃、私は、動物救急病院で働いていました。ある日の夜中、「ランディが死にそうだ」という母からの連絡を受けました。すぐに病院に連れてきてもらうと、確かに、ランディは重症でした。胆のうが破裂し、腹膜炎を併発しており、いつ死んでもおかしくない状況でした。


選択肢は、ふたつありました。ひとつは、状態から考えると賭けですが、手術。そして、もうひとつは、安楽死です。




苦しくて、のたうち回るランディを見て、母は、ふたつ目の選択肢を望みました。これまで何度も手術を乗り越え、老いたランディは、ただでさえボロボロでしたから、そう考えて当然だったと思います。


でも、私にはできませんでした。獣医師にとって、安楽死という処置ほどつらいものはありません。そんな処置を、自らランディに下すということが、どうしてもできませんでした。


私は、3つめの選択肢を採らせて欲しいと言いました。なるべく苦しませないように、自宅で看取るという方法です。


翌朝から、家で看病を始めました。栄養剤を混ぜた点滴をつなぎ、吐き気止めと痛み止めと抗生剤を日に何度も投与しました。治るはずもない、そんな対症療法を、何日も続けたのです。


ところが、ランディは死にませんでした。死なないどころか、徐々に良くなっていきました。2週間ほどすると、立ち上がろうとさえし始めました。結局、1ヶ月の後、ランディは、回復したのです。後にも先にも、あのような奇跡的な症例は見たことがありません。


そこから数年、よぼよぼと生きた後、ランディは眠るように旅立ちました。老衰でした。




「あの選択肢は、正しかったのか?」


たくさんのwithlistを見ていて、どうしても、そんな思いがよぎります。ランディが生きていたって叶うわけはありませんが、私はそれを聞いてみたかったと思います。




考えたくもありませんが、ペットと過ごせる時間は、思っているよりもずっと短いものです。いつか彼らと一緒にやりたいと思っていることをリストにしておくことで、限られた時間をもっと大切に過ごせるのではないでしょうか。想像を超える反響があったことは、その証なのだと思います。


ランディ、天国では猫とたわむれているかなぁ(笑)。


【関連リンク】
・「#withlist~さよならまでにキミとやりたい3つのこと」キャンペーンページ
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コメント1

ダックスのママさん

先住のダックスをガンで看取りました。ランディ君の病気の時の姿が重なり涙が溢れました。沢山の辛い治療をしましたが効果なく、亡くなってしまい今でももっと苦しまずに済む方法がなかったのか色々と後悔してしまいます。犬は辛い治療を受けてもこれが未来につながるとは考えられない。でも、あの時の私はもう一度元気になる希望を持って必死でした。それがあの子のためだったのではなく、自分の為だったのではないかと‥。また保護犬のダックスがいます。この子がこれからどうなるかわかりませんがどうか神さま、辛い想いをすることなく天寿をまっとうできることが私の唯一のウィッシュです。

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