2017.04.05
ワンちゃんと暮らす上で、大きな心配ごとのひとつに「誤飲」があります。どの子にも起きる可能性がある上、繰り返すことも多いこの事故。今回はそんな「誤飲」についてご紹介します。
1.5頭に1頭が、再犯経験アリ
「またやったのか!」そう叫びたい衝動を抑え、動物病院へ走ります。実に5頭に1頭が、誤飲事故を再発しています。飼い主さんはほとほと困りますが、いや、ちょっと待って。それ、そこに置いていた飼い主さん側の責任では…。
2.1回の治療費は、平均2万円
「しまった!」と思う時にはもう遅い。あなたの財布にあるお金は、もはやあなたのものではないかも知れません。1回の誤飲にかかる診療費は、平均2万円。手術などが必要になれば、平均12万円の診療費がかかることがわかっています。
3.誤飲事故の半数は0~1歳
誤飲を起こすワンちゃんのうち、実に51%が0~1歳の子犬です。興味しんしんの年頃ですから、全員が誤飲予備軍と言っても過言ではありません。
4.何をいつどのくらい食べたのか
例えばチョコレートでも、ミルクチョコもあればカカオ90%のビターチョコなど様々です。誤飲した場合は、必ずパッケージも持参して動物病院に行きましょう。また、誤飲してから何分経過しているかも重要です。時間が経つほど体内に吸収されるため、わかる場合は経過時間も記録しておきましょう。
5.取り出す方法は3通り
もし何かを誤飲したら、それを取り出す方法は3通り。
嘔吐
特殊な薬剤を使って、嘔吐させます。主に、毒物や小さくて丸い形状の異物のときに行われます。内視鏡
大きいものは無理ですが、小さいものや、尖ったもの(釣り針など)は内視鏡で取り出します。もちろん、全身麻酔が必要です。手術
大きなものや、すでに胃を通り過ぎて腸に流れてしまった異物に対して行われます。
どれもワンちゃんにとっては、負担が大きい対処法ですね。
6.さすがに、死ぬことはない?
そんなことはありません。例えば、大量のチョコレートやココア、カフェインを多量に含むサプリメント、ユリ科の植物、ソテツ、青ウメなどはかなり毒性が高いと言えます。他にもキシリトール入りのガムや、殺虫剤、タバコにも要注意です。おもちゃやヒモなども、腸閉塞を起こして死亡することがあります。
7.低い目線で探してみる
飼い主さんの目線の高さでは見つからない落し物も、ワンちゃんくらいの低い目線では見つかるかも? 這いつくばりながら、部屋中に睨みを利かせましょう。
8.「ちょうだい」と「くわえて」のしつけを
実際に、くわえてしまった時の対処法として、もっとも有効なのは「しつけ」です。おすわりやお手と同様に、普段から「ちょうだい」や「くわえて」のコマンド(指示)を教えておくと、まさかの時にも対処できるかもしれません。
9.お部屋の片づけで一石二鳥
お部屋はきれいですか? 何かを床に落としたままだったり、ワンちゃんが届く範囲に食べてはいけないものはありませんか? もし、思い当たる節があれば、これを機にお片付けを! お部屋もきれいで誤飲もさせない、一石二鳥の予防法です。
10.「何か変」と感じたら
誤飲の症状は、気持ち悪そうなしぐさや、嘔吐、息苦しそうな様子など、飲み込んだものによってもさまざまです。 心配な時は、まずは動物病院に行きましょう。誤飲していなければ安心、誤飲していれば早期発見が可能です。
本文中の各種データは、アニコム損保の保険金データをもとに掲載しています。