2017.10.30
セルトラスト・アニマル・セラピューティクス株式会社(以下:セルトラスト社)は、2017年2月から、乾性角結膜炎(KCS)と関節炎について臨床研究を開始しています。各KOL(Key Opinion Leader)の先生方と協働し、皮下脂肪由来の間葉系幹細胞(MSC)を用いた研究を行っています。
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臨床研究にはどうぶつと飼い主様のご協力が必要です
「臨床研究」とは、病気の原因や病態の解明、診断や予防法、新たな治療法や治療薬、医療機器の開発など、患者様の生活の質(QOL)の向上や健康を目的に、実際の医療現場で応用的に行われる医学研究のことです。今後のどうぶつ医療に活用できる確かな情報やエビデンスとするため、どうぶつと飼い主様のご協力をお願いしています。
ワンちゃんの乾性角結膜炎(KCS)とは
ワンちゃんの乾性角結膜炎(KCS)とは、涙の量が減少する自己免疫疾患です。涙の量が減ると、目の表面が乾き、結膜や角膜が炎症を起こしやすくなります。一般的な治療には、眼軟膏や点眼が使用されますが、長期間にわたる治療や管理が必要となります。また、中にはこれらの治療を行っても十分に効果が得られない場合もあります。
こうした従来の治療で改善が十分でない場合や、点眼治療が困難なワンちゃんでも、細胞治療で効果がみられる可能性があります。細胞のもつ炎症を抑える働きや、免疫バランスを調整する働きにより、涙の量の増加や、症状の改善が期待できるのです。
乾性角結膜炎(KCS)でお困りのワンちゃんと飼い主様へ。臨床研究の症例を募集しています
セルトラスト社では、さくら動物病院の横山篤司先生と協働し、乾性角結膜炎(KCS)に対して、皮下脂肪由来の間葉系幹細胞(MSC)を用いた臨床研究を行っています。現在、さくら動物病院、愛甲石田動物病院、動物再生医療センター病院の3病院にて臨床研究を実施しています。
症例研究の症例募集についてはこちらから
ワンちゃんの関節炎とは
ワンちゃんの関節炎とは、関節軟骨や滑膜の損傷による炎症から、痛みや跛行(足をひきずるようにして歩くこと)を引き起こす疾患です。原因はさまざまで、自己免疫の異常によるものや、ウイルス感染、他の病気に反応して起こるものなどがあります。
自己免疫の異常が原因の場合は、炎症の緩和、免疫バランスの調整を目的としてステロイドや免疫抑制剤を使って治療を行いますが、生涯投与が必要になったり、症状が再発してしまうことも多くあります。
細胞治療は、この自己免疫の異常による関節炎に対し、細胞のもつ免疫を調整する働きを利用して、関節の免疫バランスを整えたり、炎症を鎮めたりすることで、従来の治療薬を減らすことを目指しています。
関節炎でお困りのワンちゃんと飼い主様へ。臨床研究の症例を募集しています
セルトラスト社では、愛甲石田動物病院の田村勝利先生と協働し、関節炎に対して、皮下脂肪由来の間葉系幹細胞(MSC)を用いた臨床研究を行っています。現在、愛甲石田動物病院、動物再生医療センター病院の2病院にて臨床研究を実施しています。
症例研究の症例募集について詳しくはこちらから
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