ノミからワンちゃんを守るために知っておきたいこと

2020.10.16

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秋も深まってきた今日この頃、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
今日は、毎月予防するノミ・マダニ・フィラリアの中から、ノミの基礎知識についてお伝えします!
ノミに刺されてかゆい経験をされた飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?改めて、ノミ予防の大切さを確認しましょう!

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そもそも…ノミってどういういきものなの?

蚤

ノミと聞くと、なんだか言葉だけで全身がむずがゆくなってきてしまいますが、ノミが一体どんないきものなのかご存じですか?
ノミの特徴は、ずばり生き延びる能力の高さと産卵する数の多さ!

産卵から孵化までは約2日、幼虫がさなぎになるまでは約1週間、さなぎは1~2週間ほどで成虫になります。成虫は吸血の機会に恵まれなくても1週間は生き延びるといわれています。
また、成虫が一生に産卵する卵の数は100個以上といわれているため、生き延びたノミの成虫が大量の卵を産み、気が付いたらお家に大量のノミがいる!などという事態になる可能性があります。ノミの生命力がいかに強いのか、まずはおわかりいただけたでしょうか?

さらに特徴として、ノミは非常にジャンプ力の高いいきもので、自分の体の大きさの200倍近い高さまでジャンプできるといわれています。このジャンプ力でどうぶつや人に飛びついて寄生するというわけです。

日本には約80種のノミがいるといわれていますが、なかでもネコノミによる被害が多く報告されています。ネコノミのほかに、イヌノミによる被害もありますが、近年数が減ってきています。
ネコノミには「ネコ」の名前がついていますが、猫だけを吸血するわけではありません。ネコノミは、猫のほかにも犬・タヌキ・ネズミといったどうぶつや人間にも寄生して吸血します。また、イヌノミも犬のほかに、人間やいろいろな哺乳類、鳥類に寄生します。

知っておきたい!ノミが寄生するまで

ノミは一体どのように犬に寄生するのでしょうか?簡単に説明します。
① ノミ成虫が動物に飛びついて寄生する
② 動物の体表や毛にノミが産卵する
③ 卵が孵化する(一部の卵は動物の体から地面や床に落ち、そこで孵化する)
④ 幼虫は動物のフケや、ノミの成虫の糞などをエサに成長する
⑤ 幼虫がさなぎになる
⑥ さなぎが羽化して成虫になる
(以降①~⑥の繰り返し)

もしも、ノミを発見したら?

ワンちゃんにノミがついているのを発見した場合にノミをつぶすと、ノミの体内から寄生虫が出てくる可能性があるので、ノミ取り用のくしかノミ取り用のシャンプーを使って取るようにしましょう。ノミ取り用のくしで取れたノミはつぶさずに、洗剤などを溶かした容器に入れて処理し、速やかに獣医さんに相談してください。

また、ノミが発見できない場合でも、ワンちゃんの背中から腰の付近に、細かい黒い粒を見つけたら、ノミの糞である可能性が高いです。黒い粒をティッシュペーパーにのせ、水分を含ませて赤く血液がにじんだようになった場合は、ノミが寄生している可能性が高いので、速やかに獣医さんに相談してください。

ノミが活動しているのはいつ?

ノミは気温13℃以上で活動します。また、ノミが成長するためにもある程度の気温と湿度が必要です。そのため、夏場は成長が早く、数が増える傾向があります。気温が低くなると成長が遅くなり、約3℃になると死亡します。冬でも屋内は暖房で暖かいため、ノミにとっては1年を通して過ごしやすい環境といえます。また、気温や室温が低い場合でも、どうぶつの体やカーペットの奥、畳の奥など温かい場所に逃げ込んで生き残ることがあります。気温が下がったからといって、油断は禁物です。

なぜ予防が必要なの?

首を掻く犬

ノミ予防を行うのは、飼い主さんやワンちゃんが屋外から帰ってきた時に、ノミを持ち帰ってきてしまう可能性があるからです。
▶飼い主さんの靴や洋服についていたノミがワンちゃんに移動する
▶ワンちゃんの体についてお家に連れてきてしまう
また、そのほかに
▶お庭やベランダ、窓際で野良ネコなどと接触する
▶お家の中にネズミなどの野生動物が入り込んでしまっている
場合、野生動物からペットにノミが「お引越し」することも考えられます。
知らない間にお家にノミが入り込む可能性があるのは、ノミが活発に活動する夏場だけではありません。冬場でも暖かい場所にはノミが潜んでいることがあるので、1年を通して予防を行うことが大切です。

ノミって家の中ではどんなところにいるの?

ソファにのるコーギー

お家に侵入したノミは、ワンちゃんの体だけでなく、カーペットやソファ、クッション、畳の奥などに潜んでいます。また、こういった場所やワンちゃんがよく寝転ぶ所には、ワンちゃんの体からすべり落ちたノミの卵が落ちている可能性が高く、駆除しないとどんどんノミが増えてしまいます。そのため、ワンちゃんの体に付いたノミだけでなく、お家のノミを駆除することも重要です。飼い主さんがノミの被害にあうことも防げるので、ぜひお家のノミを駆除してくださいね。

お家のノミを駆除するには、
▶室内を念入りに掃除する
▶市販されている殺虫剤を利用する
といった方法があります。
市販されている殺虫剤を利用する際は、どうぶつのいる家庭で使ってよいものかを確認してから利用してください。
また、使用する前にはノミに有効かどうかのチェックをお忘れなく!さまざまなタイプの殺虫剤が市販されていますので、駆除したい場所や状況に合わせて利用してください。

ノミ予防薬の種類

薬を犬に与える

犬用のノミ予防薬は2種類あります。
体に垂らすタイプ:液体のお薬を首の後ろ側に垂らして使う
チュアブルタイプ:お肉のような風味のお薬を与える

どちらのタイプでも、ノミを駆除する成分を全身にいきわたらせることで、ノミによる被害を予防しています。ノミだけでなく、マダニやフィラリアも一緒に予防できるタイプも市販されていますので、飼い主さんが使いやすいタイプを利用してください。

ノミ予防で防げる病気はなに?

見つめるジャックラッセル

〇貧血・細菌性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎
大量のノミに寄生されると貧血を起こすことがあります。また、ノミに刺された部分をかきむしるなどして傷ついた皮膚に細菌が入り込むと、皮膚炎を起こすこともあります。ノミの唾液に対するアレルギーが起こると、激しいかゆみや脱毛を引き起こすことがあります。

〇瓜実条虫(サナダムシ)
小腸に寄生する寄生虫です。瓜実条虫の卵をノミが摂取し、そのノミを犬や猫が口から取り入れることで感染します。人間も、ノミをつぶした手をなめるなどして感染します。
▶どうぶつが感染した場合
多くは無症状ですが、肛門から瓜実条虫の一部(片節)が排泄されるときに痒がってお尻を引きずって歩くことがあります。
また、多数の瓜実条虫に寄生された場合や子犬・子猫の場合は、下痢や貧血・体重低下・腸炎を引き起こすことがあります。
▶人間が感染した場合
多くは無症状ですが、子どもは下痢を起こすことがあります。

〇バルトネラ症
バルトネラ菌が原因の病気で、ネコノミから猫や犬に感染します。人間も、バルトネラ菌をもっているノミに吸血されたり、バルトネラ菌に感染した猫や犬に咬まれたりひっかかれたりすることで感染します。
▶どうぶつが感染した場合
一般的に無症状。
▶人間が感染した場合
傷口の周辺に丘疹・膿・水疱ができたり、リンパ節が腫れる・発熱といった症状がみられます。重症化すると、脳炎を発症し、けいれんなどが起こることがあります。小さな子どもや免疫が低下している場合は、特に注意が必要です。

ノミを予防して健康的な生活を!

ゴールデンレトリーバー

「刺されるとかゆい」だけでは終わらないノミ。予防の重要性をご理解いただけたのではないかと思います。秋になり、虫が減ってきたように思えても油断は禁物です。 ワンちゃんを守るために知っておきたいこと。それは、飼い主さんがノミ・マダニ・フィラリア予防の理解を深め、予防を習慣化させることです。 お伝えしたノミ・マダニ・フィラリアの知識が、ワンちゃんと飼い主さんが健やかな毎日を過ごす一助となれば幸いです。

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