正しく理解!フィラリアからワンちゃんを守るために知っておきたいこと

2020.09.03

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9月に入っても暑い日が続いていますが、体調は崩されていませんか?
今日は、毎月予防するノミ・マダニ・フィラリアの中から、フィラリアをピックアップし、フィラリアの基礎知識についてお伝えします!
まだまだフィラリアを感染させる蚊が活動しています。フィラリア予防の大切さを今一度、確認しましょう!

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そもそも…フィラリアってどういう生き物?

蚊

簡単にいうと、フィラリアは、動物の血液の中で生活する寄生虫のこと。成虫は細長い糸のような姿をしているため、「糸状虫」とも呼ばれます。ワンちゃんへの感染経路は、「蚊」。

まずは感染経路について、順序を追って理解していきましょう。

  1. フィラリアに寄生されている動物を蚊が吸血したときに、蚊の体内にフィラリアの幼虫が移動。

  2. フィラリアの幼虫をもっている蚊が、犬を刺す。

  3. 犬の血液中に蚊の体内からフィラリアの幼虫が移動

  4. 犬がフィラリアに感染。

  5. 犬の体内でフィラリアが成虫に成長し、幼虫を生み出す。

このように、フィラリアは夏のお散歩やお出かけにつきものの「蚊」が媒介して、知らない間に寄生してしまうのです。

もし、フィラリアに寄生されるとどうなるの?

首をかしげる犬

犬の体内に入ったフィラリアの幼虫は、皮膚の下(皮下組織)や筋肉の中で成長します。成虫になると血管を通って必ず予防をしてください!心臓や肺動脈まで移動し、心臓や肺動脈の内側に咬みついて犬の体の中で生活するようになります。成虫は血液に産卵するため、成虫を駆除しないと、どんどん新しいフィラリアが増えていきます。
血液を全身に送る働きをしている心臓や心臓から出ている肺動脈の中にフィラリアがいると、血液の流れが悪くなり、元気がない・運動をしたがらない・咳などの症状がみられるようになります。さらに症状が悪化すると腹水(おなかに水がたまる)やむくみがみられるようになります。
犬の体内でフィラリアの成虫が増えすぎると、心臓に入りきれなくなったフィラリアが肺動脈に詰まることもあります。動脈にフィラリアが詰まると、血尿・黄疸・呼吸困難・失神などの急性症状があらわれ、最悪の場合、死に至るケースもあるのです。

必ず予防をしてください!

犬にとって最も身近で、恐ろしい寄生虫であるフィラリアを予防するにはこの2つを徹底的に守ること。

  1. 蚊に刺されないようにする

  2. フィラリア予防薬を与える

蚊がいそうな草むら茂みを避けたり、虫よけを利用したり、蚊を避ける方法はありますが、蚊に刺されることを完全に防ぐことはできません。そのため、フィラリア予防薬を与えることが非常に重要です!
市販の虫よけを利用するときは、安全のために必ず犬用のものを利用してください。

フィラリア予防薬はどのような効果があるの?

フィラリア予防薬は、フィラリアの幼虫を駆除するためのお薬で、成虫を駆除することはできません。また、蚊に刺されることは防げないので、フィラリア幼虫が体内に侵入することを完全に防ぐことはできません。そのため、体内に侵入しているかもしれない幼虫を、予防薬で定期的に殺すことで、フィラリアが成長して心臓に寄生するのを防ぐ必要があります。幼虫が体内に侵入してから時間が経ってしまうと、成長して薬が効かなくなってしまうため、必ず月に1回駆虫を行いましょう。

ワンちゃんの体内でフィラリアが成虫になってしまうと、成虫を駆除するためのお薬を投与するか、手術で体内から取り出す治療が必要となります。どちらもワンちゃんの体に大きな負担をかける可能性があるので、フィラリアが成虫にならないよう定期的な予防を徹底しましょう!

フィラリア予防は時期が重要!

適切なフィラリア予防の時期はいつなのでしょうか?
予防の目安をご紹介する前に、予防期間の考え方をご説明します。
フィラリア幼虫が蚊の体内で成長するためには、ある程度の気温(およそ14℃)が必要となります。1日の平均気温が14℃を超える日が積み重なると、フィラリア幼虫が成長し、犬に感染できるようになります。そして1日の平均気温が14℃以下の日が増えると、フィラリア幼虫が成長できなくなり、犬に感染できなくなります。感染が始まる時期と感染が起こらなくなる時期を踏まえると、フィラリアの予防期間は

予防開始:フィラリア幼虫が犬に感染できるようになってから1ヶ月後
予防終了:フィラリアの幼虫が感染できなくなってから1ヶ月後となります。
地域によって平均気温が異なるため、予防する時期が異なります。
地域ごとの予防時期の目安は以下の通りです。

北海道:7月~11月
東北:6月~11月
関東・中部・近畿・中国・四国・九州:5月~12月
沖縄:年間を通して

幼虫が感染できなくなってから1ヶ月後の投薬が非常に重要ですので、「涼しくなってきたから」「蚊を見かけなくなったから」と予防をやめるのは危険です。
年によっても気温に差がありますので、予防期間に悩んだときは、かかりつけの獣医さんに相談してください。

フィラリア予防薬の種類

犬の首にお薬を垂らしている

フィラリアを予防する薬は3種類あります。

スポットオンタイプ:液体のお薬を皮膚に垂らして使う
経口摂取タイプ:錠剤またはお肉のような風味のお薬を与える
注射タイプ:お薬を注射する

注射タイプは、動物病院で注射してもらう必要がありますが、スポットオンタイプと経口摂取タイプは、ご自宅で与えることが出来ます。どのタイプでも、フィラリアを駆除する成分を全身にいきわたらせることで、フィラリアによる被害を予防しています。

最近では、フィラリア予防以外に、ノミやマダニも一緒に予防できるお薬もあります。また、注射タイプの中には予防効果が12ヶ月続くものもありますが、副作用が起こりやすいという短所もあります。副作用が起きた場合、食欲が落ちる・注射したところが腫れる・アレルギー反応・アナフィラキシー反応などがみられます。

フィラリア予防で気をつけたいこと

フィラリアの予防薬を、すでにフィラリアに感染しているワンちゃんに投与すると副作用を起こす可能性があります。副作用が起こる順序は、以下のように考えられています。
①フィラリアに感染した犬の体内に大量の幼虫が存在
②フィラリア予防薬によって、大量の幼虫が死ぬ
③死んだ幼虫に対するアレルギー反応が起きたり、幼虫の死骸が細い血管に詰まったりする
④ショック症状を引き起こす
副作用によって死に至る場合もあるため、毎年最初の予防薬を与える前には、フィラリアに感染していないか検査を受けることが重要です。

予防前の検査などで気になることがある場合は、かかりつけの獣医さんに相談してください。

定期的な予防で健やかな毎日を!

芝生で走るダックスフンド

いかがだったでしょうか。
最悪の場合、ワンちゃんを死に至らせることもあるフィラリア。とても恐ろしい病気ですが、定期的な予防で防げる病気ですので、しっかりと予防を行いましょう!

まだ暑い日が続きますが、暑さ対策をして健やかな毎日をお過ごしください!
【関連リンク】
ワンちゃんのフィラリア予防|みんなのどうぶつ病気大百科 

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