【犬の膝蓋骨脱臼】アレするだけで、発症率が下がる!?

2018.11.21

「膝蓋骨脱臼」(しつがいこつだっきゅう)、通称「パテラ」をご存じでしょうか? 小型犬に発症することの多い関節の病気です。


しかし、子犬の時期に『ある対策』をするとパテラの発症予防ができるかもしれないということが、アニコム損保の保険金データを用いた追跡調査からわかりました。


いったいどんなことをすると予防ができるのか。今回はその方法についてご案内します。


そもそも、膝蓋骨脱臼(パテラ)って、何!?

パテラとは、膝のお皿(膝蓋骨)が、本来収まっているはずの「滑車溝」という溝からズレて脱臼してしまう病気です。


【症状】
特に症状を示さないことも多いのですが、脱臼の程度によっては関節や靭帯に傷がついてしまい、痛みがでてきます。さらに病態が進行すると、筋肉の萎縮や骨の変形が起こり、痛みが増し、歩行に影響をおよぼします。


脱臼の症状はその程度により4段階に分けられていて、重度の脱臼であったり、骨の変形が見られる場合には、手術を行うこともあります。


【原因】
パテラには先天性と後天性の2つの原因があります。先天性の原因はお皿を支える靭帯が弱いなどの膝関節周辺の形成不全です。一方で、後天性の原因は、ソファーなどからの転落や打撲による外傷で、膝への過度な負荷がかかることで発症します。


【関連リンク】
みんなのどうぶつ親子手帳「膝蓋骨脱臼」


「ある対策」で、パテラの発症率に差が

まずはこの表をご覧ください。


アニコムでは2016年12月に、アニコムの保険に加入したワンちゃん939頭に対し、「ある対策」の啓発をおこないました。その後、2年間にわたり、保険金請求データを用いてパテラの発生状況を調査したところ、「対策なし」のワンちゃんの発症率が1.14%であったのに対し、「対策あり」では、0.85%と低くなっていることがわかりました。


また、パテラの診療費が5万円以上かかった割合が、「対策あり」の場合はなんと「0%」だったのです。


「ある対策」をしただけで、パテラの発症率および重症化を防げる可能性があることがわかりました。


さて、この対策とはいったい何なのでしょうか?


パテラ撲滅キャンペーン

パテラに効果があった「ある対策」。それは…。


「床を滑りにくくする」ことと「パテラ予防エクササイズ」の2つです。アニコムでは「パテラ撲滅キャンペーン」と銘打って、この2つの対策を推奨しました。


【床を滑りにくくする】
前述したとおり、パテラの原因のひとつに、滑りやすい床での生活があります。フローリングやタイルなどのツルツルした床の上で踏ん張ったり急激な方向転換をすると、膝に大きな負担がかかります。


そこでペットショップでのお迎え時にアニコムの保険に加入したワンちゃんに、滑らない環境を整えてもらうため、滑り止めマットを配布しました。


【パテラ予防エクササイズ】
膝関節周辺の形成不全などの先天性の原因への対策に対しては、適度な運動とマッサージを推奨しました。


パテラ発症には、後肢の筋肉量が関係していると言われており、後肢の筋肉量が少ないとパテラ発症リスクが高くなってしまいます。


そこで膝関節周辺の筋肉を鍛え関節への負担を少なくしたり、太ももの内側の筋肉のコリをほぐすことで、後肢の関節をよく動かせるようになるエクササイズを、パンフレットや動画でおすすめしました。


【関連リンク】
パテラ撲滅キャンペーンパンフレット


パテラ予防の動画を見てみよう

それでは実際に医師と獣医師が説明をしている、パテラ予防の動画を見てみましょう。


動画で説明している、3つのポイントは以下の通りです。


■ポイント1・滑り止めマットの活用(0:45~)
後肢の筋肉を鍛えるために、踏んばれる環境を整えることが大切。ケージやワンちゃんの生活スペースに滑り止めを敷いて、滑らない環境を作りましょう。


■ポイント2・運動(1:14~)
遊びながら少しずつ運動を。後肢がしっかりしていないワンちゃんは優しく腰をささえて、後肢を使って立つことを覚えさせるのがコツ。元気なワンちゃんには、おすわり&タッチ、二足歩行、ジャンプ&ほふく前進、段差を作って「立ち食いスタイル」、お散歩練習などの運動をして筋肉を鍛えましょう。


■ポイント3・太ももくるくるマッサージ(2:10~)
太ももの内側の筋肉をやさしく、くるくるマッサージし、血行をよくすることで、筋肉のコリをほぐし関節がよく動くように。


※運動やマッサージは強い力で行うと、ワンちゃんの負担となります。また重度のパテラ(常に膝がずれている状態)のワンちゃんに無理な運動を行うと悪化の危険性がありますので、行わないでください。


ぜひ、やってみてください

今回の結果は、適切な環境と運動でパテラを予防できる可能性を示唆しています。


みなさんの小さな家族にも、滑らない環境づくりと適切な運動で、パテラ予防を行いましょう!

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