狂犬病のない清浄国を維持するために

2018.04.02

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海外では今でも、毎年5万人が狂犬病で死亡しています

毎年4月~6月は、国が定める「狂犬病予防注射月間」。犬と暮らしている方のおうちには、予防接種のお知らせが来ているはずです。


狂犬病と聞くと犬の病気のように考えがちですが、狂犬病ウイルスは人をはじめ、すべての哺乳類に感染する可能性があります。感染すると治療法がなく、致死率はほぼ100%。


海外では毎年5万人近くが命を落としています。日本では昭和32年以降、国内での発生がなく清浄国とされていますが、フィリピンで犬にかまれた人が帰国して発症・死亡する事例が平成18年に発生しています。


狂犬病は恐ろしい病気ですが、ワクチンによる予防が可能で、狂犬病予防法で生後90日を超えたすべての犬は登録と予防接種が義務付けられています。人が感染する経路として、狂犬病ウイルスに感染している犬にかまれるケースが多いため、犬の感染予防が非常に重要となるのです。


取り返しのつかないことになる前に、きちんと予防接種を受けよう

しかし現在、予防接種率は50%以下ともいわれ、接種率低下が問題となっています。


「自分の犬は外に出ないから」「日本には狂犬病の発症がないから」との理由で接種しない飼い主もいます。しかし、もし万一、日本に狂犬病ウイルスが侵入してしまったらどうなるでしょうか。


WHO(世界保健機関)によると、接種率が70%を下回った場合、狂犬病の流行を阻止するのが困難とされています。さらに、野生動物に蔓延した場合、根絶が困難になる危険があります。


現在、狂犬病の発症がない日本だからこそ流行を防ぐために予防接種は非常に重要です。予防接種は飼い犬を守るだけではなく、人間や社会全体を守る手段です。


日本がこれからも清浄国であり続けるため、飼い主の義務として正しい知識を持ち、自治体への飼い犬登録を行い、予防接種を受けさせましょう。

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