「飼いたい」と思ったらまず知っておきたい!初心者向けフェレットの飼い方ガイド

by 佐藤華奈子 2022.04.04

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長い体にキュートなお顔、遊びが大好きで愛嬌たっぷり。飼い主にもよく懐いてくれるフェレットは、犬や猫と比較すると飼育されている数は少ないものの、根強い人気があります。そんなフェレットについて、特徴や飼い方のポイントを紹介します。フェレットってどんな動物?わが家でも飼える?と気になったら、ぜひ参考にしてください。

フェレットの特徴

フェレット

フェレットは野生のイタチの仲間を飼い慣らした動物で、ヨーロッパで長い飼育の歴史があり、3000年前から飼われていたともいわれています。日本での飼育の歴史は浅く、1990年代からペットとして広く認知されるようになりました。
イタチの仲間といっても野生味はなく、性格は社交的。大人になっても子どものように愛らしい顔つきのままで、遊ぶことが大好きです。平均寿命は6〜8歳といわれていますが、4~5歳の初老期に亡くなってしまう子もいれば、10歳を超えて長生きする子もいます。性成熟するとにおいがきつくなるため、性腺除去、避妊・去勢手術を終えてから販売されるのが一般的です。

フェレットの飼育環境

 

フェレットの適温は15〜24度、適切な湿度は40〜60パーセントです。暑さには弱く、28度を超えると熱中症になる可能性があります。夏はエアコンを使った温度管理が必要です。寒さには強いといわれますが、極端な寒さや急激な温度変化は体調を崩す原因となります。リビングのような飼い主がよく過ごす部屋で飼育し、極端な温度変化がない環境を用意しましょう。

フェレットのおうち

ケージは高さがあるもので、柵の間が狭いものを選びます。寝床としてハンモックを設置し、給水ボトルをつけてペレットの容器を置きます。寒い時期は毛布を入れて、もぐって暖をとれるように。室温が15~24度に保たれていれば、快適に過ごしてくれるでしょう。ペットヒーターを設置する場合は熱中症のリスクがあるので、こまめに様子を見るなど注意する必要があります。

フェレットの食事

 

フェレットフード、またはペレットと呼ばれる人工飼料を食べます。フェレットに必要な栄養素がすべて含まれているので、基本の食事はこれだけです。消化時間が早く、こまめに食べる習性があるため、フードは常にフード入れに入っている状態にして、切らさないようにします。食べる量はフェレット自身が調節するので、食べ過ぎになることはありません。
また、ビタミンなどが入ったペースト状のサプリメント「フェレットバイト」やタンパク質の多い「ジャーキー」がおやつになります。喜んで食べますが、おやつなので与え過ぎないよう注意してください。

フェレットのお世話

フェレット 

毎日のお世話として、トイレ掃除、フード容器の洗浄、給水ボトルの水の交換があります。また毎日ケージから出して遊ぶ時間を設けましょう。その際、ゴム製品や布切れ、紐などは誤食することがあるのでフェレットが活動する範囲に置かないようにしてください。遊びは猫と同じように獲物を追いかけることが大好きです。猫じゃらしのようなおもちゃを用意すると楽しく遊んでくれます。狭いすき間に入るのも好きなので、トンネルを用意してもいいでしょう。家具のすき間に入って居場所がわからなくなることもあるので気をつけましょう。フェレットは寝ていることが多いので、ケージから出したタイミングでスキンシップや健康チェックも行うと良いでしょう。
  におい対策として、週に1〜2度はケージ内の布製品を洗濯し、ケージの中も週に1度のペースで掃除をしましょう。全身のブラッシング、爪切り、耳掃除といったお手入れも週に1度が目安です。

フェレットの健康管理

 

フェレットは「ジステンパー」という感染症の予防接種が勧められています。1回目は飼い主のところに来る前、生後1ヶ月ごろに済ませているのが一般的です。購入時にワクチンについて確認し、適切なタイミングで2回目、3回目を接種してください。その後は年1度の追加接種を受けましょう。
またフィラリアにもかかるので、予防薬を飲むことが勧められています。フィラリアは蚊に刺されて感染する病気です。蚊が飛ぶ時期は地域によって異なるため、かかりつけの動物病院で相談して適切な時期に予防薬を飲ませましょう。
このようにワクチンや予防薬が必要なため、お迎えする前からフェレットを診てもらえる動物病院を見つけておくことが大切です。

フェレットの疑問Q&A

フェレット

フェレットを飼うにあたって、よくある疑問にお応えします。

フェレットは噛むことがある?

 

あります!噛み癖があり、遊び心から飼い主に噛みつくことがあります。噛まれた箇所は点々と牙の跡がつき、流血することも。人を噛んではいけないことを、しっかりしつける必要があります。
しつけの方法は、噛もうとしたときや噛みついたときにすぐに引き離し、「ダメ」と低く大きな声で伝えるのを繰り返すこと。遊びも一時中断して、噛んだら遊べなくなることを伝えます。決して感情的に怒鳴ったり、叩いたりしてはいけません。生え変わりのタイミングで歯がむずむずして噛むこともあるので、噛んで遊ぶおもちゃも用意してあげましょう。

フェレットはにおいが強い?

 

家庭にくる前に性腺除去手術を受けていることが多いですが、全身の皮脂腺から分泌する皮脂にも独特のにおいがあります。フェレットが好きな人は気にならないかもしれませんが、そうでない人はきついにおいだと感じる人や、においがあるから苦手という人もいます。あらかじめ同居の家族には了承を得ておきましょう。また一緒に暮らしているうちににおいに慣れて気にならなくなることもあります。すると気づかないうちに服や室内のものにしみつくこともあるので、消臭対策を習慣にしましょう。
フェレット自身には月に一度のペースでシャンプーをします。やり過ぎるとかえって脂の分泌が多くなってしまうのでこまめに洗うのは避けてください。次のシャンプーまでは洗い流さないタイプのシャンプーや専用のスプレー式の消臭剤を使います。ケージの中のハンモックや毛布は定期的に洗濯を。室内でよく過ごすお気に入りの場所があれば、その部分も消臭しましょう。

ハンモックで寝るのはなぜ?

 

単にかわいいからではなく、潜り込んで寝ること、揺れながら眠ることでフェレットが安心するためです。潜り込むだけなら寝袋でもいいのですが、あたたかい時期は熱がこもってしまいます。冬でもハンモックのうえに毛布を置けば、潜り込んで暖をとることができます。フェレットが熟睡するために、ケージにハンモックは必須アイテムといえます。

多頭飼いはできる?

 

フェレットは社交的なので、複数で飼うことができます。飼い主が不在にする時間が長いとさびしくなってしまうため、その対策として多頭飼いをする人もいます。
ただ、新しいフェレットが加わり、環境が変わったストレスで、先住の子が体調不良になったり、気性が荒くなったりすることもみられます。新しい子をお迎えする際には、時間をかけて慣らすように気をつけましょう。

まとめ

フェレット

フェレットは、海外では昔から飼われている、人によく慣れた動物です。見た目が愛らしいだけでなく、社交性もあり、すぐに家族に溶け込んで懐いてくれるでしょう。お迎えする前に飼い方や生態を正しく理解し、お迎えしたあとはしっかりコミュニケーションを取りながら、大切に飼ってくださいね。


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