夏の海に現れる「サメ」の意外な正体

by 編集部 2026.07.06

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毎年、夏の時期になると「海水浴場にサメの群れがあらわれ、自治体が注意を呼びかけています」というニュースを目にします。そのサメは、「アカシュモクザメ」であることが多いです。

一方で、「アカシュモクザメ」は、ダイバーの間ではいつか逢いたい海の生きものとして、高い人気を誇る存在でもあります。なぜ、海水浴客とダイバーの間にはこんなにも温度差があるのでしょうか。考察してみました。

シュモクザメの特徴

シュモクザメは、英語では「ハンマーヘッドシャーク」といわれ、その名のとおり、カナヅチ(ハンマー)のようなTの形をした頭が特徴的です。 Tの形の頭の両端に眼があり、眼のすぐ内側に鼻の穴があるので、他のサメと比べて、視覚的にも嗅覚的にも獲物との方向や距離をより正しく把握でき、その視野はなんと308~340度といわれています。

2026年現在、世界では10種類のシュモクザメが確認されており、日本近海には、ヒラシュモクザメ、シロシュモクザメ、アカシュモクザメモの3種類が生息しています。3種類の中で最も個体数が多いとされているのがアカシュモクザメで、記録されている最大の大きさは4.3m。日本の最西端の与那国島や、南伊豆の神子元島はアカシュモクザメの群れが見られる海としてダイバーに知られています。

主にエビやカニなどの甲殻類、タコ、イカ、小型の魚を食べ、大型の種類になるとエイや他のサメを食べることもあります。卵ではなく子どもを直接産む胎生で、種類によって異なりますが、一度に20~40匹ほどの子どもを産むこともあります。高い繁殖力をもつ一方で、成長には時間がかかるため、乱獲や環境変化の影響を受けやすいと考えられています。

ダイバーが感じる魅力

多くのハンマーヘッドシャークは人に対して攻撃的でなく、おとなしい性格といわれています。人を襲うことは非常にまれで、世界的にも記録は少なく、死亡例は確認されていません。 むしろ、ダイバーの呼吸音を嫌うのか、人の気配を感じると離れていくことも多いといいます。

さらに、アカシュモクザメの魅力としてよく挙げられるのが、群れで泳ぐ姿の美しさです。 何十匹ものシュモクザメが青い海の中を静かに旋回する光景は、まるで空を舞う鳥の群れのようで、多くのダイバーを魅了しています。 アカシュモクザメとヒラシュモクザメは、IUCNレッドリストで「深刻な絶滅危惧(CR)」に分類されています。また、シロシュモクザメも「危急(VU)」に指定されていて、いずれも保護が必要な生きものです。

海でその姿に出会えることは、実はとても貴重で幸運な体験なのかもしれません。

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