【6月25日は無事故(625)の日】犬による咬傷事故の「声」から見えてくること

by 編集部 2025.06.17

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アニコム損保では、毎年6月25日「無事故の日」に、ペットが関わる事故の予防を呼びかける取り組みを行っています。
本記事では、犬による咬傷事故について様々な事故事例をご紹介します。事故は、ほんの一瞬の出来事ですが、思いもよらない形で生活に影響を及ぼします。記事のおわりでは、事故を予防するための対策についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

「咬傷事故」の被害にあわれた方が感じること

※個人が特定されないよう、事故状況やけがの内容など構成を一部変更しています

■通勤中に犬に咬まれ…「職場復帰できず、収入が激減」

事故状況:通勤中、散歩中の犬にふくらはぎを咬まれる。
ケガの内容:神経を傷め、手術や長いリハビリを経験。
日常の変化:満員電車や立ち仕事がつらくなり、外出が億劫に。
仕事への影響:勤務形態を見直さざるを得ず、昇進の機会も見送りに。
家庭面:家族との外出が減り、心配や負担も増えた。
心の変化:自信を持ちづらくなり、気持ちが沈む日が増えた。

■公園で遊んでいたら…「子どもの笑顔が減ってしまいました」

事故状況:公園で、リードが長めの犬に顔を咬まれる。
ケガの内容:頬〜口元に傷を負い、手術を受けたものの今も傷跡が残る。
日常の変化:外出に不安を感じ、マスクを手放せない状態に。
ご家族の様子:お出かけ時、常に犬との接触を避けるように。
心の影響:人との関わりが怖くなり、ご家族も見守りながら日々悩んでいる。

■大事な日に緊急搬送…「ずっと準備してきた日が、思いがけず遠のきました」

事故状況:半年かけて準備した大事なプレゼン当日に、駅前で犬に手を咬まれる。
ケガの内容:指に傷を負い、救急搬送。
仕事への影響:その日の発表ができず、大切な案件を他社に譲ることに。
職場での変化:申し訳なさを感じ、しばらく気持ちの整理がつかなかった。
心の影響:積み重ねてきた努力が一瞬で崩れてしまったような虚しさが残った。

■近所で起きた事故で…「家族の介護を担っていましたが、思うように支えられなくなりました」

事故状況:介護中に近所の犬に手を咬まれる。
ケガの内容:腱に傷を負い、細かな作業が難しくなる。
家庭の変化:日常の家事や介護が困難になり、外部の支援に頼るように。
家族への影響:親御さんが環境の変化に混乱し、心身の不調も見られるように。
心の負担:家庭全体に静かな重圧がかかり、皆が不安を抱えるようになった。

■配達の仕事中に…「心が落ち着かず、日常に支障が出ています」

事故状況:配達中、放し飼いの犬に足首を咬まれる。
ケガの内容:傷は数週間で完治。
心の変化:犬を見ると胸が苦しくなり、過呼吸になることも。
医療対応:心療内科に通いながら、回復を目指している。
仕事への影響:配達業務の継続は難しくなった。
家族への影響:家族に心配をかけてしまい、雰囲気も揺らぎがちに。

ペットの「咬傷事故」がもたらすこと

ほんの一瞬の出来事が、その方の心や暮らしに長く静かに影を落とす──それが咬傷事故の現実です。


事故の被害者の方々からは、
「毎日の生活に思いがけない支障が出てしまった」
「心の傷がふとした時に思い出される」
「外に出るのが不安でたまらなくなる」
といった声が多く届いています。


犬が咬みついてしまうのは、次のような瞬間が多いといわれています。
(1)突然驚いたとき
(2)不安や緊張でいっぱいになったとき
(3)自分や飼い主を守ろうとしたとき


犬も飼い主さんも意図的に事故を起こすことは無いでしょう。「わが子は大丈夫」「今まで問題なかったから」──そのような油断が、事故の引き金になってしまうこともあります。大切なわが子がもし事故を起こしてしまったら、相手の生涯に深い影響を残す可能性があることを、日頃から忘れないようにしましょう。

飼い主としてできること

事故は対策で予防ができます。愛犬自身は対策することができないので、飼い主として責任を持って行いましょう。


(1)人の多い場所ではリードを短めに持つ


(2)首輪やハーネスの劣化を定期的にチェック


(3)来客時には別室に移す、ケージに入れるなど配慮する


(4)犬が緊張しやすい場面を知り、早めに対象物と距離を取る


(5)気になる行動がある場合は、専門家に相談してみる

こんなシーンには要注意!事故が起きやすい場面

事故は予想がしにくいものですが、災害と同じように、リスクの高い場面があります。
このようなときは特に愛犬に注意を払い、事故を防ぐ行動をとるよう心がけましょう。


(1)公園で子どもが犬に触れようとしたとき


(2)外からの来客があったとき


(3)通行人のいる場所でリードが緩んだとき


(4)抱っこ中に、知らない人が手を伸ばしてきたとき

まとめ

咬傷事故は、ほんの一瞬の出来事から起こってしまうことがあります。
そして、被害にあわれた方にも、飼い主の方にも長い間、心に影を落とすものになるかもしれません。


けれども──日々の中でちょっと意識を向けたり、行動を見直したりすることで、そうした事故をぐっと減らしていくことができます。


「わが子は大丈夫」──その信頼と同じくらい、「みんなが安心して笑顔で過ごせるように」と、少しだけ心を広げてみること。それがきっと、みんなにとってあたたかく優しい未来につながっていくはずです。


大切なわが子と、すれ違う誰かの今日が、少しでも穏やかで、やさしくいられるように。この機会に、ふだんの暮らしをそっと振り返ってみませんか。


小さな気づきが、大きな安心につながります。その一歩が、きっと、たくさんの笑顔を守ってくれるはずです。


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