保護猫アメと里親マリの肉球記(7)~蚊から身を守れ!~

2017.09.08

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【前回まで】

無事にペット保険に加入できたアメ。かわいい保険証が届いてマリも大満足です。
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そして暦の上ではもう秋…朝晩はだいぶ涼しい日もふえてきました。夏場の必需品だった虫よけスプレーの出番も減ってくる頃です。でも、まだまだ蚊は活動しています!


ワンちゃんやネコちゃんが蚊に刺されると、フィラリア症になってしまうことがあります。


「でもうちは完全室内飼いだし、室内にはそんなに蚊もいないし」なんて油断していませんか? 室内であっても、蚊にさされることは十分ありえます。 フィラリア症になってしまうと最悪の場合、なんと死に至ることもあります。蚊は、あなどれない天敵なのです。



え!? フィラリア??

猫大好きアニコム社員のマリです。…完全にあなどっていました。


うちはアメ始めココ(長男)もソラ(二男)も一切外に出ませんし、部屋で蚊に刺されることなんて滅多にありませんよ! それに、もうすぐ夏も終わりますし。アメはとってもやんちゃなので、蚊にだって負けないと思います!!


…と、今まで思っていました。小寺先生~。私、間違っていましたか?




小寺先生のワンポイントアドバイス!(1)ネコちゃんもフィラリア予防!

マリちゃん、正直に話していただき、ありがとうございます。フィラリア症は犬の病気という印象が強いですが、実は猫にも感染します。


ある報告(佐伯英治著、Clinic note、No.66、2010、インターズー発行)によると、約10頭に1頭の割合で猫もフィラリア幼虫に寄生されていることが認められたそうです。「外に出ていないのに、いつの間にか蚊に刺されていた!!」ということがヒトでもありますよね? それと同じように、たとえ室内であっても蚊に刺される可能性があるので、十分な注意が必要です。



(2)突然死のリスクも…

猫の体は、本来の宿主である犬より抵抗性が高いため、寄生するフィラリアの数が少ないことがほとんどです。しかし、寄生数が少数でもフィラリアに対する拒否反応(アレルギー反応)が強いため、突然死してしまうリスクがあります。


未成熟なフィラリアが血管や組織に移行することによっておこるアレルギー反応は犬糸状虫随伴呼吸器疾患(HARD:heartworm-associated respiratory disease)と呼ばれ、咳や呼吸困難を起こします。


また、感染していたフィラリアが死んだときも、死骸に対して急性のアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こし、突然死のリスクが高いといわれています。



(3)予防が一番

大切な家族が突然死するリスクのあるフィラリア症は、とても怖いんです。でもフィラリア症は犬と同じで予防できる病気でもあります。


予防薬には、皮膚に塗るスポットタイプのお薬と飲み薬があります。猫の性格で使いやすいほうを選んでストレスなく予防してあげてくださいね。



(4)予防の時期は?

予防の時期として、アメリカの学会では一年中予防する通年予防が提唱されていますが、日本では犬と同じく感染リスクが高い時期の予防がおススメです。地域によって期間が違いますので病院の先生に相談してみてください。


また、猫のフィラリア症の確定診断はとても難しいため、検査方針も猫の状態や病院の方針によって変わってきます。



たぶん大丈夫だろう、が一番危険なんですね!?

なるほど~。小寺先生、今回もありがとうございました! アメは元気だし、外に出ることはないし大丈夫!!と思っていましたが、室内にいてもフィラリア症になってしまうリスクはあるし、感染したら命に関わることになってしまうこともあるし…そうなる前に予防はとっても大切なんですね。勉強になりました!!


次回(9/22)は、「ネコの気になる困りごと」についてご紹介します! みなさんは、ネコちゃんと暮らす中で何かお困りごとはありますか?


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