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愛するが故に~ヒトとワンちゃんの愛のすれ違い~

どうぶつニュース

愛するが故に~ヒトとワンちゃんの愛のすれ違い~

「その人のためを思って取った行動が裏目に出てしまい、その人との関係が悪化してしまった!いったいなぜ!?」
・・・。こんな経験をしたことはありませんか?
これはヒト同士だけでなく、ヒトとワンちゃんの間でもよく起こっていることなのです。飼い主さんが愛するワンちゃんのためにとった行動が、実はワンちゃんとの関係性を悪化させていることがあります。
これから3頭のワンちゃんと飼い主さんの悲しいすれ違いの話をご紹介します。「あなたもこんな愛のすれ違い起こしていませんか?」


Case 1 愛するが故に「守ってあげたい」

埼玉県在住:ピットちゃん(チワワ)の場合
ピットちゃん。今日は待ちに待ったお散歩デビュー。大好きなパパと一緒に近所の公園に来ました。公園にはご近所のワンちゃんがたくさんいます。

公園ってひろーい! わーい! 知らない子がいっぱいいるー! みんな楽しそー!
はじめまして! みんな遊んで! あれ? なんでパパはあたしを抱き上げるの? もっと遊びたいのに! 離して!

飼い主さんの声:楽しそうに遊んでいたけれど、もののはずみでケガしそうで怖くて見ていられませんでした。散歩に連れてきても、そのまま抱きかかえて帰ってしまうことが続きました。そんなことばかり繰り返していたら、私が近づくだけで逃げ出すようになりました。過保護にせずあのまま遊ばせるべきだったのか、別のことが理由だったのか今でもわかりません。


愛をすれ違わせないために~実践編①「守って仲良しに」~

このすれ違いはピットちゃんが「楽しく遊んでいる時」に「抱き上げる」ことを繰り返した結果、「飼い主様」=「楽しみを邪魔する人」と学習してしまったために起こったのだと考えられます。
ケガをすることが不安であれば、お散歩に慣れるまでは飼い主様自身がピットちゃんとたっぷり遊んであげてください。最初から他のワンちゃんと遊ばなくても、散歩でお家の外の刺激に触れること自体が社会化のトレーニングとなります。さらに「飼い主様」=「たっぷり遊んでくれる人」とピットちゃんが学習してくれて、一石二鳥です。


Case 2 愛するが故に「おいしいものを食べてほしい」

東京都在住:コトリちゃん(ビーグル)の場合
今日はコトリちゃんの誕生日です。奮発していつものドッグフードではなく、プレミアムなフードをお母さんが出してくれました。

いただきます。……おいしいですわ!! いままでのごはんが霞んでしまいますの。
あっという間に食べ終わってしまいました…。でもまだ物足りませんの!もっとほしぃー!!
あぁ…思わず吠えてしまいましたわ、はしたない…叱られてしまいますかも…。
あら? お母様がごはんをくださいましたわ。わたくしが吠えたから? ……それならもっと吠えれば…もっとよこしなさい!!!!

飼い主さんの声:誕生日だし、ちょっとくらいいいかな? と思ってごはんを追加してあげたら、四六時中吠えるようになってしまいました。吠えられるとついついあげちゃって、コトリは身体も態度もどんどん大きくなるばかり。。。コトリの要求にどう応えれば良いのかわかりません。


愛をすれ違わせないために~実践編②「おいしいものもほどほどに」~

このすれ違いは「吠える」と、「ごはんがもらえた」ということをコトリちゃんが覚えてしまったためだと考えられます。
解決策としては、まずは吠えてもごはんをあげず、無視することです。諦めて吠えることをやめたら褒めて、ごはんをあげてください。
こうすることで、吠えてもごはんがもらえない。おとなしくしたらごはんがもらえて、さらに褒めてもらえる、と学習していきます。お利口にできたらたっぷり褒めたり、遊んだりしてあげてください。


Case 3 愛するが故に「健やかにワンちゃんの社会で育ってほしい」

神奈川県在住:ダイヤくん(ダックス)の主張
怖がりな性格のダイヤくん。今日は犬の社会を学ぶため、ドッグランにやってきました。

え? ここに入るの? 大丈夫かな~? おっきくて怖そうな犬がいっぱいいるよ~。
ヒエッ こっち見た! 寄って来る!? 来ないでよ~。怖いよ~怖いよ~。助けてお母さ~ん!

飼い主さんの声:臆病な性格なので、これまでは他の犬に会わせないよう暮らしてきましたが、それじゃだめだと思い、ドッグランに連れてきました。ですが怯えてずっと私の後ろで縮こまっていました。あの日から臆病さが増したような気がして。。。この子のためにどうやって社会性を学ばせればよいのか、行き詰りっぱなしです。


愛をすれ違わせないために~実践編③「ワンちゃんのペースで」~

このすれ違いは「ドッグランに行く」と「他のワンちゃんに襲われる(と思った)」という体験から、「ドッグランに行く(他のワンちゃんに会う)」と「襲われる」と学習してしまったようですね。
それまで他のワンちゃんと接してこなかったダイヤくんにとって、いきなりドッグランで活発な子たちに揉まれることはハードルが高かったようです。
最初からドッグランではなく、まずは近所を散歩して様々な刺激を体験させてあげてください。それだけでも十分に社会性を身につけるトレーニングになります。
一般的にはワンちゃんが0歳の時に打つワクチンが全部終了するまでに社会化の訓練を行うことが、もっとも効率が良いと言われています。
その場合は感染症などのリスクが高いので、抱っこして散歩するなどしてあげてください。


『愛』考えてみてください

『ケガをしてほしくない』『おいしいご飯をたくさん食べてほしい』『社会になじんでほしい』
どれも飼い主さんの愛から生まれた行動でしたが、ワンちゃんたちの想いとはすれ違いが起こってしまっています。
ワンちゃんとの正しい接し方の情報があれば、すれ違いは起こらず、ワンちゃんと飼い主さんとの愛は益々深くなっていたかもしれません。
少しでも「あ、あの時の行動って・・・」と自分自身の中に心当たりがあったら行動を見直してみませんか?もちろん、ワンちゃんに対する溢れんばかりの愛情はそのままで。

※このコラムに記載している方法はあくまで一例です。個体差がありますのでおうちのワンちゃんに合った方法を選んであげてください。