独身、39歳、子どもなし。いま「猫」を飼うという選択肢は正解か?

2020.10.06

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今日は、“独身、39歳、子どもなし。いま「猫」を飼うという選択肢は正解か?”その答えについて真面目に考えてみたい。


ご存じの通り、日本における未婚率は年々上昇している。2019年6月に内閣府から発表された「少子化社会対策白書(※)」によると、男性の未婚率は、1995年が9.0%であったのに対して、2015年には23.4%という結果になった。2035年には28.9%が未婚であると推測されている。

一方で、50歳代の女性の1995年の未婚率は5.1%であったが、2015年には、14.1%という結果になった。推測では、2025年には18.4%、さらに10年後の2035年には18.5%が未婚であるとされている。 男性の方が未婚率は高いが、男女共に未婚率が増えていることは明らかである。 男性だけでなく、女性の社会進出も進むことで、「結婚をしない」に加えて「子どもは産まない」という選択肢も珍しいものではなくなりつつある。


ただ、この選択をした場合には、孤独を感じることも少なくない。同世代の友人たちが結婚、出産とライフステージが変わっていく中で、寂しさを感じることもあるだろう。 その孤独と寂しさを埋める存在が“ペット”なのであれば、この記事を読んだあと、新たな人生のパートナーである『猫』の存在について本気で考えることになるだろう。


内閣府 第1部 少子化対策の現状(第1章 3)参照

そもそも「猫」を飼うと、どんな暮らしが待っているか考えてみる。

まず試しに、今日からあなたの家に猫が来るという生活を想像してみてほしい。「かわいくて癒されそう…」という期待はいったん横に置いて現実考えてみると、次のような不安が生じるのではないだろうか。

1 住宅面での不安

…家中ボロボロにされやしないだろうか。においも心配だ。


2 時間面での不安

…朝から夜まで仕事で家を空けるから、寂しくさせてしまいそう。


3 コミュニケーション面での不安

…猫とうまく意思疎通がとれるか不安。猫の気持ちがわからないかもしれない。


猫に対する知識がほとんどない人の場合、不安になる点は大きくこの3つだろう。では、まずこの3つの不安を解消していこう。

1 住宅面での不安

猫と暮らす人の家に行くと、家具や柱がボロボロになっているのを目にすることが多い。猫は、狩猟本能があるため爪とぎをする。また高いところに登るために爪の新陳代謝をよくして、古い角質をはがし、鋭い爪をいつでも出せるようにしているのだ。 つまり猫は、健康的な生活を送るために爪をとぐ。が…それをお気に入りの家具にやられたものならたまったものではない。ましてや、賃貸物件の場合に壁をボロボロにされると退去の際の修理費がかさむ…。


「だったら、猫なんて飼わない方がいいのでは?」


大丈夫、安心してほしい。猫は、決まった場所で爪とぎをするようにしつけることができるのだ。はじめのうちは好奇心旺盛なので、お気に入りの家具がやられてしまうこともあるかもしれない。が、我慢である。しばらくすると落ち着いてきてくれるので安心してほしい。また、におい対策についても最近のペット用品を使用すればだいたいのことは解決するから安心してほしい。


2 時間面での不安

仕事の日は、朝8時頃に家を出て、帰ってくるのはだいたい20時前後…遅いときには23時をまわるときもある。そんな生活をしていて、猫は寂しくないのだろうか。できれば、常に家に誰かがいて猫を見守り一緒に遊んでくれる人がいればいいのだが…。ましてや、外出中に猫になにかあったらどうしたらいいのだろうか。


「だったら、猫なんて飼わない方がいいのでは?」


大丈夫、安心してほしい。猫が一日にどれくらい眠っているのか知っているだろうか?実は、猫は1日の3分の2の時間を睡眠に使っている。時間になおすと約16時間。私たちが家にいない間は、眠って、起きて、眠って…を繰り返しながら過ごしているのだ。 仕事を終えて、家に帰ると「ニャオ」とお疲れさまのあいさつをしてくれる。これがまた最高に幸せな瞬間らしい。会社で視線を気にしながら退社するときの「お疲れさまです。」より何百倍も心に染みるし、癒される。 また、最近ではペットの様子を24時間見ることができるカメラシステム(食事やトイレ、運動の量もスマートフォンのアプリでチェックできる)や、自動でごはんを与えられる電化製品も充実している。


3 コミュニケーション面での不安

理解しておきたいこととして猫は、ペットのもう1つの代表格である犬と比較すると、感情表現がそこまで豊かではない。犬のように“お手”や“おすわり”、“伏せ”もしない。散歩だってしない。どちらかというとなにを考えているかわからない方の生き物だ。


「だったら、猫なんて飼わない方がいいのでは?」


大丈夫、安心してほしい。彼らに、あなたからの大きな愛が届いた場合には話は別だ。本当に、愛した分だけの愛情が返ってくるのだ。毎日のコミュニケーションやお世話を通して、少しずつ猫と絆を作り上げていく…言葉では言い表せないほどのかけがえのない時間が始まることだけ知っていてほしい。


猫と暮らすメリットについて考えてみる

“独身、39歳、子どもなし”。もう一度この条件に戻って、猫と暮らすメリットを考えてみる。猫と暮らすと、どんないい影響があるだろうか?


癒し、だけではない。

猫だけの話ではないが、動物と暮らすということは私たちに大きな癒しを与えてくれる。これはすでに科学的にも証明されていて(※)、ペットと触れ合うことで、“オキシトシン”という幸せホルモンが分泌されるのだという。 加えて、その“オキシトシン”が分泌されることで、ストレスや不安が緩和されたり、記憶力向上・学習意欲の向上も証明されている。 猫が家にいるだけで、癒され、ストレスや不安などの気持ちから解放され、やる気に満ちてくるだなんて素敵ではないか。


(※)2019年4月12日~14日にニューヨーク州で開催された第15回IAHAIOで発表された人と犬の双方の幸せホルモン増加を実証に関する研究結果


ライフスタイルとの折り合いをつけやすい。

39歳という年齢を考えれば、まさに働き盛りだ。そんな、目まぐるしい日々を過ごしている人にとって、猫という存在は実にライフスタイルにフィットしているといえる。 犬のように、毎日決まった時間に散歩にいかなくていいし、1泊程度の急な出張であれば大人しく家でお留守番もできる。


一方でペットをお迎えするとなると、お世話の問題などを考えてハムスターや鳥など、小動物のお迎えを検討する人も多い。だが、猫のようなずっしりとした重みのあるぬくもりは、やはり別格の存在であろう。


猫をきっかけに新たな出会いがあるかもしれない。

恋愛・仕事・友人関係において、重要なのは“共通の話題”。特に、初めて会う人と急激に距離を縮めるには、これが最大の武器となる。つまり、猫を飼っていると、全世界の猫好きとの共通の話題が生まれることとなるのだ。 「どんな猫?」「猫の名前は?」「今何歳なの?」「男の子?女の子?」こんな調子で、猫に関する話題は尽きない。さらに、写真を見せ合えば、わが子自慢の始まりだ。


こんな風に、猫と暮らすことで新たな出会いが生まれるかもしれないし、今まで話したことがない人とも、共通の話題で盛り上がることができるのだ。


自分以外にお金を使ってあげたくなる存在になる

独身で子どもがいないのであれば、同世代の子育て中の家庭と比べたとき、養育費が発生しない分、金銭的に余裕が生まれやすいと言えるだろう。そうすると、「猫のためにお金を使う」ということができる。 ここでいう“お金を使う”とは、高級なごはんやおやつとは限らない。


わが子が少しでも喜んでくれるようなおもちゃを購入したり、遊びごたえあるようなキャットタワーを設置したり…。もちろん万が一、その子になにがあっても大丈夫なように元気なうちからペット保険に加入する余裕だって十分にある。 自分以上に大切な存在になるからこそ、金銭的な余裕がある環境は重要であるといえるし、猫にとっても恵まれた環境なのだ。


これからの人生を共に過ごすパートナーとなる。

猫の平均寿命は14.2歳(アニコム家庭どうぶつ白書2019調べ)。今から約15年もの長い間、毎日隣にいてくれる存在ができる生活を、改めて想像してみよう。

毎日一緒に寝て、起きて、ごはんを一緒に食べて、じゃれあう。仕事に行くときに少し寂しさはあるが、帰ってくるといつも寄り添ってくれる存在ができるわけだ。猫がいれば、一人の寂しさは消える。返事は「ニャオ」だが、わたしたちが話す言葉もなんとなく理解しているような気もする。


ただ、39歳の今家族に迎えたとすると、その子が寿命を全うするころにはあなたは54歳。54歳という年齢で、人生のパートナーを失うのはものすごく辛いことに違いない。そこで、数年経って猫との暮らしにある程度慣れたら「多頭飼育」という選択肢もおすすめだ。そうすれば、猫も留守番の退屈や寂しさを紛らわすこともできるだろう(もちろん猫同士が仲良くできることが大前提ではあるのだが)。 そしていつかやってくる別れのときにも、寂しさを分かち合える存在になるのではないだろうか。


もう一度、問おう。

『独身、39歳子どもなし。いま「猫」を飼うという選択肢は正解か?』


答えは言うまでもない。正解だ。


もちろん、どんな人にとっても、猫との暮らしは必ずプラスの影響を与える。ただ、特に、“孤独”からの解放のためにはペットとの生活は、格別に生きる活力を与える。なにより、大切な家族が一人、いやもしかしたら二人と増えるということ、これ以上に嬉しいものはないだろう。

もちろん世話やしつけで苦戦することもあるだろうが、猫という存在がわたしたちに与えてくれる日々の尊さは計り知れない。

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