ヤギの特徴的な目やヒツジとの違い、歴史などご紹介♪【ヤギの魅力①】

by 編集部 2022.02.10

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「ヤギ」と聞くと、みなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。ミルクを出す白いヤギ、お手紙を食べてしまう黒ヤギと白ヤギ、牧場や動物園のヤギ。いずれにしても、身近などうぶつと思う方は少数でしょう。


一方で、除草に活躍するヤギや、ペットとして注目が集まっているというニュースを聞いた方もいるでしょう。本当にヤギが除草をしてくれたり、家で飼ったりできるのでしょうか。ヤギの魅力に迫りながら、その可能性を探っていきましょう。今回はまず、ヤギはどんなどうぶつかご紹介します。

身近な乳製品はヤギのミルクから発明

ヤギが人に飼われるようになったのは、紀元前7,000~6,000年ごろ。西アジアで野生のヤギが飼い慣らされたのがはじまりといわれています。ウシよりも古くから飼われていて、チーズやバターなどの乳製品はヤギのミルクから発明されました。


現在、世界では約9億5,000万頭のヤギが飼われています。主に家畜として飼われ、乳、肉、革、毛が利用されているほか、アニマルセラピーや子どもたちとのふれあいのため、またペットとして飼われています。さまざまな国や地域で幅広く飼育され、人の暮らしに寄り添っているどうぶつといえるでしょう。アメリカでは数年前にヤギと一緒にヨガをするゴート・ヨガがブームになったこともあります。

ヤギの品種はなんと500以上!

ちなみにヤギの品種は世界に500以上あるといわれています。飼う目的によって大きく乳用種、肉用種、毛皮種とわけられます。色は白以外に、黒、茶色、灰色、何色か混ざったタイプなど、多様なカラーがあります。中には、たれ耳やツノがらせん状にのびる品種も。世界にはいろいろなヤギがいるのです。

ヒツジと似ている?

ヤギ

種は異なりますが、ヤギもヒツジもウシ科ヤギ亜科のどうぶつ。生態はよく似ていて、飼い方もほとんど同じです。
ふわふわのヒツジとすらりとしたヤギ、印象はかなり違いますが、ヤギにもカシミアなど毛がふわふわの品種がいますし、毛が短い品種のヒツジはヤギそっくりに見えることも。こうなると区別が難しいのですが、違いもあります。どちらも草を食べますが、ヤギは木の葉が好きなのに対し、ヒツジは地面に生えている草を好みます。また、ヒツジの方が草を選り好みし、ヤギの方が食性の幅が広いといわれています。そしてどちらも群れで行動しますが、いつ何時も仲間と群れていたいヒツジに対し、ヤギは群れで大きく移動していても草を食べる時などは単独行動で、独立心が強い傾向が。

体の特徴としては、しっぽに違いがあります。ヤギのしっぽは基本的にピンと立っています(怖がっているときなど垂れることもある)。一方、ヒツジは下に垂れています。

ヤギのツノや目の特徴とは?独特の風貌と行動のヒミツ

ヤギには2本のツノがありますが、生まれた時にはなく、成長の過程で伸びていきます。多頭飼育する際は、ツノで仲間を傷つけないよう子ヤギのうちにツノが生えない処置をすることがあり、その処置を受けたことでツノが伸びないヤギもいます。


ヤギの目が怖い、と思ったことはありませんか? 明るいところでは瞳孔が収縮して長四角になるため、貯金箱のような目になります。瞳の形が細長い四角なので、怖いと思われることも多いですが、暗いところでは瞳孔が開き真っ黒い目になるので安心してください。


また、ヤギといえばあご髭。こちらは大人のヤギに生えているのですが、毛の長さや量は個体差が大きく、あご髭がないヤギもいます。そして、あごの下にたるんだ皮膚が対になってぶら下がっているヤギもいます。「肉ぜん」と呼ばれていて、なぜついているかは不明ですが、特に機能的な役割はないそうです。


ウシ科の仲間であるヤギは、ウシやヒツジなどと同様に4つの胃を持っています。それぞれの胃にちがう機能があり、胃の中から口に食べたものを吐き戻してよく噛み、再び飲み込む「反芻(はんすう)」を行います。ヤギがよく口をモグモグしているのは、この反芻をしているためです。

高いところが好きで雨が嫌い

ヤギ

ヤギの祖先は山岳地帯に生息し、険しい斜面で草や木の葉を食べていました。その名残か、ヤギは高い場所が大好き。多頭飼育しているところに土を盛った小高い場所やヤギが乗れる台を用意すると、たちまちそこにヤギが集まり過密状態に。キャットタワーならぬ、ヤギタワーがあってもいいくらいです。ウシやヒツジなどと比べて、野性味が色濃く残っているところもヤギの魅力といえるでしょう。


反対にヤギが苦手とするのは、湿気と雨。沖縄に「ヤギが鳴くと雨が降る」という言い伝えもあるほどです。日頃は活発に動きますが、雨の日は雨のあたらない小屋の中や雨よけの下でじっとして過ごします。

日本でも広く飼われていた

日本では沖縄で古くから食肉用のヤギが飼育されているほか、第二次世界大戦中から戦後に乳用ヤギの飼育ブームがあり、農村の多くの家庭で飼われていました。当時はヤギのミルクが貴重なタンパク源だったのです。最も多い昭和32年で約76万頭が飼育されていましたが、その後食糧事情の改善などによって減り、現在は約2万頭が飼われています。
人懐っこいところや牧歌的で癒されるところに惹かれ、自宅で飼う人や、看板ヤギとしてカフェやペンションなどお店や宿泊施設で飼うケースも増えています。ふれあいのために導入する牧場や動物園も増え、さまざまな角度からヤギが見直されています。


実は日本でも身近な存在だったヤギ。再びブームは来るのでしょうか。次回は、ヤギは家で飼えるのかというテーマでお届けします。


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