ネギ類を食べるとどうぶつは貧血症状に!?

2017.05.25

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玉ネギ、ニラ、にんにくなどのネギ類は、どうぶつさん(ワンちゃん、ネコちゃん、鳥さん、うさぎさん、フェレットさん)にあげることは危険とされており、他のどうぶつでも同様の症状が出る可能性があります。


血がサラサラになるといわれる玉ネギですが、もし、どうぶつさんが誤って食べてしまうとどのようなことが起こるのでしょうか。


ネギ類の中毒成分は?

ネギ類に含まれる有機チオ硫酸化合物が中毒成分となり、貧血の症状があらわれます。


どのくらい食べると危険?

玉ネギの中毒量は体重1kgあたり15~30g。たとえば10kgの犬の場合、小玉ねぎ1個程度です。

※食材を加熱しても中毒成分は残り、スープなどに溶け出した場合も同様の中毒を引き起こします。また、柴や秋田犬などの日本犬や猫はこの毒に対する感受性が特に強く重症化しやすいといわれています。


どのような作用機序?

ネギ類を食べてしまった場合、中毒成分が消化管で吸収されて血液中に入ると赤血球の酸化障害を引き起こし、その結果、貧血症状を発症します。


≪詳しい作用機序≫

  • 赤血球中に含まれ、酸素を運搬する役割をもつヘモグロビンに中毒成分が結合すると酸素をうまく運搬できなくなる。

  • 中毒成分と結合したヘモグロビンは赤血球内の膜付近で塊となり、ハインツ小体を形成する。ハインツ小体をもつ赤血球は膜が脆いため壊れやすく、また、形状が異常なので循環血中から排斥されていく。

ネギ類を食べてしまった場合、中毒成分が消化管で吸収されて血液中に入ると赤血球の酸化障害を引き起こし、その結果、貧血症状を発症します。

主な症状は?

循環器にあらわれます。赤血球が壊れることにより、下記の貧血症状が起こります。

  • 酸素が全身に行き渡らなくなり、呼吸数の増加や粘膜蒼白が見られます。

  • 赤血球内のヘモグロビンが血中に流出し、ヘモグロビン尿(赤茶色の尿)や黄疸になります。

最悪の場合、死に至る可能性があります。


おわりに

日常で作ったごはんやスープをワンちゃんにあげたくなることもありますが、スープに溶け出た中毒成分も毒性は変わりません。正しい知識を持つことで、事故を防いでいきましょう。

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