妊婦さんと猫、気をつけるべきことは?

2019.02.04

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「妊娠したら猫を手放したほうがいい」はホント?

猫から人にうつる病気はいくつかありますが、その中に「トキソプラズマ症」という寄生虫病があります。妊娠中の女性がこの寄生虫に感染すると、流産・死産や赤ちゃんに先天性の障害を引き起こすことがあります。


感染した猫は、オーシストと呼ばれる寄生虫の卵のようなものが糞とともに排泄され、これが口に入ることで人に感染するため、「妊娠中は猫に注意」とよくいわれています。周りから「妊婦さんに猫は危険!」と忠告され、「大切な愛猫を手放すべきでしょうか」と動物病院に相談に来られる方もときどきいます。


しかし、実際に猫がオーシストを出すのはトキソプラズマに初感染したのち、1~3週間に限られます。また、妊娠中に発症するのも、その人が初めて感染したときだけで、過去に感染歴があれば発症する危険性は極めて低くなります。感染歴を知るには、病院(猫は動物病院)で検査できます。


トキソプラズマの感染原は猫だけじゃない

一方、トキソプラズマは豚や羊などの家畜を含むほとんどの哺乳類や鳥類の筋肉内に潜むことがあります。こうした感染動物の肉を十分加熱せずに食べて感染することもあります。


猫からうつる病気があるからと、やみくもに愛猫を遠ざけることが最善の方法とはいえません。妊娠中に初感染しないために、愛猫を室内飼いにして生肉を食べさせず、猫のトイレ掃除をできるだけ家族に任せ、手洗いをしっかりすることが大切です。


病気の正しい知識を持ち、愛猫と接することで、よりマタニティーライフを楽しんでいただけることを願っています。


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