家族の笑顔こそ最高の薬

2017.04.11

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「プラセボ(偽薬)効果」という言葉があります。医学の分野では頻繁に使われ、実際には有効成分が入っていない薬にもかかわらず、本人の思い込みによって効果を発揮する不思議な現象を言います。動物医療においても、このプラセボ効果と似た現象が起きることがあります。


ペットに大きな病気が発覚したとき、誰もが不安や悲しみを覚えます。しかし、あくまで経験則ですが、明るく前向きなポジティブな気持ちで治療に望む家族ほどペットの病気が治りやすくなる傾向にあると感じます。


獣医師は常に最悪のケースを想定し、それを家族に伝える義務があります。そのため、家族が強い不安を覚えるのは当然のことです。ところが、飼い主の不安や緊張は犬の健康に状態に影響するという説もあり、家族の気持ちは治療のうえで重要な要素のひとつであると言えます。


考えて見れば当たり前のことです。試合前のコーチが悲しい顔をしていたら、選手が良い結果を残せるとは思えません。病気に対して最悪の想定をするのは家族の仕事ではなく、獣医師の仕事です。家族の仕事は、いつものように笑顔が絶えない楽しい家庭であり続けることです。プラセボ効果といえるかどうか分かりませんが、「家族の笑顔」こそ、どんな病気も治してくれる夢の特効薬なのです。


とはいえ、不治の病もあり、ずっとポジティブな気持ちで居続けるのは簡単ではありません。そんな時は、せめてペットの前だけでも明るく笑顔にあふれる家族でいましょう。そのことこそが、ペットの幸せにつながるかもしません。


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