ライオンを見るのがもっと楽しくなる!マメ知識5選

by 佐藤華奈子 2022.12.09

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百獣の王と呼ばれるライオン。誰もが知る強い肉食動物の代表格で、動物園の人気者でもあります。ここでは知っていればライオンを見るのがもっと楽しくなるマメ知識をお届けします。

ライオンの基本情報

ライオンは大型のネコ科の仲間。ネコ科の中でトラに次いで2番目の大きさです。オスは体重150~250㎏、メスは120~180㎏ほどになります。


実はライオンにも種類がありますが、日本でライオンといえばアフリカライオンを指します。サハラ砂漠の南から南アフリカ北部にかけてのサバンナに生息するライオンです。暑いサバンナに暮らすため、日中は眠って休み、夜に狩りをします。食べるのはシマウマやヌーといった大型の哺乳類。自身よりずっと大きな450㎏近い獲物を仕留めることもあります。


獲物が足りないときはげっ歯類やは虫類などの小動物を食べることも。ハイエナやヒョウ、リカオンなどほかの肉食獣から獲物を奪うこともあります。逆にハイエナの群れに獲物を奪われることもあり、ハイエナとはライバルのような関係です。


妊娠期間は約3ヶ月半で、1回の出産で1~4頭の赤ちゃんが生まれます。生後半年の間授乳をします。赤ちゃんは3ヶ月になると肉も食べ始めます。ライオンは群れのボスがほかのオスに変わったとき、前のオスの子どもをすべて殺してしまう習性があり、この子殺しや食料不足などにより、生後2年以内に8割の子ライオンが命を落とすという過酷な環境で生きています。


野生下ではメスは16歳まで生きることがありますが、オスは12歳を越えることはほとんどないといわれています。飼育下では性別問わず20歳前後まで生きることがあり、国内の動物園では25歳10ヶ月生きた記録があります。

ライオンのマメ知識

「強い」「荒々しい」というイメージ通り、野生では過酷な環境を生き抜いているライオン。そんなライオンのマメ知識を紹介します。


1日のほとんどを寝て過ごす

かっこいいライオンの姿を期待していたのに、動物園のライオンは寝てばかり……。そんな感想を抱く人も多いのでは? それもそのはず、ライオンはもともと1日のうち15~20時間を眠ったり横になってくつろいだりして過ごします。しかも夜行性なので、日中は睡眠のゴールデンタイム。これでは寝てばかりなのも仕方がないことですね。


動く姿が見られたら運が良いといえるくらいです。ライオンが活動しているところを見たければ、開園直後の展示場に出たばかりのころか、夕方の閉園前、寝場所へ戻っていく時間帯に見ることをおすすめします。


もしわかれば食事の時間やライオンのイベントを開催しているときも狙い目です。また夜間開園(ナイトズー)などの機会があれば、夜のライオンの姿を見られるかもしれません。

狩りの成功率は20〜30%

野生で狩りをするのはメスの仕事で、群れの仲間と協力しながら獲物を追い詰めて仕留めます。その成功率は20~30%程度。ハイエナやリカオンの成功率は60%以上といわれているので比べると低く感じますが、トラやオオカミは10%未満なので、極端に低いわけではありません。


狩りは毎日ではなく、数日おきに行います。動物園では野生の生態にあわせて絶食日を設けていて、食事は数日おきに与えています。毎日食事をとると食べ過ぎになり、ライオンの内臓に負担がかかるためです。動物園のライオンは馬肉や鶏肉を食べています。ただ骨や皮が取り除かれた精肉では、仕留めた獲物を食べるときのように骨を噛み砕くこともありません。


現在、野生の状況により近づけるために、骨や皮が残ったままの肉を与える「屠体(とたい)給餌」に世界中の動物園が取り組んでいます。日本では有害獣を屠体給餌に活用する取り組みも始まっています。

ネコ科の仲間で唯一○○を作る

ライオンはネコ科の中では異質な行動をとります。それは群れを作ること。ネコ科の仲間は単独行動が基本ですが、ライオンは群れで生活しています。ライオンの群れは英語で「プライド」と呼ばれ、基本的に数頭の兄弟関係のあるオスと血縁関係のある10頭前後のメス、その子どもたちで構成されます。


子どものオスは2~3歳になると大人のオスによって群れから追い出され、兄弟で少数の群れを構成し、別の群れを見つけて闘いを挑み、勝つとその群れを率いるようになります。

オスのライオンは自分の群れを守るために、挑戦してくるほかのオスと闘います。負けてしまうと群れのメスを奪われ、子どもは新たなボスに殺されてしまいます。まさに絶対に負けられない闘い。ライオンが百獣の王と呼ばれるのは、群れのために闘い続けていることもあるのでしょう。


もちろん動物園では壮絶な闘いにならないよう工夫されているため、闘う姿を見ることはまずありません。とはいえ、例えゴロゴロと寝ている姿ばかりでも、複数頭で過ごしているところが見られるのは大型のネコ科ではライオンだけ。トラの場合は繁殖期のオスとメスのペアを除き、基本的に単独で展示され同じ空間で2頭が鉢合せしないようになっています。

たてがみは年を取るほど黒くなる

ライオンといえば、オスだけが持つ立派なたてがみ。強いオスほど立派なたてがみを持つといわれ、年齢があがるほど色は黒くなっていきます。たてがみがある理由は諸説あり、ほかのオスに攻撃されたときに首を守るためとも、メスを惹きつけるためともいわれています。

ライオンにも天敵がいる

ライオンは最も強いイメージがありますが、天敵はいます。特に子どもはハイエナやハゲワシ、ヘビ、ヒヒに狙われ補食されることがあります。大人のライオンでも水辺でワニに襲われることも。またアフリカゾウもライオンにとっては驚異です。ゾウの子どもをライオンが狙うことはありますが、大人のオスのゾウに襲われるとさすがに歯が立ちません。


そして人間もまた、ライオンにとって天敵といえる存在です。アフリカではライオンを殺して一人前と認められる風習があり、ライオンは常に狩りの対象です。旅行者がライオンをハンティングの対象とすることも問題となっています。


さらに開発によって生息地を減らされていることもあり、一番の天敵が人間であるといっても過言ではありません。現在、ライオンはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧種(VU・危急種)に指定されています。その数は減り続けていて、絶滅が危ぶまれているのです。

まとめ

ライオンのマメ知識を5つ紹介しました。ライオンには全国の動物園で会うことができます。ですが野生のライオンの数は減っていて、絶滅の危機にあります。ライオンに会えなくなる未来が来ないように、ライオンのため、ライオンが暮らす環境のためにできることを私たちも考えていきたいですね。

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コメント2

あいうえおさん

家庭学習にとても役に立ちました。ありがとうございます😊

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uezuaoshiさん

ライオンとトラの噛む力どっちが強いの

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