2022年の干支!トラってどんな動物?日本の動物園で見られるトラの種類も紹介

by 佐藤 華奈子 2022.02.10

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十二支のひとつとしても知られるトラ。日本には生息していないにも関わらず、古くから日本画に描かれていたり、民芸品にもその姿が見られたりと日本人にとってなじみの深い動物です。その姿をイメージするのは簡単ですが、野生のトラはどこに生息してどんな風に生きているのか、すぐ答えられる人は少ないのではないでしょうか。知っているようで謎が多いトラの生態についてまとめました。

世界最大のネコ

ライオンやヒョウ、チーターなど大型のネコ科の中でトラは最も大きく、ネコ科で最大の動物です。種類によって大きさは異なりますが、大きな個体では頭胴長(とうどうちょう 尻尾をふくまない頭から胴までの長さ)はおよそ300㎝、体重は300㎏を超えることもあるほどです。
分類上、最も近い仲間はライオンです。見た目からあまり似ている印象はありませんが、毛皮がなければ判別することは困難ともいわれています。「百獣の王」と呼ばれるライオンに匹敵するほど強く、どう猛な動物なのです。

縞模様で個体を識別できる

 

トラの特徴といえば、全身の縞模様。この模様には茂みの中で姿が目立たない効果があるといわれています。縞模様の入り方は、人間の指紋と同じように1頭ずつ異なります。研究者は縞模様のパターンによって野生の個体を識別しているそうです。

極寒の地から亜熱帯までさまざまな環境に適応

 

トラといえば、どんな場所に生息しているイメージがあるでしょうか。熱帯雨林の密林を思い浮かべる人も、サバンナと思う人も、寒い場所にいると考える人もいるでしょう。そのどれもが正解です。
野生のトラがいるのはアジアのみ。生息地は一部の地域に限定されますが、亜寒帯のロシアから亜熱帯の東南アジアまで幅広い地域に生息しています。雪に覆われることもあるシベリア地方、熱帯雨林、温帯林、草原、マングローブやサバンナなど、さまざまな環境に適応しているのです。

猫と異なるのは大きさだけではありません。トラは積極的に水に入ります。ただ水浴びをするだけでなく、6~8㎞も泳いで川を渡ることさえあります。暑い環境に適応したためと考えられています。

群れずに単独で狩りをする

虎

トラは単独行動が基本。母子が一緒に生活するのと繁殖期にオスとメスが出会う以外は、1頭だけで過ごします。オスもメスも1頭1頭が縄張りを持っていて、吠えてほかの仲間に存在を知らせるほか、木を爪でひっかいたり、おしっこをかけたりしてマーキングをします。トラ同士が鉢合わせると、縄張り争いのために激しく闘うことも珍しくありません。

大半の肉食動物と同じく、トラも夜に狩りをする夜行性です。トラはステルス型の狩りをします。体の縞模様はその姿を草木の中で巧みに隠し、大きな肉球は足音を消す役割をします。トラは身を隠して足音を出さずに獲物に近づき、一気に襲いかかります。獲物となるのはイノシシ、シカなど大きめの草食動物がほとんどです。ゾウに襲い掛かった例もあるほか、ヒョウやサル、鳥、ワニ、魚を捕まえて食べることも。また人里に近い場所に生息するトラはヤギやウシといった家畜を狙うこともあります。仕留めた獲物の大きさにもよりますが、狩りを行うのは週に1回程度です。

繁殖期は生息地によって異なり、一年中繁殖する場合もありますが、11~4月頃の涼しい時期が多いようです。3~5歳で繁殖が可能になり、一度の出産で平均2~4頭の赤ちゃんを産みます。生まれた子どもは1歳半~2歳ごろまで母親と生活をともにし、その間に狩りの方法を教わります。子ども同士で遊ぶことも狩りの練習になります。
トラの野生での寿命は10〜15年ほどですが、およそ半数が2歳までに命を落としてしまうそうです。飼育下での寿命は20年くらい。野生でも同じくらい長生きすることもあります。

トラにはどんな種類がある?

トラは生息地によって6つの亜種に分けられます。インドに生息するベンガルトラ、ロシアのアムールトラ、中国のアモイトラ、スマトラ島のスマトラトラ、ミャンマーとベトナムに生息するインドシナトラ、マレー半島のマレートラです。アモイトラは野生では絶滅したと考えられていて、飼育下の個体だけが残っています。このほかバリトラ、ジャワトラ、カスピトラがいましたがいずれも絶滅してしまいました。

日本の動物園で会えるのはどんなトラ?

 

国内の動物園では、現存する6つの亜種のうち次の3つを見ることができます。

ベンガルトラ

スリランカをのぞくインド亜大陸に生息。最も個体数が多い亜種で、現存するトラの半数を占めるといわれています。縞は比較的少なく、被毛は短めです。

アムールトラ

シベリアトラとも呼ばれます。中国東北部やロシアの沿海地方のアムール川流域に生息。トラの亜種の中で最も大きく、被毛は長め。冬毛は特に長く厚くなります。

スマトラトラ

インドネシアのスマトラ島にのみ生息する固有亜種。トラの中でもっとも小柄。縞模様の間隔が狭いことや、比較的縞の色が濃く、くっきり見えることが特徴です。もっとも南に分布するトラで、熱帯雨林の中で暮らしています。


なお、ホワイトタイガーは正式名ではありません。ベンガルトラが突然変異で白くなった白変種で、正式名を「ベンガルトラ白変種」といいます。縞以外の色が白く、目が青いことが特徴。誕生することは稀な珍しいトラです。

絶滅の危機にあるトラ

  虎

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、トラは絶滅危惧種(EN)に指定されています。20世紀初頭には世界で10万頭ほど生息していたといわれていますが、生息環境の破壊や、トラの毛皮や薬の原料を得るため、また武勇伝にすることを目的とした狩猟によってその数は激減。現在の野生の個体数はおよそ4,000頭前後と推定されています。保護活動によって数が回復している地域もありますが、今もなお生息環境の縮小や密猟、家畜や人を襲ったことへの報復として殺されることで、数が減り続けている地域もあります。

雪上のトラ、密林のトラ、水の中のトラ。
今この時も、地球上のさまざまなシーンをトラが歩いています。その姿が失われることがないよう、私たちにできることはないのでしょうか。まずトラを知ること、意識を向けることが最初の一歩となるでしょう。寅年の今年、今を生きるトラのことも考えていきたいですね。

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