2020.11.17
モモンガの種類はどのくらいあるの? ペットとして飼えるのは?
モモンガといえば、足の間の膜(飛膜)を広げて、木から木へ飛び移る姿をイメージする方も多いと思いますが、「モモンガ」には、大きく分けて2タイプがいるのをご存知でしょうか。
ひとつめは「有袋類」のモモンガです。有袋類とはお腹に子どもを育てる袋をもつ動物の総称で、カンガルーやコアラがよく知られています。有袋類のモモンガはフクロモモンガと呼ばれ、「パプアフクロモモンガ」、「オオフクロモモンガ」、「ビアクフクロモモンガ」、「フクロモモンガ」、「マホガニーフクロモモンガ」、「オブトフクロモモンガ」の、6種類が存在します(※1)。この中で日本でペットとして飼育することができる種類は「フクロモモンガ」のみです。
ふたつめは「げっ歯類」のモモンガです。げっ歯類とは、物をかじるのに適した歯と顎を特徴としたネズミ目の動物の総称です。モルモットやプレーリードッグ、ハムスターなどがげっ歯類の仲間です。げっ歯類のモモンガは英語でFlying squirrel(空飛ぶリス)と呼ぶように、リスの仲間に分類されます。げっ歯類のモモンガは全部で約45種類が存在します(※2)。この中でペットとして飼育することができる種類は「アメリカモモンガ」のみです。
※1:双前歯目フクロモモンガ科フクロモモンガ属に該当する種類。
※2:ネズミ目リス科リス亜科モモンガ族に該当する15属の種類。
この記事ではペットとして飼育できる「フクロモモンガ」「アメリカモモンガ」をはじめ、かわいらしいモモンガたちについてご紹介します!
フクロモモンガってどんな動物?
フクロモモンガの性格・特徴は?
日本でペットとして飼育されているモモンガのうち、大半を占めるのがフクロモモンガです。
野生のフクロモモンガは群れで生活し、高い社会性を持っています。警戒心が強いので、環境に慣れないうちは大きな声で激しく威嚇することも多いですが、飼い主さんによくなつき、甘えてくる子も少なくありません。信頼関係を築くことで、飼い主さんの手の中で安心して眠ってくれたり、かまってほしくて呼び鳴きしたりなど、コミュニケーションを取ることができるようになります。一方で臭腺が発達しているのと、トイレを覚えないこともあり、げっ歯類のモモンガと比較するとにおいはやや強めです。
フクロモモンガの見た目は、グレーの被毛と、目の間から尻尾にかけての黒いラインが特徴です。モモンガの特徴ともいえる大きな瞳も黒く縁どられ、「ノーマル」や「クラシックグレー」などと呼ばれます。その他、全身の白い被毛に黒い瞳が愛らしい「リューシスティック」、ノーマルの被毛に白い顔が映える「ホワイトフェイス」、淡い銀色の被毛が美しい「プラチナ」、クリーム色の被毛に葡萄色の瞳が魅力的な「クリミノ」、カラーに限らず体の一部が白抜けして個性的な柄になる「モザイク」など、カラーバリエーションも非常に豊富です。
フクロモモンガの大きさについて
体長は12~15㎝程度、尻尾が体と同等の12~15㎝程度、体重は80~150g程度になります。
フクロモモンガの寿命はどれくらい?
野生のフクロモモンガの寿命は5~7年ほどですが、飼育下での寿命は10年前後、長い場合は15年程度になります。
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アメリカモモンガってどんな動物?
アメリカモモンガの性格・特徴は?
一般的には野性味が強く臆病で懐きにくいと言われていますが、ストレスをかけないよう優しく根気強く接していくことで、手に乗っておやつを食べてくれたり、飼い主さんのそばに寄って来てくれたりなど、コミュニケーションを取ることができるようになります。フクロモモンガと比較すると、鳴き声は小さいです。アメリカモモンガもトイレを覚えませんが、糞便のにおいや体臭が少ないことも特徴です。
アメリカモモンガの見た目は茶褐色の被毛に、お腹部分は白に近いクリーム色です。他のげっ歯類のモモンガと比較すると耳も大きめです。フクロモモンガよりふっくらした体に見えますが、アメリカモモンガをはじめとするげっ歯類のモモンガの方が動きは俊敏です。
アメリカモモンガに限った話ではないのですが、野生のげっ歯類は人に重篤な危害を及ぼす感染症を数多く保有することが知られていて、輸入の条件が非常に厳しく定められています(逆に言えば、高度な衛生管理をされた個体のみ輸入されます)。国内のブリーダーさんも少ないため、フクロモモンガと比較するとアメリカモモンガの流通は非常に少ない状況です。
アメリカモモンガの大きさについて
体長は12~15㎝程度、尻尾が8~12㎝程度、体重は50~100g程度になります。
アメリカモモンガの寿命はどれくらい?
野生のアメリカモモンガの寿命は5~7年ほどですが、飼育下での寿命は12年前後になります。
タイリクモモンガってどんな動物?
タイリクモモンガの性格・特徴は?
かつては日本でペットとして飼育することができましたが、逃げ出した個体が日本の野生のモモンガと交雑・競合することが懸念され、「特定外来生物」に指定されました。そのため、現在は飼育や輸入が原則禁止されています。フクロモモンガやアメリカモモンガと比べると、非常に神経質でデリケートな性格と言われていて、飼育は難しい種類です。アメリカモモンガが尻尾を垂らしているのに対し、タイリクモモンガは尻尾をリスのように背中に沿わせて持ち上げているのが特徴です。
タイリクモモンガの大きさについて
体長は15~20㎝程度、尻尾が10~12㎝程度、体重は80~120g程度になります。
タイリクモモンガの寿命はどれくらい?
野生のタイリクモモンガの寿命は3~5年程度です。ただ、飼育下で適切に管理すれば10年近く生きるともいわれています。
ニホンモモンガってどんな動物?
ニホンモモンガの性格・特徴は?
日本の本州・四国・九州に生息する野生のモモンガです。見た目はタイリクモモンガにそっくりですが、日本にしか生息しない固有種です。ペットとして飼育することはできません。ホンドモモンガやホンシュウモモンガと呼ばれることもあります。日本の山地や亜高山の森林地帯に生息していますが、他のモモンガと同様に完全な夜行性のため、日中は木の穴などに隠れています。近年は森林開発などによって住むところが減ってしまったこともあり、生息数も減少傾向にあります。自治体によっては絶滅危惧種に指定されています。
ニホンモモンガの大きさについて
体長は15~20㎝程度、尻尾が10~15㎝程度、体重は100~200g程度になります。
ニホンモモンガの寿命はどれくらい?
野生下での寿命は4~5年程度と考えられています。
エゾモモンガってどんな動物?
エゾモモンガの性格・特徴は?
北海道に生息する野生のモモンガで、ペットとして飼育することはできません。エゾモモンガはタイリクモモンガの仲間で、二ホンモモンガとは別の種類です。基本的には単独行動をしますが、仲間同士の争いを好まない性格といわれています。自分の巣穴に別のエゾモモンガがやってきても、拒絶することなく身を寄せ合って北海道の寒い冬を乗り越えます。目の周りがアイラインを引いたように黒いのも特徴です。また、天敵のテンやフクロウに見つかりにくいように、夏場は地面や木々に合わせて茶色の毛色、冬になると雪に合わせて淡いグレーの毛色に変わります。他のげっ歯類のモモンガも季節によって毛色が変わりますが、真っ白な雪の中に佇むエゾモモンガの可愛らしいルックスは、日本だけでなく海外からも絶賛されています。
エゾモモンガの大きさについて
体長は15~18㎝程度、尻尾が10~12㎝程度、体重は80~120g程度になります。
エゾモモンガの寿命はどれくらい?
野生下での寿命は3~5年程度と考えられています。
まとめ
現在一緒に暮らすことができるのは「フクロモモンガ」と「アメリカモモンガ」のみですが、どちらの種類も毎日一緒に過ごして絆を深めていくことで、かけがえのないパートナーになるでしょう。モモンガは小さな体ですが、長い年月を一緒に過ごすことができます。10年以上もの長い時間を寄り添っていけるのか、家族としてお迎えする前にしっかり考えることが大切です。
Mi-tannさん
Kawaisugi
hgっcヴイさん
ホンショウモモンガのことも入れてほしい