猫がスルリとすき間を通れるワケ

2017.06.06

秘密は猫の鎖骨にあった!

とても狭い隙間から、猫がスルリと抜けるのを見たことはありませんか。頭の幅ほどしかない狭いところでも、なぜ引っかかることなく通り抜けることができるのでしょうか。


実は、犬や猫の鎖骨は退化し、機能していません。牛や馬など四足歩行をするほとんどの動物も同様です。胸骨と前脚の骨をつなぐ役割のある鎖骨ですが、これらの動物では、前脚の骨と胸骨はやわらかい筋肉でつながっています。そのため、肩をすぼめればかなり狭い隙間でも通り抜けることができるのです。


これには、四足歩行の動物特有の歩き方が大きく関係しています。四足歩行の動物は、後ろ脚で地面を蹴って前に進み、前脚で着地します。着地の際、前脚には全体重の数倍もの負荷がかかります。前脚の骨と胸骨が鎖骨でつながっていると、その衝撃が胸骨につながる背骨に直に伝わってしまうので、非常に危険なのです。筋肉のみで連結することで、着地時の衝撃を和らげているのです。


一方、二足歩行の動物である人間や猿の腕の骨と胸骨は鎖骨でつながっています。このため、手を安定させて利用することができます。さらに、犬や猫に比べて指の骨も長く発達しており、手で物をつかんだり、文字を書いたり、子供を抱きかかえたりできます。


犬や猫など、鎖骨が退化した動物は歩行や走行が得意で、人や猿など鎖骨が腕の骨や胸骨とつながっている動物は、器用で細かい動きが得意です。鎖骨という体の一部だけを取ってみても、長い歴史の中で暮らしやすいように進化してきた結果だと考えると、とても面白いですよね。


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