けんちゃんとお腹の中のお友達~ビフィズス菌、定着?~

2018.07.22

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生後ヶ月では、お腹の中にビフィズス菌がいなかったけんちゃん。どうぶつさんと接していると、ビフィズス菌がいる子が多いようですが、どうぶつさんと暮らさないとビフィズス菌は出てこないのでしょうか。


身近にどうぶつさんがいないけんちゃんですが、その後お腹の中のお友達(腸内フローラ)がどのように変わっていくのか、見てみました。


1歳半までのけんちゃんの腸内フローラを見てみよう!

こちらが、1歳半までのけんちゃんの腸内フローラです。


緑色が、ビフィズス菌が存在するアクチノバクテリア門。生後8日と60日で登場したアクチノバクテリア門は、ビフィズス菌ではありませんでしたが、離乳食を開始した生後160日頃から、安定してビフィズス菌の存在が確認できるようになりました。


これは、多彩な食べ物を摂取することによりビフィズス菌が定着したのだと考えられます。


さまざまな調査から分かっているように、やはり腸内フローラの組成は食べるものによって左右されるようですね。


ところで、立川先生。大人ではビフィズス菌ってどのくらいの割合でいるのでしょうか?


みんな持っているものなのですか?


Dr.立川による解説!~大人の腸内フローラとの比較~

皆さん、こんにちは。医師の立川です。


アニコムでは、18~75歳までの1,080名の「①ビフィズス菌保有状況」「②腸内フローラの年齢別組成」について調査を行いました。


①ビフィズス菌保有状況について
大人のビフィズス菌の保有率(何%の人がビフィズス菌を持っているか)は85.7%、つまり、約15%の人はビフィズス菌を持っていないということが分かります。


②腸内フローラの年齢別組成について
大人の腸内フローラはどの年齢帯でも6門で構成されていることが確認できます。


それに対して、けんちゃんの腸内フローラは最初は2門でしたが、離乳食開始後からは3門、4門、5門と徐々に増えていることが前のグラフから分かります。


赤ちゃんは離乳食を開始することで、新しい食べ物や細菌との出会いがあり、腸内フローラが大人の腸内フローラに向けて、大きく変化するタイミングになります。


腸内フローラの組成変化からも見て取れる通り、けんちゃんも離乳食を開始したことにより大人の腸内フローラに近づいてきたと言えるでしょう。


ハムスターと暮らすけいちゃんの腸内フローラ

一方で、お母さんのお腹の中にいる時からハムスターさんと暮らしているけいちゃん。生後1ヶ月の時点ですでにビフィズス菌を持っていました。


前パラグラフのアニコム調べの大人の腸内フローラデータでは大人の平均菌種数は87.3種でした。


けいちゃんの菌種数は大人と比べるとまだまだ少ないものの、腸内フローラの構成だけを見ると、どうぶつさんと暮らしていないけんちゃんよりも大人の腸内フローラに近いことがわかります。


まだまだはっきりしたことはわかりませんが、この結果からどうぶつさんと暮らすことで、腸内フローラの多様性をより早期に獲得できるのかもしれませんね。


もしどうぶつと一緒に生活していなくとも…

立川先生、ありがとうございます!


まだまだけんちゃんとけいちゃん一人ずつのデータではありますが、多様な食べ物(離乳食)との出会いや、小さなハムスターさんとの暮らしが腸内フローラの多様性の獲得に役立っているのではないかということが今回、見えてきました。


どうぶつさんと暮らすことが難しい方も、動物園に行ったり、砂場遊びをしたりなど、自然の中でさまざまな経験を積ませてあげることで子ども自身の心の成長だけでなく、バランスのとれた腸内フローラの獲得に繋がるのではないでしょうか。


次回もお楽しみに♪


記事:佐藤詩織(アニコムママ社員)、宮本亮太朗(けんちゃんパパ、アニコムパパ社員)、立川亜理沙(医師)、豊田真紀(アニコムママ社員)


監修:医師・医学博士 星旦二


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